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ターミネーター:新起動/ジェニシス

http://www.terminator-movie.jp
監督:アラン・テイラー 脚本: レータ・カログリディス、パトリック・ルシエ 原作:ジェームズ・キャメロン

 
※感想のネタバレ範囲を手直ししました(眠い頭で書いちゃダメw)純粋なネタバレは後半のパラドックス関連に絡めてだけど、前半のネタバレはゆるいので注意。
なんとなく見に行くの億劫だったし自分のテンション的にものすごく面白かった!というわけでもないけど思ったよりは面白かったという、一風変わった「ターミネーター」シリーズならではの良いリブート映画でした。
1,2はともかく3とか4とか相当うろ覚えだったんでwiki自分の感想は確認したけど、リブートというか1作目を踏襲した上でのタイムパラドックスものとしてちゃんとSFだったしソツなくまとまってるし、ぶっちゃけいい意味で2どころか1だけ知ってればいいっていうご新規さんにも入りやすい話だったよ。何でもありってわけじゃなく歴史改変の範囲内だとは思う。むしろ最近のバジェットムービーを考えると話がちゃんとしてて懐かしい感じ。
ところでこの映画の冒頭、未来における機械軍と抵抗軍の戦況を見せつつ、救世主であるジョン・コナーが生まれる前に母親のサラ・コナーを抹殺しようと機械軍がタイムマシンで殺人ロボットを送り込んだので、彼女を守るために部下のカイルを過去の世界に送り込む…のを「ちゃんと未来の時点から見せてる」というありがちオーソドックスなストーリー展開なんだけど、ふと思ったよ。これが「普通の展開」なのよね。
だから1984年のターミネーター1作目でそういう状況と未来世界をまったく描写せずに、いきなり45年後の未来からやってきた戦士が1984年当時の状況の中だけでサラを守って終わる、重要人物のジョン・コナーがどういう人間かすら話の中でしか出てこないという、ある意味画期的にローコストなSF映画を作ったキャメロンって改めて天才よね。当時の映画テクニックで出来る範囲でしか描写してないからこそボロが出なくて傑作になったというか。
2(1991年)では「液体金属」という新設定のみで衝撃を与えたものの、想像もつかないような未来世界は描いてないし。3(2003年)ではインターネットという概念が浸透したから敵の概要をぼんやりとインターネットにし、4(2009年)でやっと未来世界での戦闘を描写出来るようになったんで5ではむしろオーソドックスなストーリー構成に戻ったということを考えると、CGを殆ど使わずにああいう世界観をやった1がいかにスゴかったかと。
そんなことをぼんやり思いながら見てると改めてそのすごさが分かる感じ。普通ならこういう展開にするよねえw
さすがに1作目当時じゃインターネットやモバイル端末に縛られた人類ってのはここまでリアルには想像できなかったろうし、だからこそ(今ではありがちだけど)ネット&モバイル端末(新OS)による人類の支配か絶滅か(わかんないけど)という新しいターンに進めたってのもあると思うし。
サラが2017年のスマホタブレットを見てみんな持ってるあれは何?的な感じで不審がってたってのはよく分かるよw 30年前は携帯電話すらなかったもんなw
てことで、時代背景に合わせた改変(進化?)がされたうえでの今回のパラドックス改変でリブート化するっていうのは、とても上手いこと考えたと思うわー。(そういや3のジョン・コナーの幼なじみの嫁設定はどうなったんだろ !?)
いつの間にかT-800の見かけがが老化するという設定が付いてるけど、今の1作目からリアルに30年経って老人なシュワルツェネッガーの使い方もとてもよかった!というかシュワちゃん思った以上にアクションもしてたし。
ところで些細な事だけど、あの新しいターミネーターの合成の顔って1作目よりも若いと思ったんだけど髪型のせいかしら?今彼は67歳だけど、とするとT-800って1作目の時は37歳ってことになって、今作ではそれより7年前に来てて老化したってことだと、最初のT-800モデルの年齢って30歳ってことだからかな?
 
一新したキャストは全体にイマドキ風。新しいサラ・コナー( エミリア・クラーク)はより活発で可愛くてよかったけど、カイル・リース(ジェイ・コートニー)とジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)は日本人の感覚でいうとああいうタイプでいいんだ?と思ったり。そっち方面にマッチョなのは今のハリウッドの傾向なのかそれとも単に監督の趣味なのかw *1 ぶっちゃけホモ好きするタイプなの?ってことですよw(いや本当にホモ好きするかどうかは知らないけど、昔風の二枚目とかハンサムが主流じゃないことは確かな気が)

あと、ストーリーとパラドックスからして絶対二作目に続くとは思ってたけど、これって3部作構想だったのね。てかそこまで続くんだ?むしろ今度こそスカイネットは倒せるの?タイムパラドックスものだとなんでもできるからなあ。
まあ今回の話自体はかなりちゃんとタイムパラドックスを考えた脚本(ただしパラドックス自体の扱いと改変範囲はは作品によって違うので、この作品に関してはという意味で)だったと思う。
辻褄は大体合ってると思うし、見ててそういう伏線的なことには触れずにこの映画だけで収まってるように見せといて、でも実は謎がだいぶ残ってるよね。
そして実は結構重要な?1984年のお巡りさんだった若者は33年経って刑事に。絶対あとで出てくるって思ってたし、今回の絡み方は中途半端だったけど絶対次回も出るよねえ?名優J・K・シモンズをこんな中途半端では終わらせないよね。(スパイダーマンの編集長だと思ってらあのセッションの指揮者だったのね>見てない)
T-800が人間の表情を学習してるとか、サムズアップとか、サラに「I'll be back」っていったら「何?」って言われちゃったりとか、細かいところで前作のオマージュネタとかお遊びがあって良かった。元の時間軸とリンクしてるようなしてないような?
あれで過去に戻ってどうなるかと思ってたら女戦士になってるサラとT-800がトラックで迎えに来るとか驚かされたし、(当然カイルは裸なので服を調達する、そしてナイキw)サラとカイルはくっつくのはわかっててもサラはそれを知ってるんで状況からしてちょっとツンデレっぽいやりとりになってたりちょっと萌えるw
あとなんといってもT-800とサラが擬似親子みたいになって「オジサン」呼びしてるとか結構グッときた。1,2作目ではサラがひとりでジョンを育てて戦闘ノウハウを教えこんで孤独な戦いをやってたと思うと、同じように戦闘をマスターして女戦士になってるにしてもT-800と一緒だったと思うとなんか、良かったねえ…という保護者気分w
30年後に迎えに来るって言ってたのに高速道路が出来ててそっちに現れたとか、渋滞に巻き込まれたというT-800とか、「オジサン」のこの33年を考えるとそれもまたちょっといろいろ萌えるw 「オジサン」は頼れるしカッコよくステキであったw これはある意味2のT-800と子供ジョンへのオマージュかな?
あ、なんかこの映画結構楽しかったかも?アクション一辺倒じゃなくこのくらいに頭使うのもいいかもな。前半は結構展開が読めないからドキドキしながら見てたし。
あとエンドクレジットの後にオマケ映像があるから、映画終わっても出てっちゃダメ!
以下ネタバレで、もうちょっとだけ細々ツッコみたい。
 
 
カイル・リースがジョン・コナーに助けらて戦士になった…ってとこからして今までの話とちょっと違うけど、これ、おそらくジョンは途中からカイルを過去に送り込むつもりでサラの話とか話してたんだよね(つまり自分の父親にするために)
そう考えるとジョンがああなってしまったのはとても悲しいことですよ。カイルも落ち着いてそのことを考えたらきっと悲しいと思うな (∋_∈)
そしてここからパラドックスで時間軸が変わってしまった。
新規さんにも親切なストーリーとは言ったけど、基本的に1と2を見てないとあんまり意味ないよね。というかターミネーターだからこそのパラドックスなリブート改変。
それで1,2の続きだったはずの世界は見たことない回想シーンが混じってカイルが過去に飛ばされ、行った先ではすでにサラは戦闘のプロでしかも年取った「オジサン」T-800 がサポートしてるって、もうその時点でカイルがいた元の2029年の未来世界はないってことよね。劇中、誰も突っ込まなかったけど。
ちょっとパラドックスの整理しとく。
1作目と違って9歳のサラのもとにT-1000とT-800が来た時点ですでに2029年の未来は変わってるはずなんだよね。
今回の映画では特にパラドックスには突っ込んでないけど、どこで変わったのか、あまり捻らないで考えても、まずサラたちが1984年から審判の日(1997年→2017年に変更)に飛ぼうと思ってたこと自体、そこでもうジョン・コナーが生まれないよね。1985年に生まれてなきゃいけないのに。しかもその可能性に歴史を聞いて知ってるはずのサラが気がついてないはずないってことがちょっと引っかかってたけど。
あとカイルたちと死闘を繰り広げるはずの最初のT-800 はもう倒されてるし、代わりにT-1000がいるし、だからそのT-1000とあの「オジサン」は誰が送ってきたのか、どうして1984年でタイムマシンを作れたのかって話なんだけど。ただサラとオジサンが知ってる歴史は改変前の歴史だしなあ…
で、ジョンは存在してて2017年でサラとカイルを殺してスカイネットを守ろうとするけど、ここでもうジョンが言うように運命から切り離されてるって可能性もあるのかも(パラドックスを考えるとあのジョンはこの時間軸ではもう存在しないはずだから)
審判の日は、1984年にサラを殺し損ねたことと、1994年に子供ジョンをも抹殺しそこねたことで2004年になり(3作目)、その後2017年になったのは、いろいろ考えるにジョンがスカイネットに乗っ取られたからじゃないかなと。(審判の日、間違ってないよね?>wiki 3の2032年のことはとりあえず置いとくけどw)
あとこの映画でカイルとサラが結ばれたとして、新しい時間軸の2029年では新しいジョン・コナーは11歳だよね。ということは戦い自体まったく違うものになるし、そもそもネットワークインフラそのものがスカイネットっていう21世紀的な改変があるので、今回の審判の日も回避したけどどこかでまた審判の日がきて機械軍と抵抗軍の戦いになるのか、それともそれを阻止しようという話を延々とやるのかどうか。スカイネット自体も今の時代的なものになると思うし。
あとこの時間軸の未来のある時点で、当然今度はサラが9歳の1977年に機械軍がT-1000を送り込みジョンはT-800を送ることになるってことかな?どうして機械軍の転送がわかってて止められないのかって気はするけど。というかなにこの堂々巡り感。むしろもうその堂々巡りをやめるとかって話にならんかのな?
結局リブートしてもまた未来は確定されてない状態になって、むしろあの3人がこれからどうなるのかちょっと興味あるよ。(1のあのラストはとても好きなのでオマージュして欲しかったけど)ちゃんとジョン・コナーは生まれるのだろうか?「ターミネーター」という作品においてそこって一番重要だよね。
感想書いてたら意外とあとから面白さがジワジワきたw パラドックスモノ好きだし、これはこれで好きかも。次回作も期待しとく。

*1:「ジュピター」のチャニング・テイタムとかもちょっと思ったけど、ヒーローアクション映画でああいうタイプをイケメンとして扱うってかなり最近のアメリカ人の感覚じゃね?