そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

挑戦者・水嶋ヒロ

どうしても気になるのでちょっと言っとくよ。
わた教公式のSpecialコンテンツ「八幡大輔・水嶋ヒロ連載『A challenger〜挑戦者』」、オレが八幡日記って言ってるやつですね。
これね→http://www.fujitv.co.jp/kyoukasho/special/index.html
これってどうやら基本的にはヒロたんの「演技論」を語る場のようなんですが、まあそれ自体はいつも雑誌インタビューでも語ってるし(でもその頻度は多い)、他の役者さんだってそれなり機会があれば語ってることなんでいいんだけど、ちょっと微妙というか、そろそろ誰か止めてやってくれんかと思ってんですけどさ。
内容自体は特に引用しませんので、興味ある方は全文を各自確かめて下さいということですが、問題は今回の3回目。
この企画自体の意図は真面目な彼の真面目な取り組みを見せたいということなんだと思うんだけど、それにしても・・・というか、もしオレがドラマを作る側なら、彼のルックスや出来上がってきた演技としてのクオリティの問題でなく、こういうことを言う新人俳優は余り使いたくないなあと思うんだよね。
メソッドを使わないはいいんだけど、それはちゃんとしたメソッドを学んでから言って下さいよ。まあ演技なんてその限りでもないとは思うけどね。オレの好きな長瀬だって、メソッドなんか学んでるとはとても思えないし(笑)*1
それより、水嶋ヒロ個人のPVを撮るんならともかく、一体どんなドラマ企画なら彼が素で演じるようなドラマが成り立つと思ってんだろう?
カブトの時の天道役が良かったのは、たぶんに役者の個性をそのまま使いたいというライダーの現場の判断であって、その個性を見極めて役に対して「演出」をしていたからだよね。キャラが輝いているってことは役者個人の力もあるけど、ベテランならともかく新人の場合、スタッフの力によるところが大きいんじゃないかと思うんだよな。
だからもうそろそろ8年近くライダーを見て役者のその後もそれなり追いかけてると、役者個人の力を問われる(というか普通に放っとかれる)他のドラマをやると、いきなりヘタに見えてビックリするということを今まで何人となく見てきているので、その辺は実感として感じるんですよ。
オレは演出に関してもときどきそういう文句を言いますが、役者に関してもそうで、まず演出の意図を正しく演技して見せるというのが最低限役者に要求されることであって、それがクリアできて始めて自分の色を出すべきだと思うんですね。まあキムタクや菜々子みたいに演技そのものよりも「その人の存在」が必要な場合はその限りじゃないけどね。
極端なことを言えばこないだ大江戸のトークショーで声優の大川透さん(鋼のロイ・マスタング役)が言ってたように、自分が納得出来ない理解出来てないと思ってても監督が要求することに完全に応えるというのが第一である、というのは当然至極当たり前の事なんですよ。それが出来ないのに自分の個性は・・・なんていう役者なんか使えるわけないんですから。
もちろん殆どの役者さんはそういうことを理解して仕事してるはずだと思うんだけど(だからドラマを正しく理解して見ることが出来るわけだし)、ひょっとしてヒロたん判ってない?とちと不安になったよ。
形から入るのは悪いことじゃないと思うんだよ。その役のキャラがそういう見た目をしてるのはそのキャラに必要なことであって、意味もなくメイクや衣装を着せてるわけではないのです。だからはっきり言えばヒロたんくらいの演技力だとそこにもっと寄りかかって演義を作ってもいいくらいのレベルのはずなんだけど、それを今の段階でいらないといってしまうのは余りに迂闊かなあと思うわけですね。(本心はもうちょっと考えてるのかも知れないけど)
もっといえば、そんなスカしたこと言ってないで、もっとガムシャラにやろうよと。同じカブト勢で新人だからいうけど、山本くんくらい入れ込もうよ・・・とつい思っちゃうんだよな。「その人らしさ」なんてあとからついてくるもんなんだし、とにかく頭で考えるより、いろんな役をこなして現実的に引き出しを増やすほうが先なんでないかい?

あと最近塚本とか見てて思ったのは、観察力って必要だろ?ってことです。*2
塚本って随分前から見てるけど、イマイチ好みじゃないせいか好きなドラマに出ててもそんなに引っ掛からなかったんですね。というかそれに気がついたのは、塚本がやってる役っていつもオレ的にそんなにピンとこないキャラなんだけど、そのピンとこないキャラを正しく演じてるから目立たないのでは・・・ということです。*3
そういう意味で彼はオレの中ではイケメン主役級俳優じゃなくて演技派脇役俳優カテゴリーに入ってるんだよ。今回の田中3号の鉄オタは脇でもそうとう面白いキャラに入るけど、公式のインタビューで彼は全くオタクじゃないって言ってんだよね。塚本はもともと好きじゃないからよく判んないけど、彼の彼らしさってどこよ?でもそんなこと、彼がやってるキャラや演技には全く関係ないよね?よく考えると上手いんだよな。上手いというか、そのドラマに対していつも申し分ない演技をしているってこと。つまり観察力があるから、キャラを正しく理解して作ることが出来ると。塚本じゃなきゃいけないかと言われると、今んとこそのポジションはまだ微妙なんだけど、たぶんそのうち塚本以外に置き変わらない役者になるんでないかとは思うよ。
ちょっとオレ語りだけど、オレにとってその役者が好きかどうかってのは、他の役者に置き変わる度合いが少ないということも結構あるんですよ。他の役者に置き換えられるような俳優には興味ないんだよ。(もちろんそれ以前に好みの問題はありますがw)
で、俳優が持ってないといけないものって、持って生まれた華やオーラはともかく、まず観察力と理解力、そしてそれを正しく表現できる演技力だよね?はっきりいえば演技力って二の次でもいいと思ってんだけど、演技に自分なりの色をつけるっていうのは、その役を理解して十分に要求に応えることが出来る演技力がありながら、更に自分の解釈を付け加えるということで、それは役に対して正しいことが前提なんだよな。当たり前だけど。
だからぶっちゃけ、そういうことが出来てない、しかも空気も読めないキムタクの演技が浮いて見えたりするわけで、塚本みたいなタイプとは対極にあるなあと思うんだよね。今塚本の話してるから塚本で締めてみたけど、他の真っ当な役者さんでもそれは同じだったりするわけです。

ヒロたんの話からちょっと外れたけど、まあそういうことを判って言ってるかどうかよく判らないヒロたんの微妙な勘違い発言は、周りの人間が止めてやって欲しいなあと、それだけです。内輪で言ってる分にはいいんだけどさ。それを言うこと自体がどうよってことだからあまり表で言わないように(ってどんなやw)周りの人は気を使ってあげてよってことですよ。
あ、オダジョーも新人の時似たような大口叩いてた気がするけど、オダジョーはクウガ直後からオダジョーだったから別にいいのです。(たぶんその時点での彼のキャリアの問題で自己確立してたせいではないかと)

*1:マンガの引用でアレですが、北島マヤみたいな天才なら演技メソッドは必要ないってことですヨ。

*2:参照ついでに10/26に追記:これに関しては花君のインタビュー関連を見るに、観察力はあってそれを表現できるだけの身体能力はあるようなので、演技力・表現力というよりは単純に彼自身の役解釈の独特さの問題じゃないかと思います。

*3:でも「結婚男」の時の役は好き。フェミ男じゃないのに女性に混じって違和感のない男性というのをちゃんと掴んでるんだもん。(友達にああいう感じの子がいるから良く判る)しかもあのキャラの"らしさ"というか、細かい部分をちゃんと表現してるんだよね。