そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

重版出来!#10(終)

http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/
脚本:野木亜紀子 演出:土井裕泰 原作:松田奈緒子
 
面白いドラマだったとは思うし丁寧に作ってたけど、話をきれいにまとめすぎててなんだか今ひとつ乗れなかったんだよなー…ってのは置いといて、原作をこういうふうにアレンジしてくるのはとても上手いと思った。やっぱり野木さん上手いなあ。
まあオレがあんまり乗れなかったのは中途半端に業界知ってるんでツッコミのほうが先に入ってしまうのと、ドラマとして正論が正論すぎて話がイマイチ面白く感じられなかったから…というか。なんか真っ正直なんだよね、展開が。
何だろ、全体に群像劇なのはいいんだけどちょっととりとめがないというか、主人公は新人編集者の黒沢心だしそのお仕事っぷりは描いてはいるんだけど黒沢が主人公じゃないんだよね。
もしかして世間的に視聴率が良くなかったのはそのへんの入り込めなさかもしれないような気もするけど。
まあ原作も基本的には漫画家と編集者の話じゃないし、リアルな業界モノなんだけどそれ以上でも以下でもないというか。
むしろこれは中田くんという天才?漫画家が世界と向き合ってデビューするお話だよね。
だから原作もドラマも中田くんがもがいてる時は頑張れって思うし連載決まった時はウルっと来たし、今回最終回でずっと自分の中の世界にしか興味がなかった彼が世界はもっと広がってると知る=他人のことに興味を持つ、最終的に他人のために漫画を描いてもいいと思ったことがとてもクライマックスで最終回だった。
三蔵山先生の言うことはいつも正しくて、漫画は自分のために描くべきだけどそれは原稿用紙の上だけのことなんだよ。そこからさらに「漫画作品」として世に出すなら、そこに関わってる編集者やデザイナー、売ってくれる本屋の店員や、買って読んでくれる読者のことを考えなければいけない、そうでないと商業漫画家とはいえないってことだと思う。それがバーチャルウォーターなのよね。
でもそれは漫画家だけに限らない、人はこの世界で生きるには他人とかかわらずには生きていけないんだと思うけど。
だからこそ中田くんのヘレン・ケラー的「ウォーター!」はまさにそのバーチャルウォーター=「この世界で自分の漫画単行本に関わってくれてるすべての人々」だったってことだよね。
(ああそうか、ドラマは原作より先にそこをまとめちゃったけど、原作はそこがとても散漫でまだるっこしいいんだな。編集部以外の人たちの話でそれをやろうとしてるから)
とりあえずお話的に突っ込んどきたいのはやっぱり案の定の中田くんアシスタント問題。アシスタントは何よりもご飯大事!お仕事を振ってあげてご飯を食べさせて寝かせてあげるのはとてもとても大事!
あともちろんだけど、それ以上に作家さんの体調管理とっても大事!まずそこから、仕事できなくなったら話にならねえから!連載だし!それくらいはわかれ、中田くん! (>△<)
まあここまでは黒沢が仕事上で失敗しないから安定してるけどその分ドラマとしてはつまらないとこもあり、だから今回はケンカというか「このバカちん!」と「僕を支配しようとするな!」の戦いで、ヘタしたら担当替えになるところだったけど上手く収まってよかったね。でもあれは中田くんが普通に漫画家としてひどいと思うよ。黒沢全然悪くないよ!
あとハッチポッチの人はライバル誌の新人に嫉妬とかTwitterで書いちゃっだめだろう(^_^;)
そのTwitterリツイートなんか何万あっても何の足しにもならないと思うけど、バイブスの電書のバックナンバーがピーブ連載開始分から急に売れてる…っていうのは、今ならではの反応ですごくわかりやすいなあと思った。実際もそういう感じなのかなあ。オレもiPad買ってやっと電書をこまめに利用し始めたけど。
昔よりもわかりやすくて販売戦略は立てやすそうだなあ。実際無料立ち読みをキャンペーン的に展開すると有料分のコミックスも動くらしいし。

ともかくドラマは最後きれいに終わってよかった。
キャストはみんなハマり役すぎて終わるのがもったいないくらい。漫画協力はオレの好みだと微妙な感じもあったけどそれは単に好みだからってことで、いろいろネタとして面白かったんでいいかな。
あ、三蔵山先生のビックリ爆弾発言は最初意味わかんなかったけど。だってあの年で長期シリーズ終わりますって、いやさすがにもういいでしょって感じだし、新シリーズ起こすって普通売れっ子ならもうやってるよな?結局シリーズ終わるのはともかく引退ってのがよくわかんなかった。オレがなんか勘違いしてる?今までのオワコン三蔵山先生は引退したよ、でも新しい三蔵山先生に乞うご期待ってこと?​男性作家は絵柄と媒体によってはあれくらいだとまだ全然引退じゃないよね。頑張れ三蔵山先生!w