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カブトネタ元考2:「正義の道」こそ「運命」

1は比較的本編から想起されることでの考察でしたが、こちらはちょっと、イヤかなりトンデモな考察です。これについては元ネタかどうかということより、この通りになることは絶対ないだろうけど、与太話的な意味でこういうネタも面白いんじゃないかということで考察してみるんで、まあ軽く聞き流して下さい。
もともとは「CAST OFF」の映画予告の「来世」という言葉でなぜかこれをイメージしたんですが…元ネタは「ジョジョの奇妙な冒険part6・ストーンオーシャン」です。
あんまりトンデモなので、興味のある方だけ。



ストーンオーシャン」は実は話の展開自体はよく判ってない…というかあまりに判りにくくてさほど面白いと思ってなかったんですが、最終巻(17巻)の最後の最後の超展開がかなり心にヒットしたんですね。もう荒木先生は天才かと思うほどに。(大興奮ですよ!)
ひょっとしたらジョジョファンでもストーンオーシャンは読んでない人が多いかもしれないので、キャラとストーリーのある程度詳しい解説はこちら(Wiki)を。
オイラの説明は最終巻の重要な所だけ。


ジョリーンたちの前に立ちはだかる最後の敵、プッチ神父の目的は全人類を進化させて「天国へ行く方法」を知ること、それによって全ての人類は幸福になれると信じているんですね。自分が間違っているとは全く疑っていない。
神父のスタンドは重力を操るもの(シー・ムーン)から、進化して時を操る能力を身に付ける(メイド・イン・ヘブン。初めて知ったけど連載時はステアウェイ・トゥ・ヘブン(天国への階段)だったらしいですね)。この辺の詳しい話はWikiプッチ神父の項参照。重力によって時を操るのは確か一般相対性理論かな。
そのスタンドの進化の過程で時は無限大に加速を始め、神父の望む世界へと向かう。
時が暴走を始め、人間の意識はそのままで地球上のあらゆるものが時間の加速の影響を受け始める。そして神父を止めようとするジョリーンたちだが、完成された神父の能力には誰も適わないんですね。(時を止められるスタープラチナを持つ承太朗ですら、時を操る以上神父には勝てなかった)死んで意識がなくなると途端に時の加速に飲み込まれ跡形もなく朽ちていく中、ジョリーンはエンポリオだけを逃がそうとする。彼は「希望」だといって。ここでこの事件について最初から最後まで全てを知っているのはエンポリオだけということになります。
そしてこの世界は無限大に加速していき、地球も宇宙も全てが終焉を迎えるのですが、その折り返し点ともいえるべき「特異点」を通過したあと別の宇宙が誕生し(パラレルワールドと同じ)宇宙は再び同じような誕生を経て必然として同じような地球、同じような歴史を通過し、神父のスタンドが発動する直前にまで戻ってくるんですね。
生きてた人間の意識はそのまま無限大の時の加速を経て同じ運命を辿り、同じ場所へ。そして神父が時の加速を止めたのは、事件が起こる前の刑務所、つまりある意味過去に戻ったともいえるわけです。
人々は膨大な未来を一巡したことには全く気がつかず、意識だけは今まで起こったことを知っている状態になってます。そして時が加速を始めたときに死んでいた人間はちょっと違った同じ人間として、生きてた人間はこれから起こることをすでに知っている状態で存在するんですね。
そして過去を変えて運命の因縁を断ち切ろうとする神父は、自分を倒そうとする運命を持っているエンポリオを見失う前、つまりそもそもの発端の刑務所で捕らえようと時の加速を止めたんです。エンポリオを追いつめながら人類の幸福について語るプッチ神父

「例えば五年後の未来に何が起こるか?人類全体がそれを知っている。
 加速した時の旅の中で(略)すでに体験してここに来た。
 頭脳や肉体ではなく精神がそれを体験して覚えてしているのだ!」
「そしてそれこそ幸福であるッ!
 独りではなく全員が未来を『覚悟』出来るからだッ!」
「『覚悟したもの』は『幸福』であるッ!(略)
 明日『死ぬ』と判っていても『覚悟』があるから幸福なんだ!
 『覚悟』は『絶望』を吹き飛ばすからだッ!」
「人類はこれで変わるッ!
 これが私の求めたものッ!
 『メイド・イン・ヘブン』だッ!」

神父以外はすでに決まった運命を辿ることを決定づけられている世界の中で、エンポリオはその神父自身に自分の運命を変えさせ、新たなスタンドを発現させ逆に神父を追いつめて行きます。
「覚悟を知ることこそ人類の幸福」でありそれこそが「神の意志」であると信じる神父は、この世界が完成するためなら自己犠牲も厭わないが、今(過去で)自分を殺せばこの世界はなかったことになり人類の運命が変わってしまうというんだけど、そんな世界を許さない(それがジョリーンたちの意志でもある)エンポリオが最後、プッチ神父に言うんですね。

「わからないのか?
 お前は『運命』に負けたんだ!
 『正義の道』を歩むことこそ『運命』なんだ!! 」

そして新しい世界であっても時間軸としては時の加速が起こる前、つまり過去に戻って神父を倒したことになるので、神父の言葉通り「時の旅」は起こらなかったことになり、更に新しい世界(「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」)に移行する。そして「人の出会いも重力」というように、エンポリオは再びジョリーンやアナスイエルメェス、ウエザーたち(ちょっと違ってるけど紛れもなく本人たち)と出会い、その出会いの運命に涙する。
結局全てを覚えているのはエンポリオだけだったんですねー。


ちょっと長々と説明したけど、この「ストーンオーシャン」のテーマがどうとかではなくて(オレも実はよく理解してない)、こういうタイムトラベルネタもありなのか!という驚き。(もしかしたら元ネタはなんかあるかもしれないけど)
戦いの際にルールを設けてそこから絶対逸脱しないようにするのが荒木先生の世界なんですが、「人は過去に戻ることは出来ない」*1というルールを作っているかのような、この「時を無限大に加速させ未来を一巡する」というスケールにちょっと脱帽。もちろん「時を加速させる」とか「人類の幸福」「正義の道を歩むこと〜」がかなりカブトの世界と重なるなーと思ったんですね。
あとカブトのOP曲「NEXT LEVEL」の歌詞。

暴走をはじめてる 世界を元に戻すにはもう
時間がない


誰もいない 時空1人 進化してく
未体験エリアで 始まるリアル
絶対 自分だけがこの時代変えていける

この辺も被るなあと思ったんですね。時が加速していく中で一巡して、新しい世界が始まるというのが。
追記:そういやある人から加賀美の「新」という名前は「新たなる世界」を暗示しているんでは…と言われてますますああそうかもと思ったりしましたよ。このジョジョ考察だと何となくそうじゃないかなあと思ってたけど、加賀美はエンポリオか?


もう一つ、ちょっとオマケ的なことなんですが、カブトキャラを石ノ森キャラに変換するときにどうしても絵柄が思いつかないキャラがいるんですね。それが天道総司なんですが、性格も絵面もまったく石ノ森キャラじゃないこの人は、じゃあなんだったらいいかといえば荒木キャラだとぴったりとハマるんですね。
言うまでもなく荒木キャラの特徴は意志の強い目と分厚いセクシーな唇が主ですが、これって天道の絵面その物ですね。性格的にも孤高の存在でことさら他人に親切にしたりはしないけど内面的には熱さを秘めていて実は優しいとか(この辺は特に承太朗や仗助とかですが)荒木主人公の特徴じゃないかなと思うんですね。
そんなとこで。

*1:第四部の吉良吉影のスタンドが時をループさせたりはしているけど。