そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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トリック劇場版 ラストステージ

http://www.spec-movie.jp/index.html
監督:堤幸彦 脚本:蒔田光治

 
TRICKこれで本当にラスト。ぶっちゃけストーリーはそんなに捻ってもないし面白いわけじゃないけど、こないだのスペシャルよりマシだし、とにかくきれいにしんみり終わったなあって感じ。
そういやそうだっけ…くらいにしか覚えてなかったけどラストで1話の出会いシーンの再現で今までの回想シーンが流れることもあり、ちょっとだけ泣けてきたと思ったけど、見終わったら隣のカップルの女がやっぱり泣けてきたって言ってたから泣けてきて構わないらしいw  まあ13年だもんな。長かった。
とりあえずきれいにまとまったしどうやら山田と上田は今度こそくっつくみたいなのでよかったよかった(笑)
以下ネタバレです(当然)
 
 
でもほんとに真面目な話、こないだのスペシャルもどうやらまんま捻りなく横溝だったらしいし今回のストーリーもまったく捻っても落ちてもないし、かつて面白かったはずのTRICKテイストを脚本家を筆頭に自ら放棄した感じなのは如何なものかと。
呪術師のくだりはギリギリ後味悪いんだろうけど、どうもそれじゃない感というか、因縁というか因果めいたものは感じられないんだよな。だってインチキ呪術者だといって追いだそうとしたけど実は霊能力があるわけじゃなく知識が豊富だって話で、しかも必要とされてる役割が点火係だとますます霊能力関係ないよね。おまけに自己犠牲でもなくちゃんと抜け穴トリックが仕込まれてたし。
そして結局今回のことの原因と結果には山田は関係ないよね。観客に対してそれを解いたってだけで。
だから後味悪い話をやるなら村上商事の加賀美さん(東山紀之)が娘を助けたことで呪術師が殺されて爆発が止められないって話じゃないかな?その結果が娘さんに…ってのは気の毒だから代わりに加賀美が逮捕されるって話にしても、どうも因果応報のポイントがズレてるような。あの村で酷いことをした人間は死んでるにしても。この作品の場合、「その結果が取り返しの付かないこと」ってのがなんとも言えない後味の悪さに繋がってると思うんだけどなあ。
ぶっちゃけ後味の悪い酷いオチにならないとTRICKじゃないような気はするよ。
超能力者を否定→インチキだと暴く→実は本物→救われない…という循環が、正しいことをしたつもりでも見方を変えるとそうなのかな?と疑問を抱かせるようなグレーゾーンになってしまうってのがTRICKという作品の持ち味だと思うんだけどな。
まあいいや、その辺はあまり深く考えない。とにかく呪術師関連のことはストレートすぎて落ちにもなってなくて逆にビックリするくらいだったと。
矢継ぎ早やに投入される小ネタはかなり笑った。これだけでかなり楽しめるくらいおかしいよ。だから内容自体もつまらなくはないんだよ、単にストーリーが面白くないだけで。最後の最後もまた母之泉か!ってのも別にいいw 母之泉に始まり母之泉に終わる。山田と上田の関係もきれいにまとまったしな。
でもスンガイ共和国が菅井きんの名前からだってのはあれだけ母之泉の菅井きんだって見てても気が付かなかった。不覚w
 
どうもパンフに全小ネタ解説があるみたいだから細かくは拾わないけど、最後だからかとうとう山田の形容が「仲間由紀恵に似た天才美人マジシャン」になってたのはさすがにああ最後かー…と思った(笑)でも「ヤンクミ」はねーだろよw あとは「仲間由紀恵似」なのに「中田ヒ(デ)…」だの「中尾あ(きら)…」だのいうバリエーションとかw
あとは北村一輝が迷いなくIKKOちゃんだったw 医者の役だけどどうしてもメイクさんに思えてしようがなかった(笑)
逆にヒガシは普通すぎて加賀美の話は全然面白くないんだけど、いい話だしあれはあれで。まあTVシリーズ初期以外の蒔田光治の脚本にはなんの期待もしてなかったからいいや。
村上商事でムッシュム・ラー村ってのはもう予告編ですでに笑ったし、吉田鋼太郎の山本支社長の極めてシェイクスピア演劇的な大げさな芝居とそれに対するツッコミも笑ったw(いいけど隣の若い就活中みたいな若い女はゲラゲラ笑ってたけど吉田鋼太郎知っててなんだろか、どうもなんでも笑ってたから知らないみたいだけどもちろん知らなくても十分おかしい)←それくらいには面白いw そしてオレも川島の中村育二がなんでああいうキャラなのかわかんなかったしなw
あと上田さんのサンダルの熱血教室、自熱教室ってのは相変わらず堤節がすぎる。
そういや矢部と秋葉もいたけど、捕まってた牢から出たと思った現地の人達が「S●ECホルダーか」って言ってたし。あと最後に矢部ドラマの未来ちゃんも出てたしw
細かい張り紙芸はもうDVDかBlu-rayでないと全部は確認できないから、そんなとこで。それでも結構ネタとして拾えたかな。
山田のタイタニックごっこで赤青3D化とか、山田母の話のタイタニックライフ・オブ・パイの虎の話とかのおかしかったしなーw
まあ個人的にはきれいに終ったのはよかったけど、やっぱりTVシリーズにしても映画にしてもちょっと長く続け過ぎじゃないかなあと思わんでもないかなあ。
時事ネタ的な小ネタがあるから13年間引っ張ったことについては楽しめたというか、ずっとやっててもいいくらいなんだけど、本物霊能力者の血を引いてるはずなのにインチキマジシャンをやってる(しかももういい年)山田奈緒子の運命の話としては適当なとこでまとめたほうが良かった気がする。上田とはにおわす程度でいいし。
…と思ったんだけど、あの最後の山田のシーンは本当に現実なんだろか?フーディニのエピを踏まえた上田の見た幻ってことも考えられるよなあ。
矢部のところに記憶喪失の女性がいるって連絡が入ってたし、矢部のとこに連絡が来るくらいだからそれはたぶん山田だろうと思うけど、そのわりに山田母はそのこと知らないし。生きててあのタイミングなら連絡入ってても不思議じゃないよな。(知っててとぼけたってこともあるかもだけど)
どちらにしろ山田が霊能力者としてやってきて、それが1話とまったく同じパターンで…なので余計にだけど、そのへんが曖昧ってのも「TRICK」としてはそれはそれでいいかもな。もしかしたら矢部がスルーしたせいでまだ身元が割れてなく、一足先に生霊だけが無事を知らせに来た…でもいいしな。うん。
あのシーンのあのトン切り方のタイミングは絶妙。さすが堤監督。
 
まあ作品そのものが面白いかどうかとストーリー自体の面白さが同じじゃないんだけど、基本的にTVの2シーズン以降は本質から外れた展開してるから面白くないし、映画やスペシャルも超能力者バトル〜しか面白いと思わないんだけど、もしかして作ってる方は本気で気がついてなかったのかなあ?いくらなんでもそんなことないと思うんだけど…(^_^;)
パンフは読み応えありそうなんであとで読む。
13年間お疲れ様でした!10年引っ張ったSPECも終わっちゃったし(なんで同じ時期に)、このあと堤監督どうすんだろ。
 

追記。

パンフの監督インタビューにラストシーンの答えがばっちり書いてあるよ!ロマンがないなあー(苦笑)