そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ラ・ラ・ランド

http://gaga.ne.jp/lalaland/
監督・脚本:デイミアン・チャゼル

 

「セッション」で一躍注目を集めたデイミアン・チャゼル監督が、ライアン・ゴズリングエマ・ストーン主演で描いたミュージカル映画。売れない女優とジャズピアニストの恋を、往年の名作ミュージカル映画を彷彿させるゴージャスでロマンチックな歌とダンスで描く。
オーディションに落ちて意気消沈していた女優志望のミアは、ピアノの音色に誘われて入ったジャズバーで、ピアニストのセバスチャンと最悪な出会いをする。そして後日、ミアは、あるパーティ会場のプールサイドで不機嫌そうに80年代ポップスを演奏するセバスチャンと再会。初めての会話でぶつかりあう2人だったが、互いの才能と夢に惹かれ合ううちに恋に落ちていく。
「セッション」でアカデミー助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズも出演。第73回ベネチア国際映画祭エマ・ストーンが最優秀女優賞、第41回トロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞。第74回ゴールデングローブ賞では作品賞(ミュージカル/コメディ部門)ほか、同賞の映画部門で史上最多の7部門を受賞した。(「映画.com」より)

 
あんまり前情報入れてなかったし、アカデミー最多ノミネートってどういうことよって思ってたけど(昨日「セッション」見るまではw)めっちゃよかったー!面白かったー!
夢を応援することと叶えること、楽しさと切なさが入り交じってて泣ける。題材の力もあるけどこれはアカデミー会員好きそうだから大本命も仕方ないわw 夢と情熱と幸せと切なさに溢れてる。
しかも昔のハリウッド映画風なノスタルジックなおとぎ話だけど、冒頭からしてミュージカル部分の見せ方が新しくて面白かった。
初っ端の高速度悪露の渋滞でのミュージカルはフラッシュモブっぽいし、ストーリー内で歌い踊るのもマネキンチャレンジっぽい演出で見せて、ミュージカルによくありがちななんでそこで歌い踊る?みたいな違和感を感じさせなくしてるセンスが抜群でした。まさにフラッシュモブが普通に認知され、マネキンチャレンジが流行ってた(もう終わった?)今だからこその新しさ。
全体的にフィルムっぽい質感な雰囲気のせいか、このおとぎ話みたいな偶然の出会いから始まる恋がとても映画的なロマンチックさに溢れてるのが良い。
ミアのエマ・ストーンは、あんまり好きな顔立ちじゃないからそこまで思い入れはできなかったけど、成功してからはオーラがあるように見えるからあれも役作りなのかなあ。そうだったらすごい。
むしろライアン・ゴズリングがカッコイイ。ピアノを引いてる姿が美しいし、一番良かったのはミアの実家に迎えに行くところ。なんかチャーミングだったw
プラネタリウムのシーンではこの二人はものすごいお似合いだなあと思ってたよ…(ネタバレなので以下自重)
夢を見ることとそれを誰かと共有して応援することの楽しさ。人生には挫折もあるけど、それを叶えられれば幸せになるとは限らないかも知れないけど、それでも何が起こるのかわからないのが人生なのかなあ。
現実的な恋愛の結末からそれぞれの夢が叶った今があり、その中で叶わなかった現実の代わりの夢のようなおとぎ話が再び語られるラスト。
冒頭や途中のミュージカル部分、今のリアリティの中でミュージカルをやろうとするとそれはまさにフラッシュモブなのかと言ったけど、逆にオーソドックスなセット風のミュージカル映画的な部分を最後のあそこに持ってくるというのが、あまりにハマりすぎてて上手いなあと。
そしてもう一つのあったかもしれない「今」の可能性。でもどちらも手に入れることは出来ないからこそ、どうにも切なくて悲しいけどロマンチックな美しい夢として受け入れざるを得ないのかも。「セッション」もそうだったけど、この監督は最後のシークエンスのためにすべてを完璧に構築してくる感じなのかなあ。
ラ・ラ・ランド」は「え、」て思ったあと、泣きながら「ロマンチックな夢を見させてくれてありがとう…」という感じがとてもいい。ストーリーはありがちでたいして面白みもないけど、その構成が上手い。美しい。完璧。
最初にわざわざシネマスコープって出てくるし、超横長の画面も今だととても新鮮。それもあるから大画面で見るべき映画。

そういやアメリカってマンハッタン以外だと街並みや車で現代感があまり感じないから、昔のハリウッド映画みたいに見えてて、なぜかスマホプリウスはその雰囲気でも違和感ないんだけど、途中YouTubeが出てきたときすごい違和感でびっくりしたよ。あれ、ある意味あのバンドの新しさっていう計算された違和感なのか(笑)