そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

仮面ライダー THE FIRST

『先生が一番美しいと思うものはなんですか』『命です』


わざわざ平日の午後に行ったのに、後ろの席に陣取ったお子様達に上映中ずーっと邪魔されてました 。ひとりふたりでもアレなのに3人ですよ!( ̄д ̄|||)来るなとは言わないけど、子供が多いときは真ん中に陣取らないで後ろとか端に行くとかして欲しい。本当にずーっと座席を蹴られ続け、いいシーンでお喋りされ、お菓子を食べる音が聞こえ、おしっこーと暴れられました。ついでに頭叩かれた。と言うわけでなかなか集中して見られなかったなかでのライダー映画です。
ついでに言っとくとオレはライダーの原作自体はちゃんと読んでないし、TVも実はちゃんと見てないので昭和ライダーには全く思い入れはないです。(タイミングの問題だと思うけど見ないまま大人になってしまった…)でも少年誌でやってた石ノ森漫画は一通りは読んでるので、一応石ノ森テイストは判るつもりですが…。


ネタバレになるような感想かも知れないので、未見の方はご注意を。


まずあの主題歌にビックリ(笑)そうかやはり使うのか。
前情報は入れてなかったけど、多少はVシネだとか予算少ないとは聞いてたくらい。でもなんというか、印象としてはライダーが出てるだけの普通の映画だなあと。そういう意味ではなかなか面白かったです。途中までは。
途中というか、見終わって物足りない感がすごくあった。ショッカー基地を壊滅させる(例えばあの島自体を大爆発させるとか)わけでもなく、結局あすかを助けて終わりという部分に全くカタルシスを感じなかったからかなあ。いってみれば盛り上らずに終わっちゃったよ〜って印象でしょうか。
というか、なんで助けて終わりなんだ?一文字はカッコつけて去ってったけどリジェクションとかどうすんだ。なんて言うかこれ見てるだけだとショッカーと戦う理由がえらい希薄なんですよね。さらわれて勝手に改造されたものの、記憶を取り戻したから元の生活に戻ったら裏切り者と言われて刺客を差し向けられた。あすかがさらわれたのは本郷や一文字のせいではなく単に怪人候補に選ばれただけ。じゃあ助けに行かないと…って、戦うための理由ではあるけど正義のための理由ではないような。本郷猛的には一応、美しいものを汚すショッカーは悪だ、と言う認識ではあるけど。
別にライダーは正義のために戦わなければいけないなんてことを言うつもりはないけれど、ショッカーが倒すべき悪だって言うハッキリした描かれ方もしてないから、わりとその辺うやむやの様な気がするのです。まあ、人をさらって改造するような組織は潰したほうがいいとは思うけどね。(でも結局潰れたわけではないんだよな、あの島の秘密基地のボスって誰だったんだ?)…というところでこの先本郷猛がショッカー相手に戦うのかどうかということも描かれないまま終わってるし。
とはいっても、最初に言ったその《普通の映画》っぽいところがなんだか良かったというか、へたなその辺の邦画よりずっと、すごく真面目に本気で作った映画だなあと思いました。こういう本気の映画は見てて気持ちいいですね。長石監督の画面は気合入っててすごくカッコいいし、画面的にはいろいろやってんだけどギリギリくどくなってなくていいです。


主役の二人もカッコ良かったです。高野八誠の一文字隼人はもとより、黄川田の本郷猛は原作の石ノ森テイストに近いナイーブさがあって絶妙のキャスティングですね。黄川田は特撮的にはセラムンのカラオケ店員(通称カメ吉)ってことですが、オレ的にはカメ吉のあとに月9の不機嫌なジーンで優柔不断な役をやった時点でええ〜っという驚きがあったんで、今回はそれほど驚きはしませんでしたが、演技的にはもうちょっと…と思うところはあるにしても、雰囲気的にはドンピシャです。八誠は、克彦よりやはり一文字隼人のインチキさがいい感じで。今どきピンクのジャケットと柄シャツがあんなに似合う人はいないよ(笑)ライダーベルトも普段からしてても違和感ないよ、きっと。キャラ的には大して説明されてないけど、ああいうキャラってことでいいんでしょうか。ドライブ中に車の中でシャンパンはどうよ?(笑)
ウェンツもなかなかカワイかったです。今のとこ演技パターンはひとつしかないようですが、彼もああいう役が似合いますね。
反面、やはり不満が残るのがヒロイン。なんで彼女にしちゃったのか。演技力もさることながら表情が硬いんだよね。別に逞しさが必要な役ってわけでもなかったから、もう少し目力があって表情豊かな、欲をいえばもっと可憐なルックスの女優さんだったら、本郷と一文字が取りあうだけの説得力があったんじゃないかと思いますね。その点だけは残念。
あとはショッカー幹部の佐田真由美は相変わらずカッコいいし、一茶も悪くないですね。ただ彼らのバックボーンはちょっと知りたいところ。たぶん裏設定あるんだろうけど。天本英世、そういや亡くなってたんだよね、なんかこれだとあまり違和感なかった。板尾もツダカンもよかったです。
まあ全般的には悪くなかったんだけど、その反面、話的にはいろいろ判らないところもありました。もしかしたら単純に編集で切られただけかも知れないけど。2時間くらいで見たかったなあ。


良かったのは水の結晶を持ってきたところでしょうか。テーマ?としてはちょっと判りづらかったと言うか、なんでそれなのかが判らないんだけど、でもこれだけで映画の印象は全然違うよ。誰のアイデアか知らないけど。(まだパンフ読んでないんで)《水の結晶→美しいもの→命》と言う図式は結構無理やり感はあるけどオレは好きです。
晴彦と美代子のエピソードもわりと好きです。ただ見せ方がトリッキーですごく判りにくいと思うんで、もうちょっとストレートにやってもよかったんじゃないかなあ。晴彦は夜中にボランティアが来ることの変さに気づけよ、とか思ったけどキャラ自体は嫌いじゃないです。あと頭脳コントロールされてたのかどうかもよく判らなかった。志願した人はしなくていいのかな。
あと立花のおやっさんの唐突さとか、克彦に似た一文字隼人に本郷猛が驚かないのは変だろとか、あすかが一文字と成り行きで付き合うのもイマイチよく判らない。
助けてくれたホッパーと勘違いしてるにしても(これはセイザーでもやってるんですが、一般人から見たら異形の者と言う時点で同じに見えるのではと思います。またあまりそういうことを考えられない状況だし。瞬間の記憶というものはあやふやなものだというのは月9のビギナーでもやってましたな)時間経過が判らないせいか二人の関係に妙な距離感を感じて、どう捉えていいのか迷うよ。逆に本郷とあすかの関係は、やりたいことは判るんだけどあれだけだと脳内補完するにもちょっと辛いなあ。ああいうことはやり過ぎなくらいの演出の方がいいと思う。
それと本郷猛だけがなぜ完全体だったのかとかそれを追及しないのかとか、いろいろ。いいけどショッカーは改造人間候補をどうやって決めてるんだろ?まあショッカー自体、何やってる人たちなのかよく判らんのだが。って判らん連発でスマン。
そう言えば、世の中的には井上脚本井上脚本と何かと取りざたされてますが、実はすっかりそのことを失念してました。本郷と一文字がショッカー基地にボートで乗り込むくだりが出てくるまで(笑)ボートかよ、いきなりだな〜おい、と思った瞬間、そういや井上だったっけと思い出したくらい。オレにとって井上脚本は言われないと判らないものなのかも。でも島に乗り込む辺りの本郷と一文字の妙な友情というかコンビは確かに井上っぽいなあ。いきなり濃いよ、男同士の友情が(笑)


アクションですが、いつもの東映らしくなくワイヤーアクションが多用されてるとこが目新しかったですね。ただ、これはそういう演出方針だったのか単に不慣れなだけだったのか判らないけど、ハリウッドや香港映画のワイヤーアクションと違ってキレが余りないのが、逆に不思議とリアル感を醸し出してたような気がします、オレの印象としては。だから悪くはなかったです。キレとかスピード感がなくても。バイク絡みのアクションは漫画チックでいいね。
なんか感動したのは1号の最初の仕事のあと、ビルから飛び降りるところの着地のリアクションがシビれたよ!そうそう、普通は着地して跳ねるもんだよな!スロー画像と相まって美しささえ感じたよ。こういうのは他のものでも見たいなあ。


ライダーは1号の方がカラーリング等好きです。サイクロンも1号の方が断然好きです。出渕さんのリファインデザインはカッコいいですね。バランスとか細かいところが妥協を許さない感じ。シビレル!もちろん本物の造形もメチャメチャカッコいい。あのいかにも《スーツ》って感じのシワの寄り方とかがいいです。
あとデザインとは別に目が光るのがすごくツボです。555のときもあのフォトンブラッドが暗やみに光るのがメチャクチャツボだったんで、これは燃えますね。そしてやっぱり、仮面ライダーの目はタレ目じゃないとダメだと思った。泣いてるみたいなとこがポイントでしょうか。
そういや印象だけなんですが、このセンチメンタルな感じ、ちょっとキャシャーン(映画)と似た匂いを感じたよ。


てことでさっそくムック本、一冊くらいは買っとかなきゃな。もちろんソフビも出たら買うつもり。