そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

OVER DRIVE

http://overdrive-movie.jp/
監督:羽住英一郎 脚本:桑村さや香

東出昌大新田真剣佑が公道自動車レース「ラリー」に生きる兄弟を演じるヒューマンエンタテインメント。
真面目で確かな腕を持つメカニックの兄・檜山篤洋と、世界ラリー選手権へのステップアップを目指す天才ドライバーの弟・檜山直純。篤洋の助言を無視して、無謀で勝気なレースを展開する直純はラウンドごとに篤洋と衝突を繰り返し、いつしかチームにも険悪なムードが漂い始めていた。ある日、直純の新しいマネジメント担当として、ラリーの知識がまったくない場違いな遠藤ひかるがやってくる。そんな彼女を待ち受けていたのは、檜山兄弟の確執に秘められた過去、そしてチーム全員を巻き込む試練だった。
東出が兄の篤洋、新田が弟の直純、森川葵がひかるをそれぞれ演じる。監督は「海猿」「暗殺教室」など数々のヒット作を手がけた羽住英一郎。(「映画.com」より)

 
東出くんと真剣佑が兄弟で羽住監督なら観ざるを得ないでしょう。
とはいえ、今現在ラリーがはやってるわけでもなく原作があるわけでもないまったくのオリジナルで、なぜこの映画を作ろうと思ったのか…謎すぎる。
でもまあレースシーンは迫力あって格好良かったし、とても楽しめた。ギリギリのドライビング映像はむしろ体感的で迫力ありすぎて怖いくらい。
羽住監督はモータースポーツファンらしいけど、その点ではすごく臨場感あふれるレース映像にこだわってて素晴らしいです。どの程度CG使ってるかわからないけど、ラリーカーが飛んだり猛スピードでダートコースを滑るように走って行くのは爽快というより恐ろしいくらい。
東出昌大と新田真剣は檜山篤洋・直純という兄弟の間の微妙な確執と絆をきちんと演じてて、目標は同じなのにお互いのすれ違いかがもどかしく、その二人が段々と同じ方向を見て最後で昔の信頼感を取り戻すところはそれまでが長かっただけに思わず涙したよ。
ただお話としては、最終的には面白かったからいいんだけどどうにも脚本がダメダメすぎると思うんだ。
以下ネタバレはそんなにないけど結構辛口です。
 
 
ぶっちゃけ展開として雨の嬬恋はもう15分早くするべきだし、北九州はせめてもう10分長く描いてほしいし、最後のレースはあと5分足してちゃんと見せて欲しかった。うっかりいつの間にゴールした?ってなったもん。なんで嘘でもいいからゴール前のジリジリとしたカウントダウン的な盛り上がりなかったの?ライバルどうしたの?レース自体を描いてよ!
ストーリーは設定というより人物配置としては割とありがちな幼馴染の彼女を軸にした兄弟の確執で、そこにヒロインらしきキャラが絡んで、しかもそいつがラリーはド素人だから観客目線でラリーを紹介していく…というとてもオーソドックスな流れでいいはずなのに、ヒロインポジションのキャラがうざいのでラリーの魅力まったく伝わりませんよ?
というかラリー自体の面白さは殆ど描かれなかったような気がするし。檜山兄弟にしても、延々と描いてる割に前半は二人の何が問題なのかよくわからなかったし。
そしてそこに絡むヒロインポジションだろうはずの森川葵の遠藤ひかるは、特になにもないというかその二人の物語に対しては完全に添え物。恋愛が入らないから(これで入ったらそれも興ざめだけど)何のためにいたのかという。まあ町田啓太と同調するキャラだからそれはそれでいてもいいけど、別にラリーというものがわかりやすくなったわけでもないし。眼の前の仕事にはちゃんと向き合おうぜ!って言うだけのキャラかよ。
というか、森川葵が上手いだけにあのキャラすごいむかつくわー。
初っぱなからラリーコースにヒール靴でくるような使えねー女はラリーのルールすら知らずにピットに入って来て騒ぐし、だいたい広報担当?のスタンダードな仕事が何なのかを説明してないからただの邪魔くさい派遣社員レベル。それだけでもやる気が空回りしてる仕事できないキャラなのはわかるから前の仕事を取り上げられた話もいらんし、上司(要潤)はその後出てこないから単にめんどくさいところに飛ばされたお荷物女でしかないので、現状に腐っててもそりゃそうだろうよとしか。
どういうキャラ狙ったのかはわかるんだけど、正直彼女の話いらんよマジで。とにかくそこ。
その分削って幼なじみの話入れてくれた方が良かったし、メカニックチームをもうちょっと描写してくれても。
それでもやっぱりスタンダードなベタ展開ですらないから脚本自体がわかってなくて下手なのかなあ。できればせっかくなのでラリーをもう少し面白く紹介してください、本当に。なぜもう少しベテランの結果を出してる脚本家に頼まなかったのかと。正直オレは雨の嬬恋までは退屈で死にそうでした。映画の前半がつまんなすぎだよ。
たださすが羽住監督、嬬恋からの北九州ラウンドは盛り上がった。弟が自分を見つめ直し兄ちゃんがチャレンジ、そして水没からの復活。(弟のあのセリフに泣けた)最後は兄弟の絆復活できっちり盛り上げてくれたんだけど、そこから最後のレースをもっとじっくり見せてくれれば…レースシーン短すぎだよ。なんでライバルとの駆け引きないのさ。そこがクライマックスのメインじゃないの?兄弟の確執が解けたー良かったーで終わらせないでほしいな。
まあとにかく、後半に限ればつまんなくなかったけど、全体としてはどうだろうというちょっと残念というかもったいない感じが…
レースシーンは十分以上に入ってる。でもなんとなくぼんやりした映画だった気がするなあ。檜山兄弟は最後の締めまで良かったけど。

あとまっけんの体は凄すぎです。あいつは何を目指してるんだ?w
そういえば劇中、北陸ラウンドの合掌造りの世界遺産のある集落を走るやつ、ラリーカーが世界遺産に突っ込んだらどうすんの、やめてー!と思ってハラハラした。このコース、マジでありなのか?
※パンフより