そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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劇場版 TIGER&BUNNY -The Rising-

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監督:米たにヨシトモ 脚本:西田征史

 
内容はてんこ盛りすぎるけど、全体にハリウッドアクション映画みたいでチョー面白かった!ダイ・ハードとか見たあとみたいに清々しい気持ちになったよ!
ほぼ全編アクションシーンみたいなもんだけど、100分とは思えないくらい中身詰め込みすぎ。何の話だったのか思い出せないくらいw
その点はもう少し途中で一息つくとこがあればよかったかな。考える暇もなく矢継ぎ早のアクション展開はちょっと疲れるよ(^_^;)
ほんとはもう少しエピソード削って虎徹、バーナビー、ライアンの話にして欲しかったというか、予想としてはそっちの話になるのかなーと思ってたんだけど、実際ライアンって別に悪いやつじゃなく(そういう意味ではキャラ薄い)、むしろなんでかネイサンの話だったのが意外といえば意外かも。というか正直オレちょっと泣けたよ (・_;)
あとストーリー全体が女神伝説に被せた秘書のヴィルギルの復讐ものだったわりにバーナビーのことと対比するわけでもなく、ルナティックが活躍するためのお膳立てでしかなかったり、その辺もまあキャラ優先なストーリー作りだなあとは思う。蟹メカとかダイナミックでいいけどさすがに個人の仕事としてはちょっとでかすぎ。あと彼のそのエピソードも盛り込み過ぎ。犯人の語りは聞かない主義でもええやんw(>「私の嫌いな探偵」)
その他のヒーローは今の現状をまんべんなく描写って感じで、タイバニの場合各ヒーローのファンが多いからその辺も盛り込みつつ全ヒーロー活躍させないといけないんだろうからこうなるよなーとしか。でもそれはそれでよし。
ただ脚本的には、これはTVシリーズの時も…というよりも西田さんのカラーなのかもしれないけど、わりとご都合的にアバウトな部分があって、世界観を詰めてるわけでもなく穴だらけなのは変わらず…ってとこかなあ。
もちろん描かなくてもいい部分ってのはあるんだけどそういうことじゃなく、そこまで気が回ってないけどキャラメインで見てれば気にはならないってくらいの穴だからギリギリってだけで。TVシリーズと同じくオレはお話のバックボーンとしてわりとそういうところ気になるので、気になって素直にキャラ萌えメインで楽しめないとこがあるってくらいだけど。
でも全体には楽しめた!お話としてもスッキリ終わったし、TVシリーズや前回の映画では描かれなかった(設定されてなかった?)街の様子なんかもたくさん描写があって、ああシュテルンビルド行きてえ…って気分になった(笑)
基本的にはロートルなオジサンでもまだまだ働けるってことと、ネイサンの話は男も女も関係ない、自分は自分だというアイデンティティの話としてきれいにまとまってたかな。その分微妙にライアンて必要だった?って気分にはなったけど(苦笑)←結局ライアンいなくなったし(契約は!?)
ラストのどんでん返しも、TVと同じくアニエス任せというか彼女がおいしいとこもっていくってのも基本的にはTVシリーズまんまのノリだなあ…と懐かしい気持ちにw
タイバニはこれでいいんだよね、これで。十分です。
あ、キャラデザインの変更等は全体的に良かったけど、バニーちゃんの髪型は前のほうが良かったなあ。ちょっと長いよ、切れよw
 
と、感想としては一度締めてみる。以下締める前に書きすぎちゃった問題点とか気になったとこなど。読まない人は下のパンフのとこまで飛ばしていーよー。
 
パンフ見ると春の話ってあるけど、それって最終回(1年後のクリスマス)の4ヶ月後くらいってこと?本当ならバーナビーが戻ってくるまでの間のアポロンメディアの状況とかいろいろあったんだろうけど、彼らの現状がイマイチよくわかんないんだよね。なんでバニーちゃんまで2部にいるのさ。オレなんか見落とした?
でもそういう設定的なことよりも、一番イラッとしたのはアポロン2部の虎徹たちが相変わらず無能だってことか。しかもなんでバーナビーまでそれに巻き込まれてるんだ?人気商売のHEROTVが番組的にバーナビーみたいな人気ヒーローを2部に置いとく理由もわからん。バーナビー必要でしょ、ランキングに途中参加無理とかそういうことでなく。ドル箱を無駄に捨ててるアニエスはバカなの?
そもそも前オーナーのときのアポロンメディアのゴタゴタは雇われヒーローには関係ないだろうし、マーク・シュナイダーが就任するまでは会社どうなってたの?(あと細かいこというとウロボロス自体はなくなってないよね。より巧妙に隠れただけだろうけど、だったらマーク以外にも実権握ってる人いるよね…?別に映画でやれと言ってるわけじゃないからいいけど)
いやそれより虎徹だよ。基本的なとこがワイルドタイガーが使えなくてクビになるって話なだけに、あの状況見てたらそりゃそうだろうとしか。むしろよく雇ってるよなあ、TVに映るわけでもないのに。てかどっから給料出てるんだよ。タレント的な働きしてんのかよ。
だから職業がヒーローってことはこの世界においてはメディア展開ありきのヒーロー稼業ってことで、その意義ってなんなの?ってのが拾われてないとオレは気になる。なんで気になるかっていうと結局物語の基本が「(虎徹は)どうしてヒーローをやるのか?」っていう話だから。ロックバイソンのキャラ迷走なんかもろそういう話だし、2部の奴らの存在意義もそうだよね。
大きな話でいえば、与えられた才能を社会に活かせとか、才能がなくなっても個人としては頑張れとか、自分の居場所を探そうって話だよね、タイバニって。そういういろんな意味での赦しの話じゃん。出来ない自分を赦し、他人に寛容になるという、そして誰かのために必要とされる自分でいるための存在意義を探す話。ダメでもいいじゃん頑張ってるんだから…みたいな働くオジサンに優しいとこ。それが受けてるんだと思うんだけどさ。(おまけにそれがきっちりテーマ化してるわけじゃなく万事ゆるく適当な感じがいいんだと思うw)でもだから、普段がまるきし無能じゃダメだと思うんだよ。稼げてないじゃん。
 
だからそこにネイサンの男でも女でもない、私は私よ!っていうのを導線に虎徹の「NEXT能力が切れかかってても俺はヒーローだぜ!」って結論にいくんだけど(TVシリーズでもやったじゃんってのは置いといてw)、だったらせめて犯人逮捕にもう少し頭使って働こうぜ?としか思えんのだよなあ。
NEXT能力云々じゃないよ、あいつらが会社員として使えねーだけなんだってことでしかないじゃん。(それだとNEXT能力者のヒーローだという意味すらなくなるけど)オレでもあいつら切るわw むしろあんな2部チームの企画建てたアニエスの心づもりと企画力を疑うw
1部においてヒーロー同志はライバルだけど2部はランキング関係ないからそうでもないし、だったらひったくり犯くらい頭使って協力して犯人捕まえろよなーって思うし、ほんとあいつら給料泥棒だわ(笑)
まあそれいったら1部のヒーローたちもだけど、協力することと普段のポイント争いするライバルってことがすごく描写としてお座なりなんだよね。少なくともジェイクの事件があったあととは思えない脳天気さ。
あれ、普段はヒーローTV自体がたぶんTV写りのいい犯罪者を選んでヒーローたちに出動かけてると思うんだけど、だったらそういう番組の枠組みを越えた敵が現れた時きっちりヒーロー同志で協力できる体制取っとけよって思うんだよ。たいてい行き当たりばったりじゃん。TVシリーズはともかく今回もね。
そういうとこに、NEXTが現れてヒーローとして活躍してきた歴史とか、そこからリアリティショー形式のヒーロー番組になった今現在の状態とか、翻って年間ランキング制とかがやっぱり設定というより世界としてさっぱりわかんないんだよ。
なのでああいうテロ的に社会を脅かす敵が現れた時に、職業ヒーローはどう役に立つのか、どう「正義のヒーローとして」悪に立ち向かうのかっていう立ち位置があやふやで、お話としては一致団結で敵を倒そうってのはわかるんだけどなんか引っ掛かりを感じるのも事実というか。お尻の座りが悪くてもぞもぞします。
 
ああそうだ、そうだよ。給料制・時間制の「職業ヒーロー」が、悪のテロリスト相手だとちゃんと正義のヒーローとして一致団結して協力しあうことの醍醐味っていうのがタイバニの大きな意味でのストーリー展開の基本枠であり魅力だよね。そこをはっきりさせてないのがそもそもイカンのだよ。
だからスカイハイの個人的パトロールの重みがあやふやになるし、本来ヒーローたちの日常や個人的事情はもっと描かれなければならないんだよ。面白さ自体がそこのメリハリの問題じゃんよ。それでこそ虎徹の男やもめ設定やバニーちゃんのヒーローになった事情がキャラの設定として主人公足りえるんだよね。
でもそこをはっきりさせてないから、結局戦ってる最中に子供の風船取ってあげた虎徹はいいやつだ頑張れーみたいな話でまとめちゃうし。それでいいんだ?
まあそういうとこがはっきりしない、なんとなくお涙頂戴的な精神論・感情論でいい話にしちゃうとこが話の割合として大きすぎるってのが、あんまり女子的じゃないオレとかは引っかかって楽しめないわけですね。全体にはキャラで十分楽しめてるからちょっと残念ね〜くらいだけど。
 
 
おまけ、パンフのこと。
パンフ、通常版30P(800円)とスペシャルエディション版(パンフ部分60P)(2500円)を買ったんだけど、はっきり言ってこれぼったくり過ぎです。
とりあえずページ数が多いパンフを…と思ったんだけど、劇場版パンフとしての情報少なすぎ。なんでちゃんとしたキャストコメント(一言コメントのみもないの?しかもシュテルンビルド事件ファイルとかいらないんですけど。今回の劇場版の情報下さいよ。設定表も通常とスペシャルで被ってるしね。
それなら最初から高くてもいいからちゃんとした内容のあるパンフ作ってください。
箱も無駄に立派すぎるというか、カードを10枚集められるわけもないからカードフォルダーは無駄になるんだけど、せめてカードの絵柄、線画でいいから印刷しといてくれないかなあーとかね。
エンドクレジット確認したかったんだけどそれすら完全に載ってないってどゆこと?桂先生が声優キャストにクレジットされてたから確認したかったんですけど…
あとなんで背表紙…パンフ、全体的にやっつけすぎだよ… (∋_∈)
カードはゴールデンライアン(相方はブルーローズ)だったよ。ライアンステキすぎる。今さらながらホレそうwww