そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

脳内ポイズンベリー

http://www.nou-poi.com
監督:佐藤祐一 脚本:相沢友子 原作:水城せとな

 
原作が「失恋ショコラティエ」の人…ってことですが、劇場予告が面白かったんで見に行ったらこれがメッチャ面白かった!
ヒロインの恋愛話自体は普通のありきたりな話なんだけど、あの脳内会議サイコーwww
原作は未読だったけど今ネットの試し読み読んだよ。(http://cocohana.shueisha.co.jp/poisonberry/index.html)キャラビジュアルもイメージ通り、いやぶっちゃけ主人公のいちこさん以外はピッタリすぎる!正直原作のいちこさんのほうが違うよ、あのキャラだとどう考えても真木よう子のほうが正解(笑)原作者さんゴメン(^_^;)
試し読み以外は原作読んでないけど、試し読みできる冒頭部分はそのまんま映像化されてた!(スゴいw)原作もちょうど完結してるってことだけど、全体のストーリーはよくまとまってるし、脳内会議が入るタイミングとかその掛け合いのテンポも良くてとにかく爆笑(笑)
あの脳内会議のメンツオレの脳内にも欲しい(笑)吉田(西島秀俊)も池田(吉田羊)も石橋(神木隆之介)も岸さん(浅野和之)もハトコ(桜田ひより)も素晴らしくハマりすぎ。
早乙女くん役の古川雄輝くんは意外と背が高くてスラっとしてて草食系癒し系男子って感じ。童顔だからそんなに背が高く見えなかったけど、そもそも歳も27歳じゃん。えー、ビックリ。系統はアート系と言われたらたしかにアート系かなあ。オレの観測範囲では見かけない俳優さんだったんでちょっと新鮮。
越智さんの成河はちょこちょこ名前に見覚えあるくらい。原作のキャラを3次元変換するとこうなる…かな?でもはっきりいうと早乙女くんと越智さんの印象が似すぎてて、もうちょっと大人の男性風というか違う感じでも良かったんじゃないかとは思った。(見た目だけならあまちゃんの時の松田龍平みたいな)
それといちこさんの元婚約者が竹財輝之助だったけど、彼はああいう役多いなあw 微妙に腹黒いペラい感じがああいう役どころにハマるんだろな(^_^;)
とにかく全体に原作の再現率がすごくて本当に脳内会議のやりとりがとても面白い絵面になってた。今までの普通の恋愛モノも全部この脳内会議バージョンで見てみたい(笑)
脳内会議場のセットとか映像投影の表現、記憶の回想シーンやまさに今の「LIVE」状態の細かい仕様がすごくそれっぽくて、心象風景(インナーワールド?)のCGもちょうど程よいビジュアルイメージで良かった。
いちこの部屋もすごくセンス良クて好みの感じ。ちょっと出来すぎって思ったけど、パンフ見たら「日本が好きなドイツ人が作った部屋を部屋そのままにして帰国したあとにいちこが借りた」という設定らしいw 美術は相馬直樹さんて人らしいですがこの美術は好きかも。リアルじゃないけどやり過ぎてない感じが良いです。
あと脳内会議を圧倒する黒いいちこはスーパー自我なのかなと思ったけど「本能」か、なるほど(なんでその言葉を思いつかなかったw)喋りですぐ真木よう子だってわかったけど、本能はもっと暴れても良かったのにw
 
ストーリー自体は本当によくありがちな展開の恋愛モノだったんだけど、それがこの脳内会議を挟むだけでまったく違う面白い何かになるのがスゴいです。
いやこの手の脳内○○なネタ自体はなくはないけど、そういネタ的なことよりもこの手の女性が恋愛中にどういうことを考えているのかということを可視化してるって意味ですごく画期的な気がする。
オレはああいうタイプの女ってスゲーイラッとするけど、たぶんよくいがちなああいう自己評価低いウザいタイプの女は真木よう子にハマってるし、この映画はああいうタイプの女のウザさが脳内会議で相殺されててたのが良かったです。というかだってどっちが悪いかっていうとグズグズ言ってるいちこが悪いもん。
それを肯定するお膳立てとしての「脳内会議」、絶対的にいちこの幸せだけを考えてていいという設定なのがとても利いてるし上手い。
冷静によく考えるといちこってやってることずいぶん自分勝手だし(だからオトナな越智さんが○○る←配慮w)、劇中でちゃんと突っ込まれてるけど自己評価について自己完結しすぎててイラッとするんだよな。いやそれが論理的でない、過去に傷ついて臆病になるあまり自己評価が果てしなく低くなってる普通の女性なんだろうなーとは思うけど、それを肯定する理由があるというところが「脳内会議」だから「ヒデー女だ!」ってのが気にならないのよね。
何にしても30歳にもなってああいうめんどくさい弱気な自己評価基準な人、世の中の女の何割か、結構少なくない割合でああいう思考で恋愛してそうな気はするw
そういうのを嫌味なく笑えるネタで見せてて面白かった。
あと早乙女くんとかもオレが年寄りなせいかなんとなく「わかる」んだよな。越智さんもわかる。いちこを振った元婚約者の言い分もわかるw そういう意味で失恋ショコラティエほど突飛なわけじゃなく、なんとなくこういう恋愛してる人わかる感はある…から、この脳内会議が生きてるんだと思った。
最後の結論も、オレにはああいう「彼女の中の理屈として正しい行為」をとる女は理解できないんだけど、まあそこも含めてまあそういう女だよな〜って思った。そもそもたぶん気が利いてて優しいけどアート系で面倒くさい早乙女くんと、自己評価が低くて言うべきことを言わない自分のことしか考えない鈍感ないちこさんは絶対合わないと思ってたんであれでいいと思います。たぶんいちこさんはすぐ忘れるよ、そういう女だもん。あっという間に黒付箋の過去だよ(^_^;)
たぶん原作も面白いだろうけど、この映画はすごく上手くそこら辺を映像化してると思った。テレビ局絡みの邦画では相当出来がいい方じゃないかしら。オススメ。普通に見ても損はしないと思うし、好きなキャストがいるなら相当楽しめると思うよ!