そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

マッサン最終回「人生は冒険旅行」

http://www.nhk.or.jp/massan/
脚本:羽原大介 演出:野田雄介、梶原登城
 
毎回普通に面白かったんで特にいうこともなく(ツイッターでたまにつぶやくくらいで感想書く暇もなかったけど)とても大満足でした。
ネットではなかなかウィスキーを作らない政春に不満があったようですが、そもそもウィスキー作りはおまけじゃろ?政春の生き方にとっては大事だけど、物語としてはマッサンとエリーの話なんだからあれで良かったと思うけどな。
美味しい(自分基準)ウィスキーを作る事以外、売ることもそれを普及させることも考えてない、良い物を作れば自分の仕事はそれで報われると思っているダメダメマッサン、作ったものが売れなくてヘコんでるマッサンをいつでも見守るエリーさんの話じゃろよ。まあツラい展開でも成功するのはわかってるし、マッサンたちのキャラで見てるってのはあるけどさ。

つってもマッサンて別に脚本は上手くないんだよなー。伏線はきれいに張ってるし上手く回収もしてるけど、全体にはなんか遊びがなくて真面目にきっちりやってますって感じ。遊び部分はキャストにお任せだったし。
羽原大介氏はちょうど今やってたマジンボーンのメインライターだったけど(たぶん朝ドラのせい?)6話で抜けたっぽいけど、そのマジンボーン、オレはまさに羽原さんがやったぶんが面白くなくて抜けた後から夢中になってみてたってこともあり、なんとなくお遊びやギャグ、キャラの掘り下げはそこまで上手いわけでもないという印象?違ってたらゴメンw
最初の方、いきなりエリーさん連れて帰国から始まってて英国の修行は回想シーンだけになってるけど、それの描き方がうまくなかったせいで、どうしてそもそも政春がそこまでウィスキーに入れ込んで、本場のウィスキーを再現することに人生をかけたのかっていうところに説得力が乏しかったことが残念てくらいかな。
まあそういうところを補って余りあるのがシャーロットさんで、彼女が思った以上にキャパのある面白い人で、そこにこれまた真面目な玉山が絡んでてもなんとなくコミカルで感じのいい雰囲気になってるってことも多かった気がするし。時々シャロやんの素っぽい演技のところは特にw
あとはもう北海道に行ってからの会津がらみネタ。
熊虎さんが会津の居住者ってことで北海道で苦労した会津の人たちの気持ちを政春に話すとことか、まさに玉山が「八重の桜」で会津藩士、山川大蔵をやってたことを知っていたらもうそれだけで涙涙…
政春は会津から余市に流れてきたりんご農家の人たちの苦労は知らないけど玉山は知ってるよ!てかものすごい八重の桜とリンクした!会津の魂が山川大蔵に託された…。・゚・(ノД`)・゚・。
そういや熊虎さんの風間杜夫がこれまた会津の大砲奉行だったし、妙に説得力(苦笑)
マッサンのキャストはどれくらい意図したものかはわかんないけど、北海道で会津の移住者の話になるってわかってたからか、完全に「八重の桜」ありきだよなあ〜と思わせるキャラ配置と展開。NHKだからこそ、そして八重の桜を見てて良かった…(>_<)
まあストーリー的には最終的にNIKKAとして成功するのはわかってるから、展開がつらくてもそこまで悲観的にもならないし(それならゲゲゲのほうがよほどw)
リタと竹鶴さんの話が原案のフィクションにしても、wikiとかNIKKAのサイト見るとほとんどがそのままだし上手く脚色されてるから、全体にはまあ安心して見てないられるしね。
とにかくすごく愉快で楽しいってことじゃなく真面目に楽しめるドラマだったかなと。

キャストも好みの俳優さんばっかなので見てて楽しかった。
鴨居の大将、堤真一で良かったw 息子の英一郎との和解とやりとり泣けた。
前情報いれないで見てたから舞台が変わるたびにキャストもごっそり変わるとは思ってなくて、オレみたいに元の情報も知らずに見てる人からすると逆に展開のいいアクセントになってたと思う。
山崎工場からの北海道編もそんなにガラッと変わるとは思ってなかったし。気になったのは相武紗季がその後どうなったのかってくらい?大将にしても種子さんにしても、その辺の登場人物のその後はあんまり拾わなかったなあ。
あとオレが唯一しんどかったのはエマがウザいのが一番きつかった。*1
戦後の話も割りとあっさりめ、トシ兄が広島帰った翌日には12年経っててもう広島のお父さんや熊虎さんも亡くなってるし、鴨居の大将はどうしたかなと思ったけど史実ではその翌年に亡くなってるみたいだけどまあそりゃスルーか(;´Д`)
最後はエリーさんが床に伏してるだけで終わり、最終日は思い出に浸るマッサンで他のキャストもほぼなしってのは最近にしても潔いけど、これはこれでよしか。時々すごく泣けて、それもあんまりあざとくなく清々しく泣けたので朝ドラにしてもとても楽しめたかな。
あまりステレオタイプな朝ドラっぽくはなかったと思う。シャロやんのお陰もあると思うけど。ホント、最初外国人がヒロインってどうなんって思ってたけど、シャロやんはとても良かったなw
このエントリーがとても上手く「マッサン」の魅力をまとめてあるので張っとく。

本場以上のウィスキーを作るのが夢だという政春の夢を自分の夢だというエリーさんの、単に相手の夢に乗っかってるだけじゃない決意と覚悟と献身がいろいろ胸を打って泣けたんだよ。そしてその人生がまさにアドベンチャーだったと。
フィクションでもそうでなくても、ちゃんと作ればやっぱりそこに真実は宿るんじゃないかと思うので、こういう良いドラマはこれからもちゃんと作っていってほしいと思うなあ。
そういや3月10日の東京大空襲、11日の東北大震災となんとなく劇中もリンクしてたし、なんだかんだで戦争と震災を思い出すようなエピソードはフィクションだからこそあったほうがいいよな気がするよ。
それと個人的にはやはりこういうちょっと前の時代のモノのほうが、作るハードルが高くなるせいか拘りが生まれてクオリティが上がるような気がするので、明治〜昭和(戦後くらいまで)の朝ドラはちょこちょこやって欲しいです。

*1:別に戦争中だから物分かりよくなれっていうことじゃないけど、とにかくあの恋愛脳なキャラがイラつくんだよ。マッサンとエリーさんの育てた子だと思えないくらい。中の人はよく知らんけど、途中で木南晴夏になってくれてよかった。というか普通の人朝ドラクラスタはああいう空気読まない恋愛脳なキャラでも大丈夫なんだろか。あれを健気だとか当たり前の反応だと思うのかなあ。一馬のことはともかく、学校での勤労奉仕が嫌だからと家の手伝いする、工場じゃ子供も働いてるとかいいながら結局研究室で一馬の手伝いだし、それ勤労奉仕じゃないって話だよな。エマのそういうところが嫌いだったしそりゃ学校で婦人会の手先みたいな子たちに嫌われるだろよとしか思えんもん。