そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

○○妻〜最終回

http://www.ntv.co.jp/tsuma/
脚本:遊川和彦 演出:猪股隆一、日暮謙、鈴木勇馬
 
最終回でひかりさんが意識不明って、またかよ!って思ったけど、最後は結局死んじゃったね…まあそうだとは思ってた。だって遊川和彦脚本だもん。
話自体はやっぱり鶴の恩返しがネタ元な気がするんだけど、何というか最近の遊川さんの話ってすごく幾原邦彦監督の「ピングドラム」とか「ユリ熊嵐」的な雰囲気を感じるなあ。そう思うのはオレだけかもしれないけど。
世の中にはあまりにも悲しいことや辛いことが満ち溢れていて、ささやかな幸せは理不尽に奪われる、それでも人はその苦しみを乗り越えて生きていかなければならない…みたいな、ちょっと宗教っぽい、ある意味自己犠牲な生き方を良しとする感じがあるというか。
大切なものが奪われることによって本当の幸せを見つけるとか幸福感を感じることで、より高次元の精神的安らぎを得るみたいな、ちょっと宗教がかった人生観というか。
その苦労を演出する出来事が完全に装置化して、それがあまりにも理不尽でいとも簡単にというのがドラマや物語的には悪意にすら取れるところが遊川和彦的な様式美というか。純と愛なんか朝ドラってこともあり完全にそんな感じだったと思うけど。(だからあれって物語耐性のない人が脱落していったんだよね)
まあなんかこう、遊川ドラマもいつも透明の嵐が吹き荒れるよね。(※透明の嵐=世間の空気や同調圧力による見えないイジメの構図@ユリ熊)
世間の空気と主人公の本音のギャップをことさら強調することでカタルシスがあるし、だから登場人物はいつも脚本家の言いたいことを代弁してる、今回は特にニュースキャスターということでそれがストレートだったからわかりやすかったこともあり、正しさとか(not正義)自己犠牲や無償の愛を簡単に「善」だと定義出来るところが一般視聴者的には良かったのかなと思ったり。(オレの想像ですが)
結局最後ひかりさんはこれからというところで理由なき悪意に巻き込まれて命を落としたけど、だからこそ尊いんだ…というのも短絡的すぎるけどわかりやすいし。
前にも書いたかもしれないけど、そういう意味で今回はとても計算されてて、そういう主張を声高に言っても受け入れられやすいお膳立てがされてた、とてもプロの仕事だなあーと思った。
ただそれは別につまらなくはないけど、そういうのを感じると結構ドラマの展開が辛いなあとは思うのよね。だって劇中の幸も不幸も全部装置だもん。登場人物ですら作り手の言いたいことを代弁する装置なんだもん。だから彼らに共感したり同調したりすればするほどその扱われ方に納得いかなくてキツイというか。
まあストーリーがつまらないわけじゃないし、最終的にはひかりさんを詰り倒してたお義母さんにもわかってもらえて(それもひかりさんの献身あってこそ)、実の母とも和解していろいろ良かったねという最終回だったんでスッキリはしたかなあ。

オレ的には感想やめた途端に要がサブレギュラーで出てきたのがあまりにも予想外だったなーと(笑)だって要潤なんか一番遊川脚本と遠いとこにいるような気がしてたよ?w そんな要のお陰でちょっと、いや相当に見るモチベーションが上がったのでありがたかったですw
そういや最後の最後にホラー物のように「○○妻」って出てきたけど、○○には何が入るってことだったんだろう。○○妻=自己犠牲妻?