そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

楽園追放 -Expelled from Paradise-

http://rakuen-tsuiho.com/
監督:水島精二 脚本:虚淵玄 演出:京田知己 絵コンテ:水島精二京田知己、角田一樹、黒川智之

 
ぶっちゃけ、見たけど面白くなかった、なんで面白く感じなかったのかちょっと考えてみた…っていうだけの感想なので(アクションはカッコ良かったよ、当然)そういうの読みたくない人はスルーしてください。読んだあとで文句言われても困るよ?
 
楽園追放、アニメーション的にはものすごかったんだけど、話が面白いかといわれたらそんなに面白くなかった(∋_∈)
つまりどうもオレは虚淵脚本は好きじゃないらしい。
わかったんだけど虚淵脚本の、なんか大事なこともそうでないことも並列にして全部キャラが喋ってしまう、むしろダダ漏れ状態なのがゲームシナリオっぽくてダメなんだと思うし、ああいう脚本が自分は好きじゃないみたい。センスないと思う。というかディンゴが喋りすぎキャラでなんかガッカリ。
えーと実は途中、アンジェラがお粥食ってるあたりでウトウトきちゃって気がついたらフロンティアセッターが特定されてた ('A`)
あの間断なく同じテンションで続くセリフのやりとりがオレの眠気を誘いすぎ。マジでお経。なのでそこだけところどころ記憶から抜け落ちてる。それはスマン。
話もさ、クリーンでバーチャルマンセーな環境からやってきたキャラが無駄で曖昧な人間らしさと出会って人間性に目覚めるって、それまんまガルガンティアやん ('A`)
結局「ムダ」は大事って話よね。ムダ=人間性ってことで、いわば昨今の潔癖指向も批判してると思うんだけどさ。
冒頭のビーチの子連れお母さんの「得体の知れないものは怖い」って感覚がディーヴァ市民を現してると思うけど、それを何となく批判してる話だし。
見るだけでその人のスペックまでわかっちゃう監視・管理社会を良しとする人には安全でクリーンな夢の国万歳なんだけど、それじゃ発展性はまったくないって話よね。でもそれが「楽園」だというなら、一部の人にとってはそうかもねって話でしかないしな。
あの三神にしても、そこを突っ込んで描いてないのもあるけど、彼らは管理が悪だとは思ってないわけだし。むしろ人類のためだと思ってる以上、そういう優しさ善意を好む人はこれでいいのだ〜ってことだしさ。凡庸な人間は管理されればいいんだよ…とまでは言ってないかw
関係ないけど昔浦安に電車1本30分かからないで行けるとこに住んでた知り合いのママさんが、「ディズニーランドは年間パスポート買ってる。子供を遊ばせに行くのにちょうど良くて、安全性と子供向けのエンタメ性を考えたら安いもの」って言ってたの思い出した。ディーヴァってそんな感じよね。
 
そんでバーチャル(ディーヴァ)とAI(フロンティアセッター)は同じ電脳でも似て非なるもので、あくまでも人間に近づいていくAIは今となってはどちらかといえばアナログ寄りだよなあ〜などと、何となくそんなことを思いながら見てたらまんまそんなことをいって締めるロケット発射シークエンス ('A`) あ、うとうとしてたからなんでロケットを発射するのか、なんで彼がハッキングしたのかってのは記憶に無いスマン。
でもだからこそディーヴァの三神たちはフロンティアセッターを危険視したんだけど、三神たちの部下ってだけで思考停止してたアンジェラがそんなことに思い至らないってのはとても中間管理職的というか、あまりにもよくあるあるあるネタすぎてやっぱりここでも ('A`) な感じ。あれ根回しとかそんなコトじゃねえし、わかってないのはアンジェラだけよね。(ところであの追っ手の管理官たちってなんでみんな女性ばっかなの?)

てなことで、アニメーション自体は文句なしにすごいんだけど、セルタッチ3DCGアニメのキャラ絵は意外と「山賊の娘ローニャ」と変わんないレベルな気がするって言ったら暴言すぎるかしら。
当然こっちの方がいろんな意味でセンスはいいんだけど技術的にはどっこいどっこい?くせ毛とひらひらした布地は苦手っぽいしなあ。
そこまで詳しいわけじゃないけど、セルタッチ(前はセルルックって言ってたよね?)CGって、成功した最初は「アイアン・ジャイアント」あたりだったと思うけど、最近だとRE:009とか、劇場予告見て思い出したけどアルペジオもそうだけど、なんとなく楽園はローニャに近い気が。あの辺て何がどう違うんだろ?技術?使ってるツールの問題?
キャラの絵柄がまったく好みじゃないのは単に好みの問題なんだけど、アンジェラはともかくディンゴはもうちょっとカッコいいかセクシーか何とかならんかったのかと。キャラデザの人がああいうの苦手なの?むしろあれならローニャのオッサン連中の方がキャラとしてカワイイよ。
なんかね、このアニメって表情がないんだよねえ。見てて全然面白くなかったのはそのせいもあるかと。アニメ自体はよく動いてるしアンジェラはいいんだけどね。
演出センスと画面レイアウト、戦闘シーンはめちゃめちゃ格好良かったから見て損はしてないけど、オレもう虚淵脚本はいいや。ほんとにこれで今後虚淵脚本は心置きなくスルーできるよ。
 
1日経ってちょい追記。
オレがこの話で一番わからなかった部分に「なんでこの物語はロケットを打ち上げたかったのか?」ってのがあるのよね。
フロンティアセッターがロケットを打ち上げたいのは彼がそういうAIだからでいいけど(そこんとこもウトウトしてたからあまり良くわかんないんだけど)、この物語はどうしてロケットだったの?必然性ってないよね?単に作り手の好み?
そもそもこの物語の骨子ってそんなに新しいわけでもなく、虚淵作品としては「ガルガンティア」と同じだけど、バーチャル管理社会からの人間性の回復ってそのまんま「MATRIX」と同じだよな。
設定とか見た目のガワはちょっと新し目だけど、テーマ的には今さらすぎね?そこにロケット打ち上げっていう必然性がわからないのよね。
もしかして遺伝子積んだロケットは人類の新たなる可能性ってことなのかなあ?どっかの星でやり直せってこと?でもまた進化した末にバーチャルマンセーになったりしてな、どうせ人類の考えることだしー(なのであまりテーマ性を感じないのよね、というかこれもすでに古いテンプレ設定なのよねえ)
このアニメがネットじゃおおむね好意的、そもそも実写の映画やドラマと比べて最初から好きな人だけが見に行くってこと考えたら批判が少ないのもわからんでもないけど、やっぱりもう一度言いたいけど、この話って面白い?実験作にしても映画として公開することありきなら、もう少し面白い話って出来そうなんだけどなあ?
技術は新しいにしても「すごい」部分の殆どが結局演出センスやアニメーション自体のスゴさなので(だから同じような技術使ってるわりにその辺のセンスがイマイチなローニャを引き合いに出しちゃうんだけど)、一緒くたにして良い物だって思えないから引っかかるのかも。