そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

あさが来た(終)

http://www.nhk.or.jp/asagakita/
脚本:大森美香 演出:西谷真一、新田真三、佐々木善春 他
 
あさが来た、たいへん爽やかに終わりましたですね。本当〜に面白かった。
感想はあんまりつぶやけなかったけど朝ドラで毎週の録画分全部録っといてるのは久しぶりです。ゲゲゲ以来かな。(ごちそうさんは確か容量不足で消しちゃったんで)
朝ドラってゲゲゲまでは殆ど見てなかったけど、毎週メインになるネタを各日に割り振って引っ張っていくとか、話の作り自体がメインのエピソードを活かしてこなすための周辺エピという作りのものが多い気がするのが今まですごく苦手だったんだよね。
でもあさ来たは毎週ひとつのエピソードをこなしていくというより、その時の登場人物の状況を描いていたって感じかな。あさたちに起こる出来事を大きな流れの中で描くことで登場人物たちのキャラが際立つというか。
毎週の引きもひとつのエピソードが終わったから次っていうパターンじゃなかったから話の流れも自然だったし、土曜日に話が終わらないで引きになってもストレスじゃなかった。いかにもな朝ドラ展開じゃなかったのが良かったのかなあ。
波留もディーン・フジオカも良かったけど、やっぱり玉木宏。本当にのだめに続く2度めの当たり役になってよかった(笑)
というか玉木宏の進次郎さんあってのあさ来ただったと言っても過言じゃないよ、全然。あの柔らかい感じがイヤミにならず押し付けがましくなく、それでいてあの時代にしっかりと奥さんをサポートして裏方に回ってるのに存在感はある、でも波留ちゃんより出過ぎないという絶妙なポジション取りは素晴らしかった。よくここまでいい役者になったなあ…とデビュー直後から特にファンでもないのに何故か見続けてきただけの甲斐はありましたw 素晴らしい。
ちょっとだけ自分が好きなパターンじゃなかったのは千代なんだよね。小花風花がそんなに好きじゃないってのもあるけど、勉強嫌いというのを個性としてあまり頭が悪いようには見せてなかったので(あさとの対立あたりは考えが足りなくてちょっとイラッとしたので)まあなんとか。というかすごいツッコミたかったんだけど、商売熱心・女子にも教育大事なあさに似なかったのはよのさんが当時の「女子らしく」育てたからじゃないかなあ?はつの方を尊敬してたとかもだけど。(まあそういうものよねw)この辺はむしろ今の世相を反映して、外で働いてキャリアを積むのも大切だけど家で子育てをすることもとても同じくらい大事っていうエクスキューズだったとは思うけど、それも話の中に無理なく組み込んでたので違和感なかったし。
個人的には千代やよのさんたちに比べてあさが不器用というかせっかちだっていう描写が合ったのがツボった。手紙を折るのに角が合わないっていうところw あさみたいなタイプって絶対細かいこと苦手だと思ってたからw
あと史実じゃ早くに亡くなってたらしいはつさんの家族もあさの家とは別方向の描き方がされてて、最初の総兵衛さんのことがあったから対比というにはキツイなあと思ってたのがウソのように良い話で終わって本当に安心したよ。みんないい人だったけどそれがご都合にならないさじ加減がやはり良く出来てたなあと。
大森さんの脚本が丁寧で目配せが効いてて突っ込みすぎず、全体にはサラッと淡々と流しながら程よく盛り上がってたのが良かったし、ながら見してても話自体は頭に入るんだけど演出でちゃんと登場人物の一瞬の表情やポイントになるカットが差し込まれてたり描写が丁寧だったので、ちゃんと文脈や行間を拾って見てるとより楽しめる作品になってたかと。こういう丁寧なドラマはいいね。
だから基本的には突っ込みどころがなく、かといって深読みするほど難しい面倒くさい話でもなく、伏線や布石はあるけど上手いこと当たり前に回収されてるんでものすごく驚くってこともなく、本当にいうことないくらいきれいな作劇の物語だったかと。
最後は亡くなった進次郎さんがあさを労いつつお花畑で迎えてくれた…ってことで、やっぱりこれはあさを支える進次郎さんとの夫婦愛、LOVEの話だったんだなあとホロリ。
画面がセットっぽいのは仕方ないと思うけど(せめてライティングをもうちょっと自然に出来ないかなあ)朝ドラ初の幕末からの始まりということもあって着物や家のセットの建込みが細かくて見応えありました。オレ主に夏の時期の障子の意匠やちょっとした室内の飾りがお金掛かって行き届いてた印象。
毎日毎週、次が楽しみすぎて他のことが手に付かないわけでもないけど毎日見ずにはいられない待ちきれなさがちゃんと両立してて、自分的にはとてもいい朝ドラだったんだよね。
いろいろ新しい知識も増えたし、これも幕末から明治にかけての一つの歴史として記憶に残したい朝ドラだったですよ。
いやー楽しかった!
 
次の「とと姉ちゃん」は西田征史の脚本で今2話め、まだ大人キャストが出てこないのでなんとも言えないんだけど、わりとオーソドックスな朝ドラって感じかなあ。
西田さんはこういう普通の日常の中の人間関係はたぶん面白いと思うんだけど、やっぱり朝ドラっぽい雰囲気ってのがオレはちょっと苦手かも。
ヒロインが高畑充希ってこともあり、そういや最近の朝ドラは新人大抜擢なキャスティングと言うより今までのNHKドラマに出てた人たちを上手く使って固めてるって印象かな。そういう意味では安定感あるからなんとなく見ちゃうんだろうけど、その分新しさってのがなくて落ち着き過ぎちゃうのかもしれない。まあ西田さんだから向井理ってのが特にw 普段からフラフラしてる叔父さんていがちでいいよな。向井りーはそういう使い方が一番合ってるよ!w