そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

オール・ユー・ニード・イズ・キル

http://wwws.warnerbros.co.jp/edgeoftomorrow/
監督:ダグ・リーマン 脚本:スティーヴ・クローヴスクリストファー・マッカリー 原作:桜坂洋

 
これは面白かった!
思ってた以上に面白かったんで、思わず拳握りしめっぱなしで前のめりで見てしまった。
正直原作のこと知った時は日本のマンガや小説としてはありがちな設定だなあと思ってたけど、こんだけがっつりやられたらそういう設定とかの問題じゃないって気がするわ。 というかすごく上手くそれを見せてるというか。
原作はお試しの1話しか読んでなくて、設定が違うにしてももう読めないなあ…と思ってたけど、漫画版が2巻くらいならちょっと読んでみたい気はする。というか主人公が若いってのとヒロインのツンデレ戦闘美少女設定が自分的にはムリだったんだよな。小畑健の絵でもムリ。映画だと特に、大人だからこそ説得力がある話だったような。
ネタバレはあまり関係ない話だと思うけど一応ボヤンとさせとく。
 
 
原作とマンガ版はあらすじと設定聞いたらある程度内容を想像出来るけど、たぶん映画とは見せたいとこが違うよね。
これって要するに主人公はシューティングゲームにおける劇中の主人公じゃなく、その外にいるプレイヤー視点の話で、記憶を保ったままのリセットがまさにプレイヤー的にはキャラが死んだらリセットしながらステージ攻略して経験値を上げていくって感じで、ゲームをやってる側がそのゲームをクリアする過程そのものだし。(って作り手側も言ってるね>パンフ等)
だから原作&漫画はたぶん主人公が繰り返して強くなるということ自体を見せたい話だけど(と想像)、映画はその繰り返しの中で起こったこと自体を上手く見せつつその上での人間関係や気持ちが主人公のケイジ(トム・クルーズ)だけに蓄積されることの意味ってのがポイントかと。
ただまあなんでギタイがループ能力持ってるのかとか体液でその能力が移動するとかご都合設定って気はするけど、そこまでは気にならないかな。
あと劇中で特に説明がなくてもケイジがいろんな事知って先回りしたり、逆に話の流れの中でケイジが何度か同じことを体験してると観客とリタ(エミリー・ブラント)にわかっていくとこが良かった。わかった途端に何度繰り返してこの状況になってるんだろうと思うと切なくなるんだけど。(特に海岸のあとの状況は)
そしてよく考えなくても死んでやり直すということはものすごく精神的にハードでストレスになることだとわかってても、その繰り返しをテンポよく見せることでギャグ的に笑いを入れていくのも上手いというか(^_^;)
繰り返しの蓄積でちょっとずつ前に進むけど、そこにあるはずの同じことの繰り返しを考えると絶望的な気持ちになるんだけど、それ自体をテンポよく軽くやることでギャグっぽく、ギャグでよくあるパターンにして笑わせるのがまた(苦笑)しょーもないとこで車に轢かれて死んだとか、負傷したからはい死んで!でズドンとか…(^_^;)
「死人がスーツ着ているぞ」も、最初こそ新兵に対するただの揶揄だと思ったけどまさに真実を言ってたことになるとか、時間ものだけあって細かいとこで伏線や布石につながる描写が丁寧だった。
それもあって、どうも若い主人公よりトム・クルーズくらいの年齢の大人が主人公のほうが、このループという状況の中では説得力はある気がしたかな。
全体に話もわかりやすかったし面白かった。展開のテンポもいいし、クライマックスは本当に作戦が成功するかどうかドキドキしながら見てたし、あのラストのスコンとしたグッドエンドな終わり方も短くまとまってていよかった。
最後はあれ、リタの方はケイジと初めて出会うけどリタ自体がその前にループを経験してるからケイジが説明すれば状況は理解は出来るよね?と思ったんだけど、それであってるよね?(だから何の裏もないハッピーエンドで良かった)
とりあえずオススメ映画。時間モノだし、もう一回くらい見れたら見たいなー。
トムさんは売れるかどうかはともかくとして、SF映画の選び方としては上手いね。ネタ映画という以上にちゃんといい映画になってると思う。監督はボーンシリーズの人だよね(見てないけど)
これもう少し口コミで売れてもいいような気がしなくもないよ。こういう時こそ「感動しましたー」っていうあのヤラセくさいCMの出番じゃないのか?(苦笑)