そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ジュピター

http://wwws.warnerbros.co.jp/jupiterascending/index.html
監督・脚本:ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー

 
1回目は2Dで見たけど、大スクリーンで見たくて2回目はIMAX3Dで見てきました!
ネットの感想(やふー映画評をチラッと見た程度)を見るに評価があんまり良くないみたいだけど、B級好きのオレにはとても良いスペースオペラでした!映像もすごいし、このテのものが好きな人にはオススメ!この映画大好き! (*゚∀゚)=3 ムッハー

かなり見せすぎな気もするけど、映画本編より話がわかりやすく構成されてるこの予告編をまずどぞ。

 
お話としては割りとありがちな、守られるお姫様と守る戦士がくっつくというベタな王道ものだけど、そのヒロインはメンタルハードな肉食系だったのだ。ミラ・クニスは「ブラック・スワン」でナタリー・ポートマンのライバルで妄想レズビアンの子。だからといわけでもないけど見るからに肉食系って感じだし、逆に歴戦の戦士のはずのチャニング・テイタムがマッチョだけど優しげな顔つきをしてるっていうか、言いたいことも言えないキスも出来ない草食系というのが現代的なのかw
まあ評価が良くない皆さんはあまりにもウォシャウスキー姉弟というと(いつの間にか兄弟が姉弟に!)「MATRIX」のイメージが強いせいかそういうものを求めてたようだけど、なんで同じことやらなきゃいけないんだって感じ。16年ぶりのオリジナル新作がスペオペでもええやん。設定的には十分マトリックス的中二センス爆発だぞ?設定盛り過ぎだよなこれ(笑)
あと支配者一族の長男が、「博士と彼女のセオリー」でホーキング博士をやってアカデミー賞主演男優賞を受賞したエディ・レッドメインなのにビックリw
 
物語は簡単に言うと宇宙を支配する長命な王族のお家騒動な内紛とその生まれ変わりのヒロインを巡る争奪戦…て感じ。
ヒロインのジュピターはシカゴに住んでるロシア系移民で家族ぐるみで家政婦仕事やってる普通の女の子。「こんな生活もうイヤ…」とか言ってたら、いきなり荒事に巻き込まれ、実は地球の所有者である宇宙の支配者一族のDNA的な生まれ変わりだったという一種の貴種流離譚。そして彼女を守るための戦士がやってきて恋に落ちるという、基本的には身分違い同士のラブストーリー。なんという王道w
話自体はちょっとわかりにくい…というか、長い物語を無理やり2時間にまとめた総集編的な感じのストーリーなのが大変にもったいないです。
説明や描写で足りてないとこはないんだけど、それが本当に触りだけの駆け足で…って感じ。2時間のわりにすごくよくまとまってるけど、いろいろ説明すべきところをスルーしてるせいで主人公であるジュピターとケインに共感しづらいんだよね。それでなくても支配者一族の3兄弟の立場とかジュピターに対する立ち位置とかややこしいのに(それぞれのジュピター=母親の生まれ変わりに対する思惑がわかりにくい)ケインの立場や元上官のスティンガー、それに絡んでのイージス軍の関わりもざっくりとはわかるんだけど整理しきれなくてちょっとついていけないというか。(だからこれTVシリーズならその辺もじっくり描けてちょうどいいと思うのですよ)
ともあれ、そのケインとスティンガーの過去の話、イージス軍の個性的な面々の活躍、支配者アブラサクス一族の内紛に至る経緯、事の発端の事件のことなどなど、じっくり描けばとても面白そうな話なんだよね。キャラが立ってるからスピンアウトのネタとしても魅力的だと思うし。
とにかく映像は物凄いし世界観とか設定的にもスゴい物を構築してるのに上手く伝わってないよ!もったいない!バックボーンに厚みがある世界観なので、できればぜひとも連ドラで見たいです!ムリだろうけど!w
 
そして映像はといえばもう超絶的にスゴかった!ケインの重力ブーツサイコーカッコイイ!
重力ブーツで空飛んで敵のロブスター型(たぶん)戦闘機との空中戦が凄まじくスゴい!戦闘機や戦艦のデザインがすごくデカダンチックで浮遊パーツだらけなのカッコイイ!それがシカゴの街中を飛び回るその臨場感とスピード感ときたら!
というかワイヤーの吊りにしても妙に重力を感じるというか回り方や浮遊感が自然だし重さを感じるなあと思ってたんだけど、パンフ読んでビックリしたよ。俳優をヘリで吊ってブン回したって!やってることおかしい。すごくアナログな事やってる!
とにかくそのチェイスシーンが凄まじすぎる。シカゴの街壊れてるけど元通りって、どうなってんだ。記憶を消せるとかいうけどジュピターみたいに携帯で写真撮ってた人はどうなるんだ?スゴい中二的ご都合設定!(笑)
そして美術設定とか世界観がサイコーに好み。
地球人が知らないだけで宇宙には高度な知的生命体がいて、支配者階級の長命王族がいてスゴい文明が栄えてるのに、そのデカダンなハイテク惑星での女王即位の手続きがあまりにもアナログかつお役所仕事的で、銀河ヒッチハイクガイド的なユーモアギャグセンスにおののくw 宇宙の超文明なのに妙に地球式の文化だったり、それがクールなハイテクじゃないのがいい。宇宙にタイプライターがあるのか!?手続きたらい回されすぎ!後ろで仕事してる宇宙人たちが「ビートルジュース」か「モンスターズ・インク」くらい気が利いてるw あと宇宙弁護士苛つきすぎw
全体に「SFなのにこんなんだったら面白くね?」くらいのノリで入れたとしか思えないこのテのものならお約束なバカネタのあれやこれやが中2感健在すぎるwww
そして美しすぎる城?居住区?がアールデコとかゴシックとかなデカダンスタイルなのがいい。最後のバレムの星の都市崩壊はまるで銀河鉄道999の機械化惑星の崩壊みたいだよ。あれをそのまんま実写化した的なw
冒頭の滅ぼされた惑星の風景、あれどうして今まで誰も考えつかなかったのかって言うくらいハマってるけど、実景だから!スペインはビルバオグッゲンハイム美術館そのまんまだから!あまりの異星の風景に震えたねw もちろん美術館は一つだけなので周囲の建物はCGだけど、あの町はSFチックな建築物いっぱいなのだ。「ビルバオ グッゲンハイム」で画像検索してみて!オレは行ったことあるからすぐわかったけど、ほんとそのまんまw
衣装もステキにクール!カッコイイ! (*´∀`)=3 結婚式の衣裳とかため息モノ。次男、きらびやかな貴族風の衣装も着るのにジュピターの出迎えの時はTシャツにレザーパンツ的なシンプル普段着だったりっていうとこがセンスいい!あと宇宙服スゲえ。そのギミックもいいけどフィット感溢れるデザインに蒔絵風?な装飾!ステキすぎる! (*゚∀゚)=3 ムッハー 本当に何もかも素晴らしすぎるよ。
そういやケインは人間と狼の交配種とか言うけどどこの狼なんだ。宇宙にいるのか狼が。ケインはどう見ても犬っぽいけどw そんで狼なのに羽根が猛禽類ってなんという中二!(笑)スティンガーはハチとの交配種らしいけど彼の羽は当然ハチの羽なんだろか?
最終的に飛行ブーツを手に入れたヒロインウラヤマしす。オレもあのブーツ欲しい。支配者の証の腕の紋章カッコイイ。あとなにげに彼氏はケモ属性(中2的w)
家族は仲良いし、理想的なハッピーエンディング!
とにかく面白くて大変に好みでした。見るとテンション上がるわこの映画(笑)
あと重要なのは、この宇宙で一番価値があるものは「時間」だってこと。1万年以上生きててもやっぱり時間が一番大事だってさ!確かに!
 
 
あとなんかこれ、オタク受けもそんなよくなさそうでちょっと心配なんだけど、なんでオタクは食いつかないのかなあ?
オタクが食いついたスペオペといえば最近じゃ「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」だけど、オレはあれより断然こっちのほうが好きです。あれをスペオペだと持ち上げるんならジュピターも…と思わんでもないというか。
disるつもりはないけどオレ的に何が違うのかというと、ガーディアンズ〜は設定はスペオペだけど基本はキャラ物のアメコミだと思うのですよ。スペオペってなんかもっとこうセンス・オブ・ワンダーじゃん?物語そのものがメインで登場人物はその一部でいいと思うのよ。
いい悪いというより好き嫌いの話だけど、ガーディアンズ〜はオレとしては単に宇宙が舞台のアメコミ映画なのです。(だって映画「グリーンランタン」をスペースオペラだとはいわんでしょ)
あともうちょっと言うならジュピターは恋愛モノだけどガーディアンズは男子が喜ぶ冒険もので、恋愛要素が少ないからオタクに受けたんじゃないかって気もするんだけどそこまでいうと穿ち過ぎかな?
なんか本当にネットのレビューを見てる限りではスペオペってどういうものなのかわかってなくて、日本でスペオペってもう無理なんじゃないかって思うよ…重ねて言うけどガーディアンズ〜はスペオペ要素もあるけどどちらかと言うとアメコミSF映画だから。舞台になってる宇宙全体の世界観が希薄なのにスペオペといのはちょっと… (∋_∈)