そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

CRISIS 公安機動捜査隊特捜班#10(終)

http://www.ktv.jp/crisis/index.html
脚本・原案:金城一紀 演出:鈴木浩介
 
あーあ、特捜班みんなであっち側にーというまさかの展開…(;´Д`)
「SP」(TVシリーズ最終回)では黒か白かの曖昧さを残したまま、「BORDER」では一応明確に主人公はあっち側へ。そのあっち側に行っちゃった主人公のようだった稲見が今回は撃てなかったことで特捜班全員揃って闇落ちとは。
鍛冶局長の思惑としてはあそこで稲見が結城を撃ってれば任務終了メデタシメデタシ、こんなからくりに気が付かずにすんだのに…ってことか。
規格外の展開って、てっきり結城が特捜班に入って追加戦士になるんだと思ってたのになあー(笑)
結城がテロを企てたのは正義がどうこうという話でなく単なる私怨ではあるんだけど、恋人がテロに巻き込まれたというだけならまだしも、その事件が総理の息子絡みだったことで隠蔽されたということが闇落ちのきっかけとか、もう気の毒としか言いようがない。
何も知らない一般人を犠牲にしても国家を守ることが本当に正義なのか。いや国家自体が建前として国民のためにあるはずなんだからそんな正義はないし、大多数のために少数を切り捨て隠すことは明らかに間違ってるよ。そこは確かに倫理じゃないよ、法の問題だよな。
しかもその大多数の意向を決めるのが政治の権力者だというのは国家が腐ってるってことなのか否か。答えは明確なのに口には出せないことが真に恐ろしい。
それはともかく、稲見の葛藤や結城の絶望は分かるとしても、なんだかこの最後に及んで一番気になったのは鍛冶局長だよ。
一番いろいろ思うとこあってこの結果に忸怩たる思いを抱いてるのは鍛冶局長なんだろうなあ…と。能力的には絶対大丈夫だという自信をもって悪の力で正義を行うつもりで集めた選りすぐりのメンバーだったろうに。
鍛冶局長の野望と理想は具体的には明らかにならなかったけど、彼が国家に対して理不尽な思いを抱きつつ、清濁併せ呑み泥を啜ってまで耐え、あの年まで消されることもなく闇墜ちもせずにやってこれたことを考えると、今回の特捜班のメンバーたちはまだまだ青臭かったってことなのか。
ああー、結城射殺後の特捜班のあの視線を受けながらひとり現場を去る彼の胸中如何ばかりか。そうだ京都行こうとか言ってる場合ではない。(言ってない)
それに息子は二人いるから出来の悪い方は死んでもいいと言える総理大臣がそこまで権力を持ってるってとこに引っかかるんだけど、あの世界の政治権力の闇ってどれほどなんだろう。鍛冶局長が戦ってるのはそういう魑魅魍魎なんだなあ…特捜班という手足を失った彼はこの先生き残り続けて理想を実現できるんだろうか。悪を倒すにはより大きな悪を超えた力が必要なのに。それより、その局長の方針と信念を特捜班のメンバーにちゃんと伝えていればまだ結果は違ったんだろうかと思うととても残念。
今回の件が稲見の通過儀礼と言ってたからには、もしかしたら今回の任務が上手くいけば…という腹はあったのかもしれないけど、どちらにせよ何のために動いているのかがわからない特捜班の犬たちからすると、便利なものがあるなら使うけどいいよねと飼い主にゴリ押ししてくる怪物たちに(当面の保身のために)逆らえない以上、こうなるしかなかったのかなあ…
あ、もしかしてこんな魑魅魍魎の世界をひとり戦い続ける鍛冶局長はほむらちゃん(@まどマギ)なのか?何度やり直してもこの結果に?そんなの絶対悲しすぎる!

そんな壮絶なひと山を超えた特捜班の人たち、完全に目が死んでるんだけど。
ただあれをストレートに受け取れば彼らが国家に対してのテロを働く立場に加担しようとしていると見えるんだけど、でももしかしたらという可能性、というよりよく見るとその一度折れた心を押しつぶして鍛冶局長と同じく新たなるステージに移行しようとしてるようにも思えなくもないというか。むしろそうであって欲しいと望むけど。最後のニュースはまだまだ国家転覆のテロの危機は続くって暗示なだけで。
てか稲見があの状態で天使ちゃんに電話出来なくても、アドレス削除しようとしなかったので(てっきりそうすると思ってた)まだ希望があるように思えたんだけど。あと田丸がスパイと会ってた教会もたしか公安御用達って言ってたよねえ。大山もきっと情報収集で樫井はあそこそもそも特捜班のアジトだしストレス発散のための仮想爆弾作りなんだよ…!とまあ、特捜班を離れたわけじゃないっぽい?なので希望はあると信じたい。鍛冶局長の人を見る目は正しかったと信じたい。
でも続きが見たいわけじゃなくこれはこのまま終わってくれていいんだ。ドラマとして白黒はっきりつけない、ボーダーなラストでとてもいい終わりだと思うな!

それにしても、演技的には田丸@西島さんの目の光の無さと稲見の何もかも投げ捨てた死にっぷりすごい。今回は小栗旬渾身の演技を見たよ。凄まじいな!
もちろんアクションもすごかった。けど、本人アクションの凄みはあまりに見た目には地味すぎて、分かる人にしかわからないレベルなのがもったいないよ。この辺やはり岡准のSPはジャニーズ的なアクロバティックさで魅せていたなあと思うと余計に。
ところで当然岸部総理が射たれた→転倒っていう劇中の流れは現実の谷垣幹事長の自転車事故を思い出させるんですが… オソロシイ…

そしてこのタイミングでBORDER復活のお知らせが!