32話をざっと確認してみたんだけど、ひよりの記憶の中ではワームは「悪」ではないけど人に危害を及ぼす存在だとは思ってるし、天道が兄だと知って、今までずっとそばにいたわけじゃないけど守ってくれてた…という認識（回想シーンで）はしてるから、擬態天道に会ったときに自分はワームだから天道が兄だと知っても一緒にはいられない、この世界にもいられない…ってことで逃げちゃっただけなんじゃないかなあ。いわば擬態天道は単に道連れにされたってことなんだけど。
出会ったときに涙を流していたのは、今思うとたぶん「同調」かなーと思ったんですね。
ずっとあそこに一人で幽閉されてた擬態天道＝ワームと、ずっと独りぼっちだった自分＝ワームということで、ひよりはそれを理解してシンクロしちゃったんじゃないかと思ったんですよ。
それで二人で一緒にいられる世界に飛んだんだけど、結局擬態天道は子供の頃の天道のコピーだからそれ以上ではない。天道も言ってた通り、所詮過去の自分のコピーだから、今の進化した自分には敵わない…というとおり、ひよりにとってもそれは兄＝天道自身じゃないんですよね。ひよりが求めてるのは、あくまでも「自分と一緒にいなかったときでも見守ってくれてた存在＝兄・天道」なわけで、どんなに姿形が似ていようと、擬態天道がワームと知った時点で「これは兄ではない」と判ってたんだと思うんだけど。もしくはワームである自分には同じくワームである擬態天道が相応しいと思ってただけかな。
で、本物の天道が自分を必要としてくれると判ったから偽物はいらない…ってだけなんじゃないかな。偽物というより、ひよりにとっては単に「天道と同じ形をしただけのワーム」でしかないんじゃないかと。
オレがひより酷いな、擬態かわいそうだなと思ったのは、まあひよりが〜ってのはまだその真意がわからない以上来週持ち越しでいいんだ。来週天道と話すシーンがあるみたいだし、その辺で米村さんが潔く切り捨てちゃった分を井上さんが補完してくれれば。（これはもともとそういう構成だと思うんで、別に米村さんの力量の問題じゃないと思うんですが）
擬態天道がかわいそうだと思ったのは、ひよりに捨てられて…なんていう記号的なところに引っ掛かってんじゃなくて、坊っちゃんの例をとれば擬態した人格としての今の「神代剣ワームオリジナル」ともいうべき物がある以上、擬態天道だって子供自分の天道をコピーしたにしてもその後、ひよりのそばにいたいと思い続けたまま幽閉された、そのひよりを想う人格はやっぱり「擬態天道ワームオリジナル」だと思うんですね。
でもその自分自身の殻から抜けられないままひよりと一緒に世界の外を彷徨って、それでいいと思ってた。オリジナルと違って自分はずっとひよりのそばにいてあげられる、それはひよりにとってもいいことなんだと思っていたのに、それを当のひよりに拒否されてしまったことが可哀想だなあと。
彼は「ずっと一緒にいること」が愛情だと思ってて、天道のいう「ひよりのいる世界を守る」という考えに辿り着くことが出来なかった。それは彼のせいではないけれど、まあその辺が哀しいなと。
そのひよりに去られたことで、擬態天道は「こんな世界壊してやる」になるんだけど、その手始めがひよりを自分の手にかけるというのが、「手に入らないものは壊してしまえ」というあまりに子供っぽい破壊衝動だというのがまた可哀想で。
彼はひよりに去られたことで「世界」を認識して自分の殻を破った。そして自分の思うようにならない世界なんか壊れてしまえと叫ぶんですね。そのあまりの子供っぽさや間違ってるさまが、一体なぜ彼は存在していたんだろうと思わざるをえないというか。
天道のワームを倒す理由からいえば、擬態天道はオリジナルを倒そうとしたこと以外悪いことはしてないから、ひよりが戻って来さえすれば、倒すいわれもないんだろうけど、だからといって放置しといていいかといえば、そんなこともないとは思うんだけど。だって乃木が何を思って彼を呼んだのかとか。オリジナルには敵わないってのは判ってるはずなのに。そして誰が擬態天道にダークカブトのベルトを渡したのかとかさ。だってベルトを作ってるのはZECTだよな？ZECTに利用されてるってこと？
あと実はちょっと思ってるのは、天道は擬態天道を庇ったひよりに「そいつはワームだぞ」と言ってるんだけど、これはひよりはネイティブだからワームと敵対してる…ってことかと思ったんですが（ひよりはそんなこと知らないだろうけど）、そもそも擬態天道ってホントにワームなの？ネイティブってことはないのかな。まあ天道がワームって言ってるからワームかも知れないけど、そもそもいつ擬態されたのかも判らないし、ZECTが彼を幽閉してた理由も判らない。擬態天道は最後まで絡むみたいだから突然誰かが種明かししてくれるってこともあるだろうから、そこで始めて彼の存在理由が明かされるかもしれないけどさ。
