そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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マグニフィセント・セブン

http://magnificent7.jp/
監督:アントワン・フークア 脚本:ニック・ピゾラット、リチャード・ウェンク 原作:黒澤明七人の侍

 

黒澤明監督の傑作時代劇「七人の侍」(1954)と、同作を西部開拓時代のメキシコに置き換えてハリウッドリメイクしたウエスタン「荒野の七人」(60)という2つの名作を原案に描いた西部劇。「トレーニング デイ」「イコライザー」の監督アントワン・フークアと主演デンゼル・ワシントンが今作でもタッグを組み、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」「ジュラシック・ワールド」のクリス・プラット、「6才のボクが、大人になるまで。」のイーサン・ホーク、ハリウッドで活躍する人気韓国俳優イ・ビョンホンらが共演した。
暴虐の限りを尽くす男、バーソロミュー・ボーグに支配されたローズ・クリークの町の人々は、賞金稼ぎのサムを中心に、ギャンブラー、流れ者、ガンの達人など7人のアウトローを雇う。最初は金のため町を守ることになったサムらだったが、いつしかその目的が金だけではなくなっていることに気付く。(「映画.com」より)

 
面白かった!当て書きに近いキャスティングでバッチリキャラ立ちしてる7人の用心棒たちと、完全西部劇スタイルのガンアクションがとにかくカッコイイ。
これで西部劇がブームになるってことはないだろうけど、西部劇にしか描けない(西部劇をベースにした物語というのは当然あるだろうけど)ものはあるんだなあ。カッコイイ。気持ちいいくらい拳銃撃ちまくりで破壊的なカタルシスもあって見終わってスッキリ。
七人の侍」は昔(20年以上前)見たことあるけど結構うろ覚えだし、「荒野の七人」は見た記憶もおぼろだけど(でもテーマ曲は好き)話は知ってるので大丈夫。
以下ネタバレ…じゃあなくても大丈夫よね。(一応言ったよ)
 
 
相当現代っぽくアレンジされてるのは依頼をするのが女性、そもそもメインの7人が多国籍軍で、しかも残ったのは非白人ばかりってのがイマドキのPCに配慮しすぎって感じもあるけどそんなことも関係ねえ、行き場のないアウトローたちがなぜか善き心に目覚めて町を救う話ってとこが清々しく美しいです。
とにかく荒野の地平線を走る馬、埃っぽい砂漠の町、クルクル回す二丁拳銃。リアルと言うよりは完全にエンタメで、ビジュアルも美しくカッコイイ。シビレル。物語も込みで西部劇というスタイルに憧れる〜とまで思えるw
確か七人の侍は二部構成で上映時間も長かったと思うけど、今の映画にしては若干長めの上映時間にしてもテンポがいいので中だるみもせず、ストーリー的な過不足はまったくなかった。
七人の侍や荒野の七人を下敷きにはしてるんだろうけど、登場人物の人種多様性とか未亡人の強さとか、わりと現代っぽいアレンジがされてるかなあ。
というかむしろ途中、悪党の資本家を追い出したあとはどうするんだろうとぼんやり思ったくらいです。追い出すことが目的だよ!w
いやこの悪徳資本家(強盗男爵っていうらしい)がロックフェラーやJPモルガンに追いつくためにはこれくらいのことやらなきゃいけないんだって言って、でも完全に力任せでなく格安でも金を払って農民たちを追い出そうとするところ、下手に理屈でくるからアメリカは野蛮だなあと思ったりw
というか立ち退き料20ドルが相場の3分の1とは言え60ドルでも安くないか?そもそも農民たちを追い出さないと近郊惚れないの?とかよくわからないところはあるんだけど。農民だって農業やるより金掘ったほうが実入りが良さそうなんだけどなあ…などと、若干基本設定としてわからないところはあるけどそういうもんかと納得して見る。
とにかく悪徳資本家の非道に立ち上がった未亡人が用心棒を集め、町の人たちと協力して資本家を追い出すだけの話。それだけなのになんかもうムチャムチャカッコイイ。
7人みんなキャラ立ってるけど、サム・チザムがデンゼル・ワシントンで、黒人なのに州の委任執行官、賞金首を狩る側なのにそいつらを使って町を助けに行くとか、しかもメキシコ人に東洋人、南北戦争の敵味方に更にはなんでかコマンチ族のインディアン(しかも英語もわかる!w)まで仲間になるのが唐突過ぎて無理矢理感はあるけど、キャラ的にはバラエティに飛んでて面白い!それぞれの事情は最低限だけどキャラがわかってるから問題ないし。
町に入って下っ端を追い払ったあと、ボーグを迎え撃つまでの間に訓練したり町を要塞化したり策略を練ったり思ったより頭使ってるのもイマドキな感じ。
しかも究極兵器のガトリング銃が出てきたときの絶望感といったら(入り込みすぎ)これるろ剣で見たことあるよ?しかもここから更に見どころが…!たまらん(;゚∀゚)=3ムッハー

七人の侍の最後、野党は追い払ったけど「勝ったのは俺たちじゃない、農民たちだ」という有名なセリフがあるけど、このマグニフィセント・セブンは、サムには実は…というオリジナル?の設定があって。そういう話だとまたちょっと見え方が変わるんじゃないかなあと思ったんだけど、やっぱり最後の最後、これは農民が勝つ話、自分たちの町を自分たちの力で取り戻す物語だったんだなあと涙が… (´Д⊂ヽ
それをわかってて加勢して死んでいった彼らはまさに崇高な7人だったというのはちょっと胸にグッとくるわけです。
 
そういやグッドナイト・ロビショーと東洋人のビリーの一心同体さはいかにもだったけど、相当それだってあとで知ってどう受け止めていいのやらw 嫌いじゃないけどそこまであからさまなホモネタ?でも冷静に考えて男性が考える男同士の繋がりの究極な気もするのでこれはこれで。なんとなくビリーのストイックさは次元大介っぽいw
いいけどグッドナイトは南北戦争で23人殺してトラウマもちになったって言ってるけど今回みんなそれ以上殺したよね?あと生き残ったみんなも一休みしてから町を出なよ…とか。
なにげに用心棒を集める未亡人の見た目が地味でそれっぽくていい。というかエマのイケメン夫、なんとなくイケメンっぷりに見覚えが…と思ってたけど、「ホワイトカラー」の詐欺師の人じゃんよ!ああスッキリしたw
あとジェームズ・ホーナーの音楽がカッコイイね。映画直後に事故で亡くなってるってのはパンフ見て知ったけど。
この音楽が意外と地味に緊迫感を盛り上げて、むやみに何か起こりそうな予感をさせるのもいい。冒頭でボーグが子供に瓶の中に手を突っ込ませるのとか、ハラハラしたもんw
あとジワジワ来るようなメインテーマ曲?最後のバーンスタインのテーマ曲はやっぱりカッコイイ!
 
ところでこれ、「七人の侍」のアメリカでのタイトルは「The Magnificent Seven」なんだよね?それをリメイクした「The Magnificent Seven(原題)」の邦題が「荒野の七人」で、今回は更にそのリメイクの「The Magnificent Seven」が邦題なしの「マグニフィセント・セブン」って、なんかややこしくね?アメリカじゃどうやって区別つけてるの?
というか七人の侍が荒野の七人になるのはいいけど、荒野の七人はマグニフィセント・セブンではないよね。侍はマグニフィセントだけど。(一応荒野の七人のリメイクじゃなくあくまでも七人の侍のリメイクだってことらしいが)
 
2回目見てきました!泣きっぱなし!w→http://d.hatena.ne.jp/korohiti/20170222/p1