そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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ウルトラマンマックス#15「第三番惑星の奇跡」

『攻撃には攻撃、音楽には音楽か。世界は美しい』


三池崇史監督作。最初から画面の色とか構成とか違いますね、この辺はさすがにベテラン監督。鶏マトリクスとかゼブラーマンでオレを憤死させた監督とは思えない感動の一作でした。三池なのに最後ちょっと泣きそうに。

それはいいとしても、いろいろ気になることも。もとより30分番組なのであんまり細かいことは言いませんが、気になったとこだけは。
最初あの宇宙から飛来した巨大オニフスベもどきを、ちゃんと調べもにないうちに手早く焼き払えって、隊長…。怪獣が出現しすぎてマヒしてるのか?正体不明なものに対してそれはないだろ。何つー乱暴な…と思いましたよ。DASHというかUDFって組織としてどうなのよ。あ、しかもそう言うのはヨシナガ教授の担当でしょ、今回顔出さないのはちょっとおかしいよね。DASHのチーム自体に分析能力はないはずだし。(シフトがおかしいのはもう今に始まったことじゃないけど…組合とかないのかな(笑))
それとマックス=カイトは、攻撃をすればするほどそれに準じて強くなっていくことが判ってるのに、武器で攻撃するのはどうかと…必殺技ならいけると思ったのかな。でもそれ以降はマックスが歯がたたないってことを見せるための演出ですね。負けて仕方なく撤退、の悔しさは判るんだけど、あんまり伝わらないなあと思ってたら、見返して気がついたのは今回の話ってモブの人が全くいないんだよね。そういうのってモブの群集にマックスでも歯が立たないのか!って言わせないとダメだと思う。街があれだけ破壊されてるんだし。金子監督は結構モブ連れてくるんだけどなあ。ただ、それをやると今回みたいに幻想的な一枚の絵という風情は無くなってしまうんで、兼合いが難しいところか。


開けてはいけないパンドラの箱って、隊長、今回余りに他人事過ぎ。「太陽系第3惑星…滅びるにはまだ惜しい者たちの住む星だ…」って、アンタ何者だ?外宇宙から来た宇宙人ですか?もしかして隊長がゼノン?
途中がどうであれ(いやかなりベタで強引だと思うけど)最後に怪獣が楽器になってくところは素直に美しいと思いました。音楽と映像だけで見せてて、多分に音楽の力もあるんだけど(ショパンの別れの曲ですね、最近よく使われてるけど…鋼とか)理屈抜きでこういうベタな展開はいいです。

あとは途中ずーーっとマーズアタック…とそればかり考えてました。まあある意味音楽最強ってことなんですが(ちょっと違う)


今回の話の持っていき方はウルトラマンとしてはこれでいいと思うし、そこに関してはあえて文句はないんだけど、ちょっと根本的なことを。あの怪獣(イフ)の目的はいつも通り判らないんですが、身を守るために攻撃には攻撃をであんなことになっちゃったのか、それとも目に付いたものを単にコピーするだけだったのか(少女の吹くピッコロの音に身の危険を感じたってワケじゃないだろうし…)、どうもDASHというか地球人はケンカっ早いというか、まず攻撃ありきでの話作りなのはちょっとばかり戴けないなあ。それをやるには尺が足りないってのは判ってんですが。
それも含めて、強さのインフレで敵が最終兵器化しちゃうのはネタとしてはありがちだし悲劇的に終わることの方が多いと思うけど、こういうふうに感動オチで持ってっちゃうとテーマのポイントがぼけちゃうなあ、と思いました。いろいろ誤魔化された感じ。


見てて思い出したのが、カートゥーンでやってたJL(ジャスティスリーグ)の2ndシーズン#29、30「コピー」のエピソード。
ご存じない方の方が多いと思いますが、JLというアメコミのDCヒーローで構成されたヒーローチームの活躍のお話なんですが、子供向けというより基本的に2話で一エピソードということもあり、描かれるストーリーは非常にシリアスだったりシビアで大人向けの内容なのです(2nd以降特にその傾向が強くなった)
「コピー」という話は、宿敵レックス・ルーサーが手に入れた相手の能力をコピーすることが出来る人造人間が、次々とヒーロー達のスーパーパワーを手に入れて、無敵というより神に近い存在になっていくという話。どうやって撃退したかについてはここでは関係ないので割愛するにしても(一応彼らならではの能力を使ったものだったのですが…このあたり向こうのものは卒がない)、結局倒すことは出来ず、宇宙の彼方に去っていくコピー人間を見送りながら暗鬱に終わるっつーモンなのですね。この手の話だとそれがあるべきエンディングだろうと思ってたので、今回のマックスはいろいろヌルいとは思いました。子供向けなんでいいんですけど。