そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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おやじの背中#10「北別府さん、どうぞ」(終)

http://www.tbs.co.jp/oyajinosenaka/
脚本:三谷幸喜 演出:土井裕泰
 
もともとが三谷幸喜の作品ってあんま好きじゃないんだけど、これはほんともー苦痛だった。最後にオグリンが出るんでなければ15分でリタイヤしてたとこを何とか倍速で乗り切った。(更にいうとちゃんと見てたわけじゃなく仕事しながらのながら見←出ないと更に耐えられん)
オレ何が嫌いって、この北別府さんみたいな自分の見栄のために他人に迷惑をかけるような嘘をつく人間が反吐が出るほど嫌いなので、こういうお話だってことにしてもほんと耐え難いよ。吐きそう。(だったらさっさとリタイヤしろって話だけど)
大体なんであそこで医者だっていうのか本気でわからない。そういう見栄を張る人間をわかりたくない。コメディならまだしもそうじゃないこの話は痛すぎる。
このドラマ、ノリはコメディのつもりだけどコメディになってないよねえ?そのせいでいい話にもなりきれてない気がするけど。
これ、北別府さんをやるはずだった市村正親胃がん手術&療養で降板してその大役が小林隆だったってのは結構なニュースだったけど、まあ急な代役ということで仕方ないとこはあるけど小林さんと市村さんってかなりテイスト違うよね。(役者さん云々ってことじゃないので小林さん自体には何ら含むことはないです。いい役者さんだと思います)
子供にカッコいいところを見せたくて見栄を張って医者だと嘘を付く役にしても、小林さんだとその見栄を張る事自体がやたら痛々しくみえるし、もうすぐ死ぬと勘違いした北別府さんの一人空回りでした〜っていうなら笑える痛々しさだけで済むんだけど、実際余命1年って話で小林さんだとその空回りが必死すぎてコメディにもなりきれないわけで。
市村さんだと、死ぬのがわかってるから息子に見栄を張りたいという気持ちに説得力は出てくるけど、逆に嘘をついて病院を混乱に陥れ主治医に頭を下げて協力してもらうってのがあまりに本気臭くてコメディにならないし…って思ったんだけどさ。
そのせいか小日向さんの演技もなんとなくどっちつかずな気が。セリフはちょっと愉快なだけに、どっちに振れるのかなーとハラハラして見てたw
いや実際市村さんがこの役をやったらどうなるかはわかんないけどね。まあ予想というか雰囲気は想像出来るわけですよ、ある程度は。
三谷幸喜が長年あたためてきたこの話は本当はどういうものを想定してたんですかね?せめてもう少しコメディ寄りの軽いノリでやりつつ最後はホロリならなんとかだけど、死ぬってことのほうが大きすぎてとにかく痛々しいのよ。演出で何とかならなかったのかしら?もしくは脚本を小林さん向けにもうちょい修正するとかさ。とにかくこういうキャラを「人間臭いいい人だというイイ話」として書く三谷幸喜が大嫌い。
市村さんって自分のお芝居を客観視するようななりきりタイプだから、本気度は高くなるけどそこまで痛々しくならないと思うのよね。たぶんシェイクスピア悲劇をやるように大仰にかつ真面目にやることによって、逆にその必死さがおかしさになるってことを想定してたんじゃないかと思うんだけど。(市村さんは別にシェイクスピア俳優じゃないけどさ)
あと最後にオグリンが出てくるってだけでオチは途中で予想できたんだけど、あれ、どうしてやってる役が医者じゃなかったのかな?なんで刑事?
息子にイイトコ見せたくて周りの迷惑顧みずに大嘘をついた父親をカッコイイと思って大きくなった息子(小栗旬)が、あのラストで本当に医者の役をやるというならキレイに終わる気がするんだけど、もしかしてオレが気がついてないだけでこのほうが絶対いい話だと思える理由でもあるのかしら?オレがわからないだけ?
それにしても三谷さんは、アラフォーの吉田羊が離婚した妻で8歳の息子がいる売れない俳優というこの役を65歳の市村さんにと思ったのか。いや確かに実生活考えると全然おかしいことないけどさー(^_^;)普通はなんか無理があるでしょーよ。