そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係 #3「連鎖」

http://www.tv-asahi.co.jp/border/http://border-project.com/index2.html
脚本:金城一紀 演出:波多野貴文 原案:金城一紀
 
「ムラ」的な自警団の話かと思ったらまさにそうだった…のはともかくとして、シチュ自体も捻ってくるなあ。
殺された被害者とその霊の顔が違う、だから整形したっていうのはちょっと新しいかも。
何をやったにしても社会のルールとしては償いを果たした人間に対して自業自得とかないし、どんな相手であっても殺していい理由にはならないけど、この「連鎖」はありがちな憎しみの連鎖というより、加害者の境遇から端を発する行動の結果としての連鎖ってことだろうかね。
その割に殺された西本(金井勇太)の境遇については特に突っ込んでなかったし、両親がどうしたのかは気になったけど、今回の事件自体とは関係ないからそういうもんかな。
石川がもともとクールなのに加えて、超えちゃいけない一線を超えてる自覚があるゆえに感情的にならずに淡々と話が進むのが心地いいなー。こういう感情的な事件を淡々と捌くようなドラマは大変好きです。サイ&ガーコンビのクールさとも相まって、自分的にはとてもわかりやすくていい。
ただまあ石川が超えてる一線が本当はどの程度なのかっていうのがもう少しわかるといいんだけどなあ。ちょっと言葉と状況で説明しすぎてて、できればもう少し相棒の立花との対比で見てみたいというか。
今んとこ、というかこのドラマの流れだと立花の捜査行動ってあんまり出てこないから余計にどれくらい踏み越えてるのか、班長と赤井のあれだけじゃちょっと弱いというか。一応そこがキモの「境界線=BOADER」ってことなんだし。
そういや石川が最初に藤崎に話を聞いた時に現場の黄色いテープが二人の間を隔ててるってのも、あっちとこっちの境界線っぽくてよかった。
 
お話的には、自治会長の藤崎(平田満)が私怨でっていうのはわかるけど、あれ、やってることは秘密結社だよな。だからムラ的だってのもあるんだけど、言えることは団地怖いってことか。(そこか?)
彼が「後で思い返すとなんであんな残酷なことを…」っていうのがそうだけど、過度の正義感に酔うとそうなるってことか?いやフィクションでありがちなああいうムラの自治行為が行き過ぎて…ってのはそれなりの環境あってのことだと思うから普通はないと思うけど、そう思わせる「夢の丘団地」の不気味さはちょっとあった。とにかく狂ってるのは確か。自分の場所を守りたいと思いすぎるとこうなるみたいな。
団地の住民に「悪は必ず裁かれる」みたいなことをあえて誇示しようとするとか、お前の団地じゃねーだろという。自分が受けた心の傷を周囲に拡大して、同じ恐怖で支配(自治ね)しようとするのはよくないよなー。
何があっても、というか傍から見たら部外者のガーくんの言うとおり「本物のヒーローは誰の命も奪わない」ってだけの話なんだよな。当事者とか関係者になるとそこら辺履き違っちゃうのかもしれないけど。
まあその原因が西本が手記を出版したいとかどうしても謝罪したいという気持ちで、遺族にとってはそんな自己満足で古い傷を抉られたくないという話だよな。
ただまあどこへ行っても密告され仕事は辞めさせられ整形しても無駄だったという西本のどん詰まり感もわかるし、そこら辺ドラマとしてもっと描写しても良かったんじゃないかと思うけど、ちょっとその辺は流しすぎてるかもしれない。
最後に石川が西本と被害者の画像データを消しまくるってのは、全体がクールなだけにちょっとセンチメンタルでよかった。そもそも面白おかしくネットでそういうのを拡散する人間が悪いって話だけど。藤崎もネットで西本の情報を知ったんだしね。ネットいくない!
あと気になったんだけど、目撃者の証言の「180cmくらいのがっちりした眼鏡の男」ってやつ。これ微妙に5年前の被害者である島村さん(駿河太郎)と被ってて最初意味がわかんなかったよ。駿河太郎も180cm位ありそうな印象だし(実際は意外と身長ないんだよな)なんで彼が犯人だと思わせるんだろうって思っちゃった。もっと普通の人が良かったんじゃね?
あ、そうそう、新キャラが裏世界の便利屋スズキさん(滝藤賢一)登場。一見普通の人っぽいけど普通じゃなさがすごい。とってもダンディよw
とりあえずサイ&ガーコンビは毎週出てくれるんで嬉しいなw