そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

dele#2

http://dele.life
監督:常廣丈太 脚本:渡辺雄介 原案:本多孝好
 
今回の話はまた何とも言えない話だった。
死んだら削除の契約をしてた依頼者が、なぜか死の間際にその依頼を取り消すような書付を残していた事で祐太郎が引っかかるとこから、依頼者の人生を解き明かしていく話。今回は渡辺雄介が脚本だったけどいつもより全然良かったですw
前回もだけどわりと先が読めるし毎回のテーマはわかりやすいから最後の展開は大体予想がついたし、まあその通りだったけど 、その描き方というのは何とも深みがあってとても良かった。

親と折り合いが悪くて音楽を棄てた詩織さんが、家を出て信頼できる仲間を見つけてたことの意味。生前葬をしたのは体が弱かったからだとは思うけど、その映像の入ったスマホのデータ消去を突然死の間際に取り消した。その謎を解くという形で依頼者の人となりを紐解いていく…というのは初回と同じだけど、その真偽は本当のところ何だったのか。
「残されたデータを開けてもらいたいと思った」詩織さんが、当然それを見るだろうと予想してた両親があの生前葬と仲間たちと楽しそうにバンドをやってたことを知ったらどう思うか。(おそらく生きている限りは認めてくれない)
たぶん圭司が想像するようにdeleに依頼した時は親を恨んでいて、あの生前葬の幸せな自分を両親に見せつけて苦しめてやりたいということだったかもしれないけど、オレは死の間際にそれでも生きてる時に言えなかった気持ち、こんな最高の仲間と出会わせてくれた両親に感謝という気持ちだったのかもしれないなと思ったんだよね。
ただ今の詩織さんが幸せだということは両親からしたら後悔と苦痛にしかならないわけで、何も言わずに誰も知り合いなど来ないお葬式、娘の真意も現状も知らないままだった方が親としてはまだマシだったと思う。それでも最終的には彼らも娘が幸せに死んで行けたことを良かったと思える時はくるんじゃないかと思うんだけど。
まあ本当のところはわからないけど、もしこれを知った時の苦しみが彼らの罰というならそこは乗り越えるべきかなと思うし、知らないよりは知った方がみんな幸せになれると思うんだよね。圭司も前回ラストでそういう問いかけしてたし。

まあ本当のところは今となってはわからないにしても、無邪気に今の自分が幸せだったことを両親に知らせたいと思っていたんだろうという祐太郎と、両親に対する恨みじゃないかな と想像する圭司。
でも圭司の前ではポジティブなことを言った祐太郎が本当にそう思っているのかどうかはまた別かも、と思わせる祐太郎のあの最後の表情。
ビジネスライクにデータを消去しながらも本当は人間に興味がある圭司と(今回はたまたまリスペクトせざるを得ない相手だったにしても)、裕太郎ほど人間関係の機微を繊細に感じられるならそんな単純なことじゃないのはわかってるだろうに、誰かが傷ついても真実がわかるほうが良いというその残酷さは彼の過去に秘密があるのか。
見た目として 明るくポジティブな悠太郎とシニカルでクールな圭司という組み合わせだけど、実のところやっぱり祐太朗の方が抱えている闇は深そうな気はする。

そういやあのガールズバーのとこ見返したんだけど、あのやけによそよそしくおかしな違和感に満ち溢れてたあのシーンって、真相を知ってから見ると詩織さんのことをよく知らないから葬式に行かなかったんではなく、親と折り合いが悪いのを知ってて生前葬をしたことを知ってたから(そして彼女らは詩織さんがいつ死んでもおかしくないことも知ってた)、悲しいはずなのにそれを表に出さないためのよそよそしさだったんだなと。
そりゃ空気に敏感な祐太郎からしたら何もかも奇妙としかいいようないよな。
圭司がいう「どこにでも良くある話で、どこにでもある親子の話」なんだけど、これは宮内詩織というひとりの孤独な女性が居場所と仲間を見つける特別な話であって、でも他人からしてみればよくある話でしかないからこそ突然死んでしまった詩織さんの哀しみが沁みるよ。
そして今週のツボシーン。
「これ…ファンクラブ限定ジャケット…」「はい。ファンです」
祐太郎が見せられたThe Mintsのジャケ写と圭司が出してきたジャケットのデザインが違うなあと思ってたら、まさかのファンクラブ限定ww
確かに正体不明のガールズバンドなので半分だけ顔が分かる仕様のはファンクラブ会員だけ…という細かさ(笑)音楽はなんか70年代のラウンジミュージックみたいでガールズバンドっぽくないけど確かに悪くはないな。
あと突然オタク的に彼女らのサウンドのことを語り出す圭司wwむしろ衝撃で立ち上がれよ。そして思いもかけずに聖地に足を踏み入れてしまい、クールに動揺する様子がそのまんま山田様(笑)
「Mintsの人だぞ。リスペクトせざるを得ない」悲しいはずなのに爆笑ww
祐太郎は、本人確認をするときに免許証の写真と本人を一緒に撮ったり、詩織さんたちのバンドのCDをさりげなく写真撮ったり、やはり気が利いてるなあ。あんな子使いっぱに欲しい。