そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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信長協奏曲#11(終)

http://www.fujitv.co.jp/nobunaga-concerto-drama/index.html
脚本:宇山佳佑、岡田道尚 演出:松山博昭 原作:石井あゆみ
 
このドラマの最初のチグハグさはともかくとして、長政くんとの友情を通してサブローが戦国という時代を知り、その上で何を守りたいのか、何が譲れないのかというところでの葛藤を描くことで「信長としての」理想と野望を新たにするということではちゃんとまとまってたし面白かった!たとえその先は映画に続く〜であってもw
それはオグリンはじめ高橋一生や山田様のあの本気演技のせいなんだと思うし、初っ端から本気度全開だった柳楽くんの演技が浮いて見えたドラマ序盤の雰囲気を、途中からちゃんと修正したスタッフたちの本気度も高かったと思う。キャスティングはすごい好みだったしセンス良かったよな。
そういう意味では最終的にとても良いドラマだったよ。最初はもっとコメディっぽいドラマだと思ってたから柳楽くん(と山田様)だけなんでこんな本気なんだろうと思ってたけど、そういうところでの意気込みは間違ってなかったのね(^_^;)
そう思うとなんでこれ、メインの構成を西田さんにやらせちゃったんだろうね…と思わざるをえないんだけど。彼は明らかにこういうのには向いてないと思うもの。いや本気で言うけど、本当にこれ最終回あたりで西田さんが戻ってこなくてよかったと思ったよ?
まあよく考えなくても月9の時間帯に時代劇って相当違和感あったけど、全体に見た目派手だったしサブローの衣装が毎回好みだし、コメディな感じも上手くハマってて面白かった。家康くんはこのドラマの癒やしだよw
コメディっぽいノリではやってるものの、人死にが普通にある戦国の常識をわりと全面に押し出してるし月9にしては相当の冒険だと思うけど、戦国の馬やら人やら甲冑やらのモブをそれなりに揃えてて衣装や美術も意外と凝ってたし(建てこみが安っぽいのはさすがに仕方ないか)最後の浅井の城攻めは本当に燃やしてたっぽいし、頑張ってたと思う。いやちゃんと真っ当なドラマで良かったよ。
 
その上で最終回の話。サブローの思う現代の常識は戦国の非常識、戦国の常識からすれば命よりも大事なものっていうのは確実にあって、それは個人の思いじゃどうにもならないってことなのよね…と納得しそうになったよw
まあ松永弾正が言うように、戦国時代には命よりも大切なモノがあるって話にしても、弾正さんは現代ではヤクザだったからこそそこら辺で命に対する義理とかメンツとか個人で動けない事情とかの重さを知ってたってことなんだろうけど、それはサブローだって理解はできたわけで。だからといって「明日友達を殺しに行きます」ってのはずいぶんカジュアルだとは思うけどな。
まあそれが理想と現実(戦国の常識)とでの葛藤、信念を曲げて友の思いを汲むかそれでも命が大事だと思い直すか、現代と違うのはそこで本当に人が死ぬことで、それだけの緊張感があったことか。
だから思った以上に本気度高かったし、後半は特にサブローと長政くんの友情と理想話でオグリンと高橋一生のやりとりがこれだけカッコいいとそれだけでとても満足というか。
炎の中で切腹する長政くんとそれを介錯するサブローの苦悩と葛藤、城から戻ってくるサブローと常興の絵面だけでもう見たかいあったよ。
いつの間にか子供3人いるお市ちゃんと長政くんとの別れも美しかったし、なんか今回のマジメ戦国部分が相当ドラマチックだったのも良かった。

まあオレが気になってたのはホントに常興の中途半端さだけなので、結局薄々感づいてた帰蝶がその上で織田の血筋よりもサブロー本人のほうが大事だといったにしても、あれだけ拘ってたニセモノだということをサブロー本人の人間性にかけるってことで納得したってこと?織田家が栄えてるのは確かに今のサブローのお陰だけど、彼自身は戦のない世の中を求めてたんだっけ?そこまでサブローの平和主義に賛同してたとも思えないし、焼き討ちの件にしても戦国的に正しいのは秀吉のやってることの方よね。家臣たちはもとより信長の言うことのほうが変だと思ってるわけだし。(変だけどそれが人としては正しいから彼についていってるのよねえ)
なんとなくその辺がずっとモヤモヤしてたから、最後に迎えに来たとこもなんとなく微妙に感じてしまったよ。
常興は本物とか偽物とか拘ってたけど、結局織田家というものを中心に考えた結論ってことで、織田家ありきな上でサブローが天下を取れそうだからサブローの理想、つまり戦のない世の中を目指すという夢をサポートするってことに思えたよ。まあそれでいいならそれで。
むしろサブローはいつの間にか帰蝶とのほうがちゃんと分かり合ってる感じ。最初、柴咲コウだからスルーとか言ってスマン、帰蝶さん… (´Д⊂ヽ そういや忘れるとこだったけど帰蝶パパの斎藤道三は現代人よねえ。そこは特に伏線もなかったけど。
だからまあこの展開で一つだけ突っ込むことがあるとすれば、サブローをうつけで大胆な史実の織田信長として成り立たせてるのが現代人のメンタリティだってことで、それを家臣や周囲の人たちは誰も知らないってことなんだけど、それはいいんだろか?まあいいのかな…

一度は城を出たサブローもちゃんと戻って来たし、とにかく帰蝶が喜び家臣たちが楽しそうなので良しとするって感じ?ボカあ、ここんとこずっと厳しい顔ばかりしてたサブローくんが和やかに笑ってるんでそれでいいのだ。
それにしてもサブローが戦国に来てからのことを思い出しながらすげー楽しかったって言ってたけど、なんかまるで2〜3年しか経ってないような口ぶりですね。史実では17年くらい経ってるみたいだけどね。信長のとこは子供どうしたんだろね。だいたい信長今いくつよ?w
あと常興さん、「この池田常興には夢がある!」とかジョルノ・ジョバーナみたいなこと言いやがるwww
まあ話自体もそこで終わらせず、サブローが信長になった理由まで突き詰めて、それが平和な現代を知ってるから、つまり天下を取るということ=サブローがいた現代の平和な時代を目指すという具体的目標が見えてるからという結論。
図らずも長政くんが言った「時代が違えば良き友になれただろう」とか自分の娘たちがそういう平和な世の中に巡りあってくれることを願うとか、彼が死ぬことで信長に託したものってのはそういう未来への希望なのよねえ…と涙 (´Д⊂ヽ
(いやでもよく考えたら、それを実現できる立場にあるサブローがそこで約束通り城を出たら意味ないと思うんだけどさ)
そしてお餅大好き家康くんの脱糞トラウマで終わるかと思ったら、ホンモノ信長の光秀は何やっちゃってんの?今そこに二人信長がいるってのはともかく、秀吉と組んで半兵衛を斬ったの?え、斬っていいの!?
しかも本能寺でなんでサブローと光秀=信長でこれからも仲良くやろう的な?そこで映画に続く〜?えー?
 
てかさ、これで映画に続くってのは最初からわかってたけど、来年12月ってのはさすがにどうなの?てっきり4月くらいだと思ってたよ。1年後はさすがに遠すぎねーか?
ちょっと炎上とかってのも見かけたんでググってみたが。

そこまでこのTVシリーズが投げっぱなしってことはない、むしろここで終わってもいいんじゃね?ってくらいにちゃんと区切りはついてると思うんだけどなあ。逆に1クールで本能寺までいけると思ってるとか無茶すぎる。
まあそういうこと言う人たちにかぎってろくすっぽドラマ自体見てないってのは定番だけどな。
ただとにかく1年後は長すぎると思うのよ。なんで春じゃいかんかったのや…この本能寺での引きで1年待たされるってことには大いに文句言いたいよ。半兵衛どうなったんや!?光秀の野望は?

どうでもいいけど某ヒロたんとこのコメント欄で見かけたけど、若い子がこの月9を「パロディ時代劇」と言い切っててオレは… ('A`) 本格時代劇以外はパロディかよ。ファンタジーというものはだなあ…(小一時間ry)