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ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

月岡芳年 血と妖艶(前期)

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http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/blood-and-the-bewitching
場所:太田記念美術館
会期:2020年8月1日(土)~10月4日(日)
  ・前期 8月1日(土)~8月30日(日)
  ・後期 9月4日(金)~10月4日(日)
 
最近立て続けの浮世絵展示観賞。
しかしいろいろ見にいってるわりにどうしても浮世絵師の絵と名前がなかなか一致しなくて時々取り違えるオレです。
これ見て改めて確認。


太田記念美術館の今回の月岡芳年展示は主に美人画と血みどろ無残絵の二本立て。ここはいつも小粒だけどピリリと効いてるね。できれば後期も見に行く!
有名な浮世絵=江戸時代という大雑把過ぎる認識で月岡芳年も江戸時代の人だと思ってたけど、どちらかというと活躍したのは明治だったのね。そう思って見てみるとタッチに若干洋画的なリアルさがあるような気がしたり、浮世絵版画の技術的な意味での細かさとか考えるとなるほど明治って納得かも。
しかし20代半ばくらいであんな絵描けるかと思うと気が遠くなるわ。
絵として描写が細かいのは作家の資質もあるんだろうけど、彫り師や刷り師の技術向上もあるんだろか。花魁の髪の毛とかあり得ん細さ!一体なぜそこまでする必要が?(それでいったら文字摺とかもそうだけど)
あと細かい網の目とか着物の柄の重ね刷りとか気が遠くなるわー。太田記念美術館さんのツイッターで蚊帳の網の目の解説してたけど、縦糸と横糸が別版にしてもそれを擦る細かさよ。あと細い線の彫りが凸じゃなく凹になってる?インクを線に入れて擦る凹版か。浮世絵版画の全部凸版だと思ってたよ。
 
美人画が多かったせいか着物の柄などに空摺技法(つまりエンボス加工)も多く見られて目の保養。これ考えた人すごいよねえ。写真で見ると真っ白だけど肉眼で生の原画を見ると柄が入ってるってオシャレ〜
そんな美人画を見た後で地下の展示室では血塗れ残酷絵。血の色と描写がめちゃリアルですよ。怖いー
なんだかんだでガッツリ見応えありました。

コロナのおかげか美術館はどこもそこそこ空いててありがたいやら申し訳ないやら。みんな見に行こう!
あとこの人全体に構図が素晴らしく決まっててカッコいいわー。本当になぜこんな素晴らしいものを江戸の人たちはうどんよりちょっと高いくらいの値段で売り買いして、あまつさえ包装紙がわりにしていたのか。そんな逸話はよく聞くけど、当時だって上手いものは上手かったはずだろよ???なぜ芸術的価値がないと思ってた?それともオレたち現代人が知らない理由があったのか。