そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

寄生獣 完結編

http://kiseiju.com
監督:山崎貴 脚本:古沢良太山崎貴 原作:岩明均

 
前編よりはちゃんと面白かった。
正直山崎貴の映画にはそんなに期待してないというか、正直面白いと思ってないんだけど、今回は脚本がちゃんと仕事してた気もするかなあ。いろいろ端折ったりした割りにストーリーは上手くまとまってた。
ただプロットは脚本家だけが作るわけじゃないから仕方ないとはいえ、田宮良子の最後とSATによる寄生生物撲滅作戦を同時にやってたせいで盛り上がりが今ひとつになった感もあり。
市庁舎の殲滅作戦、映画として状況の説明不足はともかくとしても、あそこの後藤対SATの虐殺部分をまるっとカットしたせいで映画としてのアクション的盛り上がりと後藤の強さ感が足りなくて残念。 後藤がどれだけ強いのかあんまりわかんないのよね。ぶっちゃけ浅野忠信の迫力だけで押し切った感じ(苦笑)あと「繋ぎ目」の伏線はなしってことか。でも着てる服が破れてないのはどうかな?そのせいもあるか、一戦交えたようには見えないんだよねー。
盛り上がり自体は最後のミギー対後藤もあるし、後藤が強いというのはちゃんと分かるんだけど画面的な描写としてやっぱりミギーの「圧倒的な一人だ」っていうセリフとSAT全滅だけでわかれっていうのは結構強引かなあ。わかってても見せて欲しいのが映画だと思うんだけどな。まあいいか。
そんなわけでテーマ絡みで一番盛り上がったのは田宮良子(深津絵里)と倉森さん(大森南朋)のとこ。映像的な描写としては原作みたいにCG使ってでも頭の変形ガードで見たかったってのはあるけど、なんでああいう描写にしたんだろうなあ。細かいとこで残念感。
とにかく深っちゃんが上手すぎるよ!素晴らしいよ!若手俳優で感情を押し殺した役をやらなきゃいけない人は寄生獣深っちゃんを参考にすればいいよ!とまで思ったw
広川の北村一輝も今のヤメゴクの役を考えるとあまりの差に気が遠くなるんだけどw、この映画ホント脇役の俳優さんたちが上手いよなあ。新井浩文國村隼も(平間さん…泣)
浅野忠信はルパンの時(>銭形警部)も思ったけど、原作漫画に似せようとしないで自分の解釈のほうに引き寄せて説得力を出すというのが成功してて、漫画原作ものだと好みはあるだろうけどこれはこれで役者としてはすごいなーと思った。似てないけど後藤なんだよ。三木(ピエール瀧)との違いも良かったし。
だからどうしても原作知ってると、原作抜きでもなんか染谷将太ってのはコレジャナイ感がぬぐい去れないままだった。染谷くんは別に下手だとは思ってないんだけど、単にオレが染谷将太を好きじゃないんだろか。確かに顔はまったく好みじゃないんだけど、ああいう顔芸するタイプ好きじゃないんだよなあ。(スマン、これは単にオレ個人の見解)
あー、そうか、何がと言われたら寄生獣ハンター新一がなんか違うかなあ。どういう気持で狩ってるのかイマイチ伝わらないというか。あとシリアスなシーンで漫画みたいに口開けるのはどうかと思うwソフバンのCMじゃないんだからw
橋本愛は村野というには可愛すぎて(村野ってもっと良くも悪くも普通の子だと思ってたから)、「あの」シーンとか恥ずかしくて見てられなかったわー。あのシチュはどうかと思うけど(^_^;)放射性廃棄物の処理施設だぞ。
 
ただまあ原作のテーマを上手くまとめて掘り下げてた完結編の方がテーマははっきりしてて良かった。寄生獣たちが海から来た(海に限らないと思うけど)っていう理由付けとしてはありかな。
あと寄生獣とは何なのかということに答えを出してたのも原作にはない解釈だったし、だからこそ広川の演説もちゃんと伏線的に意味があったというか。そういう原作ではやんなかったとこをもう少し突っ込んで解釈して、映画独自の見解としてたのは良かった。
正直ストーリーはわかってるし、展開は変えてあるなーとは思ったけど、田宮良子の最後のシーンとか泣けた。あそこがこの映画の肝だよな。田宮涼子の変化、そして人間と寄生獣の未来と子供への思わぬ愛情が凝縮されてて良いシーンだった。深っちゃんが上手すぎる(´;д;`)ウッ…
後藤の最後もやってることは原作と同じだけど、そこに乗っかってる新一の気持ちは映画としてちゃんと掘り下げてた上でのあのシーンだったからちょっと泣けちゃったよ。後藤も可哀想 (つω・`。)
全体には面白かったし、映画として見たかいはあった。
あ、ミギーとの別れも泣けたよ。
それと最後の対決で後藤を倒したのが原作の有害物質から放射性物質になったんだけど、あんなとこで戦ってて新一は相当放射能汚染されたんじゃないの?と心配してたらちゃんとミギーが治してくれてて良かったw 正直そこにフォローあると思ってなかったわ。
あとまあミギーがいなくなったあとの新一の右腕も映らないんじゃないかと思ったけどちゃんとCG加工されてた。ほんとはもう何カットか腕がないの見たかったけど。まあないよりましか。
ネタ的に受けたのはミギーが「私は写真写りがよくないな」ってのに新一の「どうでもいいよ」という投げやりなツッコミw なんか原作でちょこちょこあった乾いた笑いで良かったよw
ED、ミギーがヒラヒラしててかわいかったよw あのシーンないな〜と思ってたけどCG造形としてはお披露目あったw
 
ところでググってたらこの記事見かけたんだけど。

「燃えさかる炎は山崎監督いわく、「キリスト教の煉獄(れんごく・罪の償いが終っていない死者の霊魂が清めをする期間)」を表現し」ってどういうこと?後藤たちパラサイトは自然の摂理で生まれただけで何の罪もないだろよ。マジで何いってんのこの人?
脚本はそうじゃないというテーマでの話になってるのに監督自らがそういうこというって、ほんと浅いなー (∋_∈)ビックリ。