そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ブリグズビー・ベア

http://www.brigsbybear.jp/
監督:デイブ・マッカリー 脚本:ケビン・コステロ、カイル・ムーニー 原作:

赤ん坊の頃に誘拐され、偽の両親のもとで彼らが制作した教育番組「ブリグズビー・ベア」だけを見て育った25歳の青年が、初めて外界に出たことから巻き起こる騒動を描いたコメディドラマ。
外の世界から隔絶された小さなシェルターで、両親と3人だけで暮らす25歳のジェームス。子どもの頃から毎週届く教育ビデオ「ブリグズビー・ベア」を見て育った彼は、現在はその世界の研究に没頭する日々を送っていた。そんなある日、シェルターに警察がやって来て、両親は逮捕されてしまう。これまでジェームスが両親だと思っていた男女は、実は誘拐犯だったのだ。ジェームスは生まれて初めて外の世界に連れ出され、“本当の家族”と一緒に暮らすことになるが……。
スタッフ・キャストにはテレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」のチームが集結。ジェームスの育ての父親テッドを「スター・ウォーズ」シリーズのマーク・ハミル、カウンセラーのエミリーを「ロミオ&ジュリエット」のクレア・デーンズがそれぞれ演じる。(「映画.com」より)

 
誘拐被害者の青年が立ち直っていく話かと思いきや、自分の見たいものは自分で作るしかないという同人み溢れた映画でした。
こういう映画は出来れば前情報なしで観たかったけど、前提条件まるっとネタバレの予告編観てなきゃたぶん観てない映画だからなんとも難しいな。予告編とか前情報分のネタバレは勘弁して欲しい。
それでなきゃ「10 クローバーフィールド・レーン」の冒頭みたいな緊迫感を楽しめたのにー
何とも不思議な感じのお話で、ご都合というかほぼファンタジーなんだけどその情熱は本物!みたいな良い映画だった。25歳の主人公は自分が誘拐されてたという事実よりもクマの教育番組の方が重要だったのだ。ブリグズリー大好きすぎる。途中から泣けて仕方がなかったぞ。

ちらっとネットの感想を見てみたらみんなが温かく主人公のジェームスを見守る優しい世界で〜って評価なんだけど、オレが思うにそういうことではないと思うんだけどな。みんな確かに主人公に親切にしてくれるいい人たちだけど、その前にあの番組見てるよね。あれが面白かったからみんな主人公に協力してくれたんではないかしら。
でなきゃ普通に考えても、主人公のジェームスはちょっとおかしいと思うよ。おかしいというか一つのことしか見えない集中タイプだし、そういう意味ですごくオタク気質だし。リア充の人たちからしたら監禁被害者って以上に気質自体がとっつきにくいと思うなあ。
もちろん最初は誘拐された子供で気の毒な人だ…っていうのがあるからみんな親切にしてくれてるんだと思うけど、そうはいっても25歳だし大人じゃん。
ただある意味子供のままで隔離されて育ったピュアさがあるから、その情熱が周りを巻き込んでるんだとは思うけど。
あとほぼスルーされてたけど、あの誘拐した偽親たちってジェームスを数学の英才教育してたんじゃ?お母さんが言ってたのって数学の定理の何かだよね。
そういう部分で彼が周囲の人達とちゃんと打ち解けてコミュニケーションとって何かをなすことができた成功話なことがファンタジーだと思うし、逆にこの作品のご都合が理解できない人は映画作品をリアルに考えすぎてて別の意味でまずいと思うんだよな。(そういう感想も見かけた)

この映画で好きなとこは、ジェームスが偽パパのマーク・ハミルに聞きたいことが〜って会いに行くとこと(絶対聞きたいのはそっちだと思ったw)、刑事さんの自分ダメ出しリテイク、みんなで撮影ピクニック(楽しそう!)と、最後にジェームスが作品の評価を気にして劇場ロビーで待ってるとこ。あのシーンはオレも胃が痛くなったよ。
とにかくオタクに都合のいい設定なファンタジーには違いないんだけど、時々そいうリアルな感情やシチュエーションがあって、そりゃありえんとかおかしいだろと突っ込む前にジェームスが傷つかなきゃいいな…とか、心配したり喜んだりしてしまうところが素晴らしかった。
ファンタジーなのにリアリティに溢れてるよ。あとオレは何でか「ギャラクシー・クエスト」を思い出してしまった。リアリティとファンタジーのバランスと自分好みの度合いの問題だろか。
ともかくなんだかいい映画でした。オススメ。
 
劇場にあった立て看と紹介記事。
 
あと劇中でジェームスが着てたTシャツプレゼントのディスプレイがあったんだけど、なんで写真撮ってないんだオレ…