そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

劇場版 マジンガーZ INFINITY

http://www.mazinger-z.jp/
監督:志水淳児 脚本:小沢高広(うめ) 原作:永井豪

 

永井豪が1972年に「週刊少年ジャンプ」で連載した漫画を原作に、巨大ロボットにパイロットが乗り込んで戦うという搭乗型巨大ロボットの元祖となったアニメ「マジンガーZ」を、30年以上の時を経て劇場アニメ化。72〜74年に放送されたテレビアニメから10年後の世界を舞台に、主人公・兜甲児とマジンガーZの新たな戦いを描く。
かつてスーパーロボットマジンガーZを操り、悪の科学者Dr.ヘル率いる地下帝国の野望から人類を救った兜甲児は、あれから10年がたち、いまは祖父や父のように科学者の道を歩み始めていた。そんな折、富士山の地中深くに謎の巨大構造物と生命反応が確認され、時を同じくして機械獣やDr.ヘルが再び姿を現す。
声優は、兜甲児役に森久保祥太郎、弓さやか役に茅野愛衣、劇場版オリジナルキャラクターのリサ役に上坂すみれ。また、テレビアニメ版で兜甲児と弓さやかを演じた石丸博也松島みのりも出演。主題歌もテレビアニメ版の水木一郎が再登板した。(「映画.com」より)

 
マジンガーZ infinityしゅごい…しゅごいよ、このアニメは神か…!!
劇場で内容も概要もまったくわからないけどなんかただ事じゃなさが伝わる謎めいたティーザー予告を見て、なぜ今!?と思ってたんだけど、マジですごかった。
神作画&神演出・絵コンテ&ノーストレス脚本、映像も超ハイクオリティ。3DCGと2Dアニメがシームレスで繋がってて見せ方カッコ良すぎる!スンバラシイ!東映の本気凄すぎ。
以下面倒くさいからネタバレで書くけど、この凄さは見ないとわからない!見ようよみんな!*1
ただ本当にわからないのは、本編からの正統派後日談なのにテイスト的にはなぜか漫画の「真マジンガー ZERO」寄りなんだ。今川監督の「真マジンガー 衝撃! Z編」よりも漫画の真マジンガーZEROなんだ。(真マジンガーZEROは元々衝撃!Z編のコミカライズだったはず)なんでそうなるのかまったくわからないのは確か(苦笑)本当になぜそのテイスト(並行宇宙絡み)なんだ?
 
設定的には本編の10年後。奇跡的な復興を遂げた人類と光子力研究所の人々の正統派の後日談…らしい。(だからそれがなぜ並行宇宙ありきの設定なのか)
マジンガーシリーズは特に網羅してないから細かいことはわかんないけど、テーマ的には今の気分も入りつつ現実並みにリアリティのある世界観と設定を乗せてきて、そこにロボットものアニメなスーパーテクノロジーと愛が破綻なくまとまっててテーマ的な言いたいこともよくわかるので凄まじく出来はいいと思う。
スーパーロボットもののファンタジー性は保ちつつ、現実的リアルさの辻褄と整合性に説得力を保たせてきてる雰囲気はパシリムとかGODZILLAキングコング(髑髏島)とかのハリウッド製SF洋画大作レベルでのリアリティを狙ってんだと思うけど、全体の作り込みはそれらを軽く越えてきた感あって、正直まさかあのマジンガーZにここまでリアリティをもたせられるとは思ってなんかったんで素直にビックリしたよ。そこら辺の作り込みの本気度が尋常じゃないと思う。アニメなのに実写SF並みの説得力。
全体のバランスとしてもとても良くできていた。つか最後、あまりに出来が良すぎてマジちょっと涙出た。ありがとう東映、ありがとうマジンガー。素晴らしいアニメーションを見せてくれて!
作画としては、
・初っ端の超絶作画のグレートマジンガー対機械獣軍団という見せ場から、まったく作画が乱れることなくキャラもメカも最後まで同じテンションでハイクオリティ。戦闘シーンマジすごい。
・基本のキャラデザインは変わってないまま今風に線増やしてるけど、やりすぎてないギリギリのリアルさ。
・海外展開も狙ってるせいか口パクのリップシンクロの制度がやたら高い。
・とにかくアクションでもそうでなくても、ワンシーンも手を抜くことなく動きまくる作画。カワイめ作画であれっと思ったのは甲児くんがマジンガールズに鼻の下を伸ばしてたとこだけw
・背景設定のリアルさ。浅間神社のシーンでヘリが落ちてたり遠くの富士山にインフィニティが霞んで見えてたり、見せ方を心得ててカッコイイ。
・機械獸のカラフルさがうるさく見えないセンスいい色彩設計。カラフルなのに画面が落ち着いたトーンでまとまってて見やすい。
絵コンテ・演出は
・ハリウッド洋画並みの画面構成と演出。ちょっとパシリムとかっぽい実写感。
・意外とロボットものアニメではやらない特撮っぽい巨大感演出構図。
・アクションシーンがとにかくよく動く。板野サーカスばりのミサイルアクションも見どころ。
・戦闘シーンのアクションのアイデアが凄い。最後のあしゅら男爵ロボ&ブロッケンロボとの戦いの縦横無尽さが、アクション作画がすごいというより兜甲児のマシン操縦技術の凄さに見える、すなわちさすが〈伝説のパイロット〉だと感じるような見せ方はとてもセンスがいいしカッコイイ。ジェットスクランダーが付いたり離れたりするとこ、めまぐるしいけどギリギリ目が追いつくスピード感なのもよくわかってる!
まだまだ凄いところいっぱいあるんだけど、ネタバレしすぎないようにやめとく。とにかく凄い!熱い!最高!
あと話はシリアスなのにとてもバランスよくギャグも全力投入w それがちゃんと笑えるのが上手い。2020年も近いというのに今どきボスボロットのギャグシーンで笑えるとは!w
科学技術やIT関係はネットワーク技術とスーパー物理学てんこ盛りなのに、最後はアナログなタイプライター出力なのぐっとくる。そんで最終的に世界中のみんなの力をひとつに合わせる元気玉展開、その描写が完全に魔法少女ものなとこがさすが東映と思った。綾波かと思わせといて魔法少女

ただストーリーはマジンガーというだけの懐かし気分で観に来た人を地獄に突き落とすというか、ぶっちゃけコミックの「真マジンガーZERO」が副読本として必須。企画としてはたぶん別物だと思うのになんで同じ傾向のストーリーなのか。それが魔神の望みなのか。
てこなとで真マジンガーZEROが大丈夫な人じゃないとオススメ出来ないのは確か。だってこれ真マジンガーZEROの平行世界のひとつじゃないの?リサって実質ミネルバだよね?(オレちゃん、一度手放した「真マジンガーZERO」と「vs暗黒大将軍」をまた手に入れましたよ…)
あとストーリー的に凄いのは「世界を支配する」とはどういうことなのか、ちゃんと真面目に考えたってとこ。しかもその上でDr.ヘルのそれが単なる興味でしかなく、だからこの世界が存続に値しなければ滅ぼしてもいいと思ってる、それに対して兜甲児が「この世界を肯定する」のはこの世界で伝説になってる兜甲児だからこそ言える凄まじさかと。
その他にはなんかエヴァチックなものも見せられたけど(今どきの戦闘ルームのモニター描写は言うに及ばずw)、それも含めて最後にさやかさんが言ってた「次はうまくやります」はむしろ真マジンガーZEROだなあとw
最初の方は特に説明的なセリフが多いけど、ちょっとしたセリフにキャラ描写を入れ込んできたり全体にはわかりやすくて親切だったと思うし。
あとは劇中的にあれからの10年でボスたちがちゃんとした大人になってて胸熱。ジュンは出産間近だし、出番少ないけど鉄也は下町生活好きなマッチョ兄さんだし、三博士が一人減ってたのは悲しかった。(と思ったらTVシリーズの時からお亡くなってたらしい)←ほかのメディアミックスものではいた気がしたのでよくわからなくなってるw
剣鉄也がイマイチ活躍しないのはまあ仕方がないか。シローも大人になってて見違えたw
さやかさんがちょっとキャラ的にきつめなのは最初は違和感あったけど、まあいろいろ背負いすぎてるからかなあと思うとまあそれはそれで。むしろその原因の兜甲児のボンクラさよw いやでも甲児くんもちゃんとアレで大人になったのかと思うとそれはそれで胸熱w
あ、でもオレは兜甲児の声は森久保祥太郎ではないと思うんだよなあ。ちょい高めすぎるというか、最後まで違和感あった。なんで森久保さんにした?
ちなみにさやかさんは光子力研究所の所長だよ!優秀さに男女の区別はない!
それと微妙に些細なネタバレですが、いいたいので言う。ジュン絡みで細かいなーと思ったのは、彼女が収監されたときの看守二人がちゃんと女性だったのと、出産間近の妊婦はお腹が邪魔でフットペダルが踏めないからロボットの操縦ができないというとこでした。やはり脚本に子育て経験ある女性がいるせいか、さやかさんのポジションといいジュンといい、わりとフェミ的な意味でも目配せ利いてるよね。
そういやパソコンはVAIO、車は日産。やたら車がカッコよくてビカビカしてた。日産のショールームは破壊されないしw
マジンガールズはもちろんハニーがいるよ!(てっきり全員ハニーの変身バリエーションかと思ってた)
つまり映画マジンガー、いろいろ出来が良いから見てって話。
 
いいけどパンフレットが売り切れててなんてこっただよ!次回入荷あるのかー?頼むよ東映さん!>増刷かかったらしい ヽ(´∀`)ノ
新宿バルト9の巨大マジンガー
 

*1:ただ映画サイトのユーザーレビューがいまいち評価すぎて、意味不明。ここの映画すごくない?というかレビュー見てるとなんか東映まんがまつり気分で見に来たおっさんオールドファンたちがよくわからないとか話は二の次っていのもわかるにはわかるんだけど…