http://www.fujitv.co.jp/Cecile/
脚本：ひかわかよ 演出：澤田鎌作 原作：唯川恵
後半が編集部の話になるならやっぱり前半も編集部内のことをちゃんと描いた上で奈央がのし上がっていく話にして欲しかったなあーとは一応言っとく。
最終回もちゃんと面白かった。前半がグダグダだったわりに上手く畳んだよなー。
そんで最後の最後にこれが「ヴァニティ」を追っかけたドキュメンタリー番組だったというオチが付いたんだけど、それ必要だったのかな？ハマれば面白かったんだろうけど、その仕掛けが全然効果的じゃなかったってとこがちょっと残念。えーとたぶんドキュメンタリー番組の部分（編集部）と、このドラマそのものの部分（奈央の話）をまったく切り分けなかったのがその原因だと思うけど。インタビューと日付入れてってもドラマはドキュメンタリーにはならないよ。
まあそれ以前にじゃあヴァニティの密着って言うなら小池とかもっと前半から出してても良かったと思うし、そもそも小池は編集部員だけど江里や江里と張り合ってた眼鏡さんはファッションライター。その違いが一般視聴者にどれくらい伝わるのかどうかってとこからして、あえて分けてるとこにこだわりは感じるけどわかりにくいだけなんだけどさ。まあそこはいいや。
しかし奈央がいきなりヴァニティのことを語りだしたところで、オレも小池ちゃんと同じくミヤジってこんなキャラだっけ？って思ったんだけど、本当にお前がヴァニティを語るなって話だよなｗ あそこに居る編集部員たち（ライターでなく）がみんな無能みたいじゃんよｗ
その上で奈央が、ネットニュースや部数や売上に拘って売れる雑誌を作ろうとするあまりに右往左往して振り回されるの辞めませんかって、確かにまったくその通りなんだけど、今このドラマの現状を考えると大変に意味深というか別の意味にも思えてくるというか。
「誰が誰に聞いて書いたのかもわかんない、大勢の人に読んでもらうために大げさに書いたかもしれないようなネットニュースを出るたびにいちいち右往左往するなんてどうなんでしょう」
「数字とかネットとかそんな本当の正体も分からないようなものに振り回されるのやめにしませんか」
「バニティには読者の方に伝えたいメッセージってのがあって、売上を増やすってことはそのメッセージをより多くの方に伝えたいってことだと思うし、そのためにはじゃあどうすればいいのかって言う話であって、売上を伸ばしたいからメッセージそのものを変えてしまうっていうのは筋が違うと思う」
ほらこれ、雑誌づくりの現場の話をドラマ作りの話に置き換えてもまんま通じるんじゃね？ｗ
大変だからラクな方に逃げるのは違うとか、みんなの夢とか希望とか、違うからこそ意味があるとか、つまりドラマ作りはもっと自由でいいはずだって話かな？今の自主規制にがんじがらめで、横並びの企画批判？ｗ
いや本当に今の日本のドラマ界の現状は酷いと思うよ。そりゃ洋ドラと比べたくもなるよなあ（そもそも洋ドラの殆どは有料チャンネルでお金かけられる上に英語圏に売ること考えてるので日本の地上波ドラマとまったく立ち位置が違うから比べるほうが無茶なんだけどさ←ここ最近ネット上でそういう話が流れてくるたびに微妙な気持ちになるネタ）
まあ真木よう子主演で数字が取れるってことはないと思うし、今人気の若手男優が出るわけでもない（編集部に若い男の子がいるとは）、わりと手堅いキャスティングだと思うから余計に。オレはこのキャスティングにまったく文句ないし良心的かつハマってるいいキャスティングだと思うけどさ。
それはさておき、奈央はファッション誌に縁がなくそういうことを外から見てた人だから、南城さんに元々のヴァニティの志や使命みたいなことを聞いたことで本質を掴んでモデルとして目覚めたってことだろうけど、それも彼女がまっすぐで筋を通す、そういう本質はわかってる人だからってのはあるので、ミヤジごときが何言ってんのってのは置いとくとしても言ってることはとても良くわかる。
というか、そんなすごいみんなの憧れの雑誌なのになんでぽっと出のミヤジが雑誌代表みたいな感じになってるのか謎ｗ
駆け出し専属モデルになったばかりのミヤジがヴァニティに残ったからと言って何が出来るんだと。なんでミヤジがバニティ代表みたいなこと言ってんのか。なんで舞子が奈央のいう事聞いちゃうのか。
実質編集長の舞子のやってることが明らかに間違ってたってのはその通りだとしても、他にもメジャーなモデルいると思うんだけど。レイナが抜けたからっていきなりミヤジってことはないと思うぞ？どんだけ人いないんだｗ
そもそも雑誌の路線変更するのに市場調査もしないで元モデルにおまかせって事自体ギャンブルすぎるよ。編集長は責任取れよｗ
舞子が、家が貧乏で母親がオシャレじゃなかったことを嘆いて当時ヴァニティがあれば…とか言ってるけど、奈央がヴァニティなんか読んでなかったように貧乏家庭の舞子の母親もファッション誌なんか読まないと思うよ？もしかしたらオシャレをしてない（ように見えてた）お母さんには何か彼女なりのポリシーがあったのに、舞子が子供だからわかんなかっただけかもしれないし。
てかもし舞子の目標がヴァニティを読んでない層にも興味を持ってもらいたい、オシャレに目覚めて欲しいってことならハイクラス路線も憧れ路線も間違ってると思うけど。
それ以前に二ヶ月位で雑誌の方針変更に決断を下すあの会社のトップは本当に無能ですね。まああんなしょーもない男性上位主義のオッサンたち（先週のあれ）がやってるんだからさもありなんだけど。
まあどう考えてもグダグダで迷走中のヴァニティを立て直すのは難しそうだし、むしろ元バニティの副編とカバーモデルのハマユカコンビが作る資金と志のあるライフスタイル雑誌のほうが売れそうだしバリューもありそう。実に正しく最近の流れを掴んでるよなｗ そんなセレブ層狙いでもなさそうだし。
そういうとこモヤモヤっとはするけど、まあ話の流れとしてはちゃんと収まってたし、みんな自分らしく、自分らしいまま幸せになっててよかった。
しかし女性はみんな目標に向かって走り続けてるってのに男性陣ときたら…ｗ
山上さんの行き着くところは結婚で、南城さんは定年脱サラリーマンのあるあるなカレー屋マスターって。（トモさんはゲイだからいいのだ）
そしてモデルとしてのミヤジの行き着く先が海外のコレクションモデルって、おかしくね？ｗ
何をどうしてもあんな小さい人がモデルになんかなれるわけねーだろ、そんなのは身長が170超えてからの話かと。まあファンタジーだからいいんだけど。（原作とも全然違うだろうし）それともこれ自体がヴァニティ絡みのイベントランウェイなんだろか。嫌だったら舞子様とかくるよなあ。すべてが謎すぎる。
あと徳井のトモさんは演技が上手いわけじゃないんだけれど、徳井を見てこの人に当たりが柔らかいゲイをやらせたい…というすごい意志の強さを感じるキャスティングだと思ったｗ（ハマっててよかったよｗ）
何はともあれ、これ悪いドラマじゃなかったし後半はちゃんと面白かったんで、数字が取れないことをやたらネットに取り上げたり主演のせいにするのはどうかと思うよ。そんなの役者の責任なはずないじゃんよ。
でもって企画内容はともかく連ドラってある程度ストーリーが面白ければちゃんとみんな見てくれると思うけどなあ。このドラマが数字的にコケたのは企画内容でも志でもなくストーリーや構成の仕事を舐めてるからだと思うよ。このドラマに限らないけど。
