そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ユリ熊嵐(終)

http://www.yurikuma.jp
監督:幾原邦彦 シリーズ構成:幾原邦彦伊神貴世
 
最終回直前に(前週じゃなく時間的に直前)なぜか総集編のあらすじ説明回があったけど、それでもストーリーはまったくわかりませんでした。ガウガウ。
本気でストーリーはわからない、ストーリーラインとして何のことを描写しているのかさっぱりわからないまま終了というかつてない展開だったとは思うけど、この話が何を言いたかったのかというメッセージはちゃんと伝わってきた気がするし面白かった…という不思議な作品だった気が。
まあわかりにくかったのは前半だけで、後半はかなりストレートに言いたいことだけぶつけてくるような感じだったし、そういう意味で頭でなく心で感じろタイプということではストレートな話だったと思う。
ただ話がわからないとはいっても言いたいことはわかるのよ。でもそれならばユリはともかくとしても「スキ」=「キス」が性的なものでなくても良かったんじゃないかなあとは思たかな。それを性的だとするなら女の子同士のユリじゃなくていいって話だし、むしろ男女の場合のほうがよくある相手からの承認とスキの欲求う=性的な繋がりって意味で普通にありがちなことだと思うし、それならわかる。そこをあえてユリにしたかったってならそれは単に作り手がユリが好きだからってだけの話よねえ(^_^;)違う?
最初のメタファーまみれの世界設定&世界観、あえて混乱させるような話の構成、「クマ」は何のメタファーなのか、男性=クマなの?転校生の銀子とるるは男の娘なの?と思ってたけど違うっぽいし、最後は紅羽もクマになっちゃったし、結局最後までなぜ「クマ」だったのか、「クマ」とはなんだったのかもわからないや。「ユリ」が何だったのかもわからないけど。
でもそれでも問題ないの。後半は毎回なんだか泣けてきちゃって、銀子なんか最初は好きじゃなかったんだけど途中からなんかもう健気でたまらん。・゚・(ノД`)・゚・。って感じで、とにかく最終的にあの二人とるる&みるんが幸せになったんならいいよそれでって気分。
サイボーグのゲスクマもスキをもらえて良かったね…。・゚・(ノД`)・゚・。てかゲスグマが百合川このみだって気がついてなかったよ!ゲスぅ!
 
女の子の同調圧力的な透明な嵐(=排除の義)や、いつまでも街のあちこちで建設され続けてる断絶の壁が人々の空気を作り、クマを敵視し隔離しクマとヒトはわかりあえないとかクマと仲良くするといじめられるとかいう閉塞感が強い世界で、運命の相手を見つけて自分自身を引き裂いたり撃ちぬいたりしてまでも相手のことを思うときに、その約束のキスを得て自由になることが出来るのだーという希望のお話?それってやっぱり恋愛だよね。自分が〜じゃなく、まず相手を思うのが本物のスキ=愛だから。
紅羽と銀子がクマになって壁の向こうに消えてもこの世界から透明な嵐はなくならないし断絶の壁は作られ続けてるけど、それでも私たちは好きを諦めなければいつか必ず約束のキスを手に入れることが出来るんだよ!むしろ約束のキスはねだるだけじゃなく、自分からすればよかったんだ、それもありだよね☆ってことかしら。
透明な私たち(ってピングドラムでもあったな)という個性が埋没した集団から「私」を見つけてくれる特別な誰かがいれば、この透明な嵐の中を生きていけるってことだね、くれちん!OK、レッツ、サーチベアー!
ところで「ユリ」が男女の性的な意味での目覚めなら、やっぱりあの同調圧力はそういうことよねえ。ユリの園では彼氏が出来たら排除されるのかしら。(ユリとヒトの違いとかちゃんと覚えてないし)
いやでも、紅羽が傲慢の罪を犯して記憶をなくしていたように、あの学園のみんなも実は罪人で記憶をなくしていて、約束のキスを見つけるまでは(=特別な相手に選ばれるまでは)あそこから出られない、断絶の壁を超えられない…ってことなのかなあ、とか思ったり。まさにピングドラムの透明な存在じゃない?
あの復活したクマリア様、お母さんでも良かった気がしたけど、紅羽には純花ちゃんに見えただけでたぶん人によって違うんだろな。それでもどうして記憶をなくした紅羽ちゃんが純花ちゃんを好きだったのかはわからないんだけど。てことはクマリア様ってなんだろう。そもそも小惑星クマリアが砕けたってどういうことだったの?
そしてどうして紅羽ちゃんのお母さんの絵本はああいう話だったんだろう。予言?
いろんな解釈はありそうだけど、2クールあればもう少しわかりやすい話になったんだろか。いやでもピングドラムは2クールあったけどますます謎めいただけだったけどさ。
でもとにかくこの最終回を見た今はヒトでもクマでもいいから幸せであれ、と思うな。たとえ世界は変わらなくても少女たちの「スキ」はいつかどこかの誰かに届くんだよ。そう思うとまた涙が…(歳なので涙もろい)

しかし最終回、絵柄はあの絵柄なのに作画がやたらよくて変にリアルだったなー(^_^;)
あと嵐が丘学園て日比谷図書文化館がモデルだったのかー。すごいデザインよねw
クマのキャラデザインとか背景美術、いろんな意匠(だまし絵とか)はすごい好みだったし、世界観とかも好きだったから1クールなのはとても残念だった。ヒトとクマの世界の間の雪の世界とか、断絶の壁が友達の壁になるとかすごい好きな設定すぎる。ガウガウ。