そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

エンダーのゲーム

http://disney-studio.jp/movies/ender/
監督・脚本:ギャヴィン・フッド 原作:オースン・スコット・カード

 
原作読んでないんだけど、たぶん結構長いんだよね…と思ったらそもそもシリーズ物かー。
なんか当たり障りなくそつなく映像化しすぎてて、盛り上がりもインパクトもなくて残念な感じ。というかもったいないなー。
映像自体はすごいし、訓練のシュミレーションバトルや艦隊戦の戦闘シーンも見応えあったけど、なんかこれはってものがなかったよ。いや満遍なくスゴいんだけど。
2時間の映画じゃなく1時間枠で5,6回くらいの連ドラにしたほうが良かった気がする。ホントに必要な情報や描写はたぶんちゃんと入ってるんだろうけど(だから原作未読でも物語自体はわかるけど)、面白いのは学園モノ的な訓練生時代のことや友達たちとのやりとりなんだろうなーってのはわかるし。
その上でエンダーが「終わらせる者」というその名前の通りの運命の子だっていう才能や能力に対する周囲の大人たちの期待とコマンダーとしての適性がありすぎるのにその自分の中の暴力性を否定したいエンダー自身の苦悩、戦いを望まない内面の精神性じゃないかって気がするんだけど。
ああいう終わらせ方じゃない何かを探っていくけど情勢がそれを許さない、その結果がああだったっていう、そういうあ葛藤があるから最後のラストバトルで一種族を滅ぼしてしまったことの後悔とか贖罪の気持ちとかってのが、たぶんSFとしは評価されてるんだよね?原作は。そういうとこも拾ってないわけじゃないだろうけど、それをちゃんと映像として見たかった。
訓練生時代の時間経過がよくわからないけど基本的にエンダーも「子供」だし、宇宙艦隊の訓練自体もゲームが得意な子供のほうが適性があるって設定みたいだし、そういう少年の苦悩ってことならむしろこの映画ってもっと中学生くらいの子供が見るようなものだよなあ。それこそエヴァ的な意味で主人公に共感できるだろうし。

まあエンタメ映画にするなら訓練生時代をざっくり削ってあらすじ化したら〜とか考えたけど、たぶん面白いのはその訓練生の時の話だろうし、そういう意味で子供向けならそっちを削るべきじゃないだろうし…どうやっても2時間じゃ無理だよね。
ただまあ見ててわかんなかったとこもあるんだけど、エンダーが特別なのは特別な才能があるからなのか、生まれ自体が特別だからなのか(第三子の割合や特別性、兄姉との兼ね合いは?)の説明があまりなかったのと、50年間次の攻撃に備えてる今の地球の状況、実戦がない状態での大人たちが何をしてるのか、本当に子供にしか適性がないのかってことの説明がなかったってことかなあ。
最後の戦闘でもエンダーがいきなり艦隊指揮をできるかどうかってのをぼかしたままだから観客的にはシュミレーションだと思ってたわけだけど実は実戦だったというのが、エンダー本人がどれくらいその可能性を感じてなかったのかってことも含めてのカタルシスがなくて残念。
あとあのラストも何がどうなったのかわかんないよ。あの異星生命体の卵を何処かへ運ぶっていう約束は、エンダーがそれをできるかどうかじゃなく許されるの?ほんといろいろもったいない。
原作は多数のクリエイターに影響を与えたってことらしく、エヴァとかトップをねらえ!とかいかにもそれっぽいし、アニメじゃなくても小説でもこういうのは多いと思うけど、その原作そのものが絶版だったみたいだし日本じゃヒットは難しそうなネタだよなあ。
まあキャストもちょっとくせがあるというか、日本人好みって感じではなさそうな気が。お姉さんにしても仲間の女の子にしても美少女というよりふっくら健康そうだし、エンダーの線が細くて神経質そうな感じはリアルにシンジくんみたいだけど(そういやあのバトルスーツはエヴァのプラグスーツっぽいな)あんまりヒロイックじゃないしなあ。
そこが常に大人のマッチョ男が活躍するありがちなハリウッドSF映画と違うとこではあるけど、その特徴は宣伝ではあんまりアナウンスされてない気もするからいろいろズレてるかもしれないなあ。
でも主役のエイサ・バターフィールドはなんか細いけどスラっとしてて良かった。賢そうで眼力強いとこも。「ヒューゴの不思議な発明」の子みたいだけどあれはもっと子供っぽかったよなあ。WOWOWで見たけどあんまり面白くなかったからざっくりとしか覚えてないけど。
 
追記。
エンダーって10歳って設定なのね。原作だと6歳?みたいでさすがにそれは無茶だと思うけど、キャストのエイサ・バターフィールドは15,6歳だから、前情報なしだと見た目的にはいろいろ誤解するかも(^_^;)