そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

男たちの大和

http://www.yamato-movie.jp/


「大和」と、大和を中心とした乗組員の絆の話を見に行ったつもりがちょっぴり違ったようです。
原作はドキュメンタリーなんですね。どうりでストーリーがあるようなないような、各人のエピソードをただ繋げただけのような印象だったのか。そもそも登場人物がハッキリ紹介されてないから、何となくエピソードだけで判断て感じで印象に乏しくなるのは仕方ないか。せっかく反町とか獅堂とか出てるのに。
おまけに現代と過去を交互に描写するのは全然いいんだけど、過去の話で戦況とか状況が全く判らんのですよ。ちゃんと若い人にも判るように説明して欲しいぞ。
最初呉沖(多分)で訓練してたはずなのにいつの間にか出港してレイテ沖海戦とかやってるし。最後の上陸とか言ってるうちにいつの間にか沖縄向けて出港してるし。
ナレーションの入れ方も説明の仕方もクソ下手だし、字幕スーパーで説明するのとナレーションで説明するの、何が違うんだ?そして久石譲の音楽を聴かせたいのか?音楽は素晴らしいけどちょっとうるさすぎ。


戦闘シーンはスゴイね。わざわざ劇場で観た甲斐はあるよ。
二時間半弱の映画に2回戦闘シーンがあって、結構また長いんだけど大迫力。とにかく大和の甲板上に爆撃があって人が吹っ飛んで血糊がドバーッとバケツでぶちまけたように飛び散ってそこに更に爆撃で水しぶきが上がって甲板に血がドバーで人が転がって何かの破片が降ってきて機銃の銃座にも甲板にも人とミサイルが目一杯転がって上空からは戦闘機で一斉掃射されてまた壁に血糊がドバーで何かもうメチャメチャで何もかも血まみれ。気の弱い人は卒倒するよ。
一回目のレイテ沖海戦はともかく、九州沖では退艦命令が出るまで延々爆撃でなぶり殺し状態。ウワサに聞くプライベート・ライアンの戦闘シーンとどっちが凄いのか、実は見たことないんで比べようがないんだけど。
で、ああーと思ってるうちにいつの間にか大和沈んじゃってるし!いやあの滅びの美学はどの辺に?大和が沈むって乗組員にとっては大変なことじゃないのか?そんなにあっさり沈んでいいのか?まあテーマ的には生き残りの人達の生きてる意味を問うみたいなもんだと思うけど、画面的には大和を見せてよ。大和は日本のタイタニックだと思ったけど違うのか?監督よ。
特に太平洋戦争に思い入れがないと、泣けもしないしよく判らん。それが事実だから泣けるのか?それは違うと思うしな。いや、本来そういう思い入れに関わらず泣ける話の筈なので、単純に監督が下手なんだと思う。だって「はだしのゲン」なんかいつ読んだって泣けるぞ。
ベテランていうけど、従来の邦画のベテラン監督ってそういう面ではオレは全く評価できないんで下手としか言い様がないね。せめて脚本と監督は別にしてどこかで客観的にチェックするべきだと思う。


ああでも、おっちゃんやじいさん達は爆撃シーンで拝んでたりしたそうな(妹談)そりゃあれは拝みたくなるよな。結構描写が凄惨だからなあ。おっさん達は結構泣いてたみたいだし。
実寸大大和のセットはさすがにちゃんと作ってるだけあって、画面で見てもど迫力!本物に近いってだけで随分違うよ。戦闘シーンに迫力があるのもうなずける。艦首の菊のご紋も眩しいばかりだし大和はホントにかっこいい。3月まで尾道で公開してるらしいから見たいなあ。無理かな。

ところでパンフがデカいんですよ。B4サイズくらいで中の文字は大きめ。これはつまり高齢者仕様ってことですね?


ところで現代パートの鈴木京香のお父さん、内田さん(中村獅堂がやった人)はいわゆる大和乗組員の幻の3333人目ということで(映画でも内緒で乗り込んでた)現実には随分非難を受けたりしたらしい。どういう生き方をしたのかは鈴木京香が少し語ってはいるけど、その辺触れないのは何でかな?この映画で生き残った者の意味を問うというのならもう少し突っ込んでもいいはずなんだけど。実際主役(のはず)の神尾が親友だった西のお母さんに生き残ったことをなじられてるところがあるんならさ。そう思うこと自体理解が浅いのかな。