そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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仮面ライダー電王#12「走れタロス!」

東映http://www.toei.co.jp/tv/den-o/index.htm  テレ朝:http://www.tv-asahi.co.jp/den-o/
『親父さんはかすみを愛しとる。俺はそう信じる!』


何が驚いたかって、電王においてはタイムパラドックスによる時の歪みが「変」の一言ですまされてしまうってことだよ。「変」なことだというのは事実としてあるんだけど、それも時の運行の一部として認識されてるということですよ。ということは、パラレルワールドなしの世界、あるひとつの未来の可能性がなくなったりしても、それも「変な時の歪み」だという解釈で、時間軸はあくまで1本なわけですね。
うわ、かなりな力技だなあ。
今回のことで「イマジンの起こした事件自体がなくなるということもある」という描写は、特異点どうこう含め電王側の行動によって未来が変わることがあるという可能性が示されたってことですか。いや変わるんじゃないよな、それも予め決まってる未来に戻るんだよな。(だってアカシックレコードだろ?w)ただ特異点による時間への干渉が「変な歪み」として、規模によっては容認されるんだよな。しかもそれがオーナーの裁量っぽいってのも・・・オーナー何者?
デンライナーのオーナーと謎の(金田一風な)男、ハナのいた未来がなくなってしまった出来事とイマジンの関係などなど、その辺が明らかにならんことにはどうにもまだ判らんのだけど。
キンタがこの結果を判ってて暴走したってことはないだろうけど、なんとなくオーナーのあの様子って、最初から(というか結果がいいか悪いかはともかく)どうなるかは判っていたっぽいんだけどー?
キンタを乗車拒否しておきながら、停止信号での過去の光景を確認して、事が良いほうに出たからキンタはお咎めなしってのも単なる状況確認という感じ。悪いほうに出てたら追放されてたかも知れないんだよな?停止信号って過去が変わる瞬間の印なんかな。停止信号と聞いたときのナオミの喜びようがちょっと気になるよ。ナオミ何者?
『そう、変です。だから、時の運行を変えてはならない。このようなことはこれっきりにして下さい!』『ありがとうございます・・・』『私は何もしてませんよ〜』オーナー、マジコワイ・・・((( ;゚Д゚)))


話は普通に楽しめると思うけど、オレはちょっと微妙。
こないだ面白くなったと思ってたけど、単に設定やストーリー上でおかしいなと思う部分より脚本や演出部分での面白さが勝ってたから楽しめただけで、今回米村さんの脚本云々より電王自体の根本的にダメな部分が目に付いてしょうがなかったので、楽しめませんでした。
その理由の主なものとしては、ハナのキャラがムカついてしょうがないんだけど、その辺は後述。
今回の話としてはキンタが勘違いして突っ走り、その結果が善いほうに表れた(それがパラドックスになっても)、ということではメデタシメデタシで終わってるんで、まあそれはいいと思うんだ。(いいんだよ)
実際初見の時はハナのこともあって全然楽しめなかったんだけど、その辺吐き出してから見た2回目では、特にお父さんとかすみのところはよかったと思う。やっぱりお父さんはかすみのことを心配してたってことなんだよな。
この父子の普段の関係がどうだったかはよく判らんのだけど(まあそこまでつっこむ必要もないし)、かすみのモデルという夢を叶えさせてあげたかったんだけど、ふと漏らした『親に逆らうような奴は俺の娘じゃない。出ていけ!』を真に受けたかすみが、逆に父親に憎まれてて嫌われてると思い込んでしまった。子供にはありがちな思い込みだよな。お父さんも一瞬「あ」って顔してるし。
お父さんはたぶんそのことはマネージャーから聞いてるんだろうけど、それならその方がかすみのためだと我慢して嫌われ役を続けていたってことでしょ?でも本当はかすみに会いたくてしょうがない、だからこっそりとかすみ草を送って応援を続けている・・・という部分ではそんなに無理のない、切ない親心としてよく判るんでこれはいいんだよ。
かすみの方だってお母さんが亡くなったあと一生懸命お父さんをもり立てていこうと気を使ってるくらいの子だから、本当はお父さんを嫌いになりたいわけじゃない。だからK良太郎に『親父さんはお前のこと愛しとる。もう一度やり直せ』と言われて、それを信じたいと思ってたからずっと心に引っ掛かってて、どうしてだかは判らないけど良太郎と出会うはずの場所でお父さんに気がつき、もう一度お父さんを信じることが出来てよかったね、でいいんだよ。
あ、これでかすみがK良に言われた言葉を信じていたかったから、そこだけがパラドックスの歪み=変なとこになって残ってしまった・・・とかだったらいいな。「思い」は時の流れを変えるってことだね!
『でもこれからはかすみ草の人ではなく、お父さんとしてかすみを見守ってね』が泣けるで!
それで、クビ覚悟でかすみを追いかけてったキンタの気持ちに応えて、電王アックスフォームで戦う良太郎もイイ奴で泣けるで!モモがどんなに騒いでも関係なく、ちゃんとツタイマジンと戦えるよう『行くよ、キンタロス』と言ってくれる良ちんがいいんだよ。


相変わらずデンライナー内の掛け合いも面白いし、キャラもキンタが今回ちょっとアホすぎるってことを除けばまあいいんだ。ホントはキンタは登場回エピソードを見るかぎりでは思い込み激しいキャラだけどアホじゃないと思ってたのに、やっぱり微妙にキャラは変わるなあ・・・とは思ったけどね。というかコイツは人の話聞かないんだな。それ考えるとモモは乱暴者のくせにそれなり人の話を聞いてるよなあ(笑)
冬眠のごとく眠るキンタにモモの『春だぞ!』はいいけど、「春眠暁を覚えず」とも言うじゃあありませんか。春だから眠いんだよな(笑)
それにしても良太郎というかタケちんが大変そうなのが気になるよ。アニメなら無理のないアイデアだけど、実写でやると本当に大変そうだよ。でも実写だから面白いんだよなー。タケちんにはホント、頑張って欲しいです。今回すごくやつれて見えたから余計に。


予告。もう4人目。一瞬うっちーがいるように見えたけどきっと気のせいだな。タケちんはダンスが特技なんだっけ?面白キャラだといいなあ。
デンライナーの車窓から。ゲキでロボ戦がなかった・・・だからバエか!バエ、どうやっても出番があるのね(笑)『巨大戦の実況命!』ワラタ。

ところで最近ハナがムカつくワケ。

そもそも、ハナの言動が最近ムカついてしょうがないのですよ。ムカつくっていうか、ハナの描写をああいうふうにしてしまうことへの制作側のムカつきもあるし、ハナ自体が全くキャラとして一貫性がないよく判らないキャラになりつつあるってことへのムカつき。
イマジンが人間の望みを自分の勝手な思い込みでとんでもなく曲解して叶えてしまう・・・ということは、ハナはもちろん、良太郎やイマジンたちも知ってるはずなのね。(もちろん視聴者もね)だって今まで全てのケースでそうだったから。しかもハナはそれをことあるごとに断言してるし。
それなのにどうしてハナは、イマジンのやったことをかすみのお父さんのせいにして「ヒドイ父親」と決めつけてるのか?ウラがそれに同意するのはいいんだ、アイツはそういう心無いキャラだから(苦笑)


そもそもお父さんは自分がイマジンと契約したことすら判ってないんだよね、今回の場合。
まあ普通に考えて怪物が突然現れて、危害を加えるでもなく何かワケ判んないこと言って消えたら夢だと思うだろうし、「会いたい」と言ったことが「襲う」ってことになるとは普通思わんわな。そういう意味ではかすみが襲われてることに自分が関わってるという意識もなかったんだよね。
ハナや良太郎がその経緯を知らなかったとしても、「イマジンの自分勝手さ」と「イマジンが人間の望みを叶えることの代償と結果」というのは、ハナだけはキャラ的にたぶん知ってるはずなんですよ。(良太郎には今のところ説明してないと思われるけど。ハナが知らなかったらそれはそれでちょっと・・・)
それを「父親が契約したイマジンがかすみを襲う→父親がかすみが憎くて襲わせてる」と理解すること自体が、ちょっと変でしょ。ハナはいつもいつも「イマジンは人間の望みを自分勝手に叶えるのよ!」って言ってるのにさ。
むしろハナのキャラだと、イマジンが憎いんだから何でもかんでもイマジンのせいにして、父親のかたを持つほうがまだ判るんだよね。「お父さんの望みをイマジンがまた勝手な解釈したのに決まってる!」ってさ。そうならないのはどうしてかというと、今回の話の場合は特に、ハナって全くこの話には絡んでないんだよね。だからかすみの父親に噛み付くだけの役になっちゃってる。
その辺も含めて、全体に電王という話自体にハナが必要ないキャラになってるんだよ。
これを突き詰めていくと、結局未だに肝心なことが語られてないから、つまりイマジンの過去改変がどういう影響を及ぼすかという物語の核の部分に未だに触れてないから・・・ということになっちゃうんだよ。ハナがいる意味ってそういう部分でのハナの思いや事情説明をするためだよね。そこに触れないんじゃ、ハナはだだの乱暴者キャラでしかないんだよ。


逆に今回、ツタイマジンと同じような行動をしようとしたキンタロスの誤解はまだ許せるし判るんだよね。
ちゃんと父親がどういうつもりでイマジンと契約しようとしたのか確かめるって言ってるし、だからかすみ草の人が父親じゃないかと思った良太郎の話を聞いて、もしそうならかすみを思う父親の愛情を信じると決めたんだから。(これは良太郎もそう信じているからだとも思うけど)
だからやってること自体の良し悪しはともかく、ツタイマジンがかすみの仕事を邪魔するということが、何らかの「父親の愛情」だと思い込んでしまう、それがツタイマジンに加担することになってしまっただけなんだよね。
それが自分の勘違いだと気がついてからは逆に、自分を省みずこの父娘のために出来ることと考えて、それがツタイマジンを倒すということより、かすみを追いかけて連れ戻すという方向に「暴走」したってことなんだよな。だからキンタとしてはデンライナーを下ろされることになっても、かすみと父親が仲直りすればそれでいいんだよ。だから最後のキンタの『ほんなら』が潔よくて泣けるんだよ。
これはキンタがトンチンカンな思い込みキャラだってことでいいいんだけど、ハナは違うだろと。


それが脚本レベルの問題じゃないっていうのはさっきも言いましたが、この1クール目の構成で、ハナのことってこないだハナの境遇が少し語られただけで、それ以外のことは未だに謎のままなんですね。
というのは1クール目でどうしても良太郎に取り憑いたイマジンを全員出さなきゃいけないから・・・という理由だろうと思うのです。
普通ならメインのモモはともかく、まず謎の少女であるハナをことを描きつつ、イマジンたちの正体とかデンライナーのことを情報として描いてくれないといけないと思うんですよ。メーテルじゃないんだからハナは謎の少女のままでいいわけないんだよな。
イマジンたちが2007年にやって来て過去改変をしようとする理由と特異点の良太郎が電王に変身して戦わなきゃいけないワケ、そもそもイマジンて何者なのかというのは序盤に説明するべきだと思うんだよ。その設定の上に物語は構築されるわけで、ある程度設定が頭に入ってるからこそ視聴者は適度に補完しながら物語を楽しめるんだしさ。そんなもん説明しなくてもいいと思ってんなら、こういう連続したストーリー性のある物語にしないで、戦隊的に判り易い、子供でも楽しめるお話にすればいいんだよ。
この辺ちょっとカブトの失敗の轍が活かされてないんではという気がするんですよね。まさにまた砂上に楼閣を建てようとしてるんじゃないかと。
全体にどういうつもりで構成してるのかは判んないけど、オモチャ関係ないなら良太郎に取り憑く4人のイマジンたちは3クール目までに出すくらいでいいと思うし、イマジンを4人取り揃えるより先に二人目だと思うんだ。アニメとかならね。それよりも気持ち的には、まず良太郎とモモのコンビをしばらくは見たかったなと思うんですね。モモ良太郎がどういうふうにイマジン絡みの事件を解決して電王として戦っていくかっていうさ。

とりあえず登場人物みんな出しちゃえ、描写はそれから・・・というのはあまり上手いやり方じゃないなあと。だって出しっぱなしなんだもん。だからもしオモチャ絡みでそうせざるを得ないのなら、最初からそれで一番うまくいく物語展開を考えればいいのになとも思うわけですよ。ハッキリ言って今んとこ電王にノレそうもないなあと思うのはその辺かなあ。
良太郎のキャラがだいぶ好きになってきたんである程度は楽しめると思うけど、それはエピソードとして話がすごくまとまっててよかったときか、こないだの石田監督回のように(これはオレは石田監督がツボだから)話はともかく見た目のノリとテンポでなんだか判んないけど面白かったと思えるかどっちかですね。
て、もう総括してどうすんだって感じだけど、冬眠じゃないけどちょっとうたた寝気分で生ぬるく電王は見ようかと。ホラ、電車乗ると眠くなるしな。