そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展

会期 : 2017/4/29(土・祝)−6/25(日)
場所:Bunkamura ザ・ミュージアム
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_saulleiter/

 

 
今回初めて名前を知ったんだけど、大変好みでした。
ファッション写真家として一旦は成功したものの、後年は自分の写真を撮り続けたってことではちょっとミュシャにも似てるような。
作風はオレが好きなアンリ・カルティエ=ブレッソンにも影響を受けてるってことで、解説では叙情的なとあるけど、日常の美しさの発見と物語性の描写とでもいうような叙情性のあるスナップ写真。

1950年代からニューヨークで第一線のファッション・カメラマンとして活躍しながら、58歳になった年、自らのスタジオを閉鎖し商業写真から退き、世間から姿を消したソール・ライター(1923-2013)。写真界で彼が再び脚光を浴びるきっかけとなったのが、2006年にドイツのシュタイデル社によって出版された作品集だった。時に、ソール・ライター83歳。この新たな発見は大きなセンセーションとなり、その後、展覧会開催や出版が相次いだ。

モノクロもきれいだったけど、カラー写真がとてもデザイン的というかアートというか60〜70年前(というか戦後すぐ)に撮られたということに驚愕。
やっぱりフィルム写真はいいねえ…といったらおしまいだけど、ちょっとざらついた粒子の荒い写真で、モノクロに原色をグラフィカルに配置したような街角スナップ写真というのがとても美しい。
時に雨でぼかされたり水蒸気ではっきり見えなかったり、天幕や傘に遮られ一部分しか見えない街の情景(覗き窓効果)に想像力を掻き立てられる。
しかも最近再発見というか再デビューしたと言われるように何十年も世間に殆ど知られずに自分のための作品を作っていた、しかもその作品や未現像のネガが未だ大量に保管されて日の目を見るのを待っている…という状態。
現像されてないフィルムがあるってことは、まだまだ誰も見たことない傑作が眠ってるかもしれないというのがすごい。
写真は抑えた色味にポイントカラーを上手く使ってる感じだけど、絵画のほうは明るい厚塗りの抽象画で。
会場には写真の他にそんな絵画作品が半分くらい。手帳に描いた小さなスケッチも多くてバラエティに飛んでるというか。
抽象絵画かつ日本の浮世絵にも影響を受けてるというこちらもなんとも言えない味わい。和紙のシリーズとか結構好きかも。
あとは彼の奥さんや恋人?たちのヌード写真などなど。ヌード写真に書き込みをした作品とかもあり、なんかいかにもNYの画家っぽいなあと思ったりw
本人はもう亡くなってるんで、もしかしたら写真のタイトルは便宜上付けられたのかもしれないけど、とにかく数が多くてまあちょっとばかり意図がわからないものもあるけど、写真というよりはアートな絵画って感じで印象に残るものが多かったです。とにかく色の使い方がカッコイイね。写真と絵画が同じような手法で面白かった。
 
入口にあった記念撮影用看板。猫かわいいw