そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌展

http://www.nikkei-events.jp/art/bresson.html
2007年6月19日(火)〜8月12日(日)東京国立近代美術館(東京・竹橋)

ホントは30日の田中長徳氏の講演に合わせて行こうかと思ってたんだけど、たまたま今日会った上京中の友達がブレッソンが好きだったんで一緒に行ってきたよ。行ける時に行かないと行きそびれるしね。(よくある)
今まで周りで学生時代に写真やってた人はそこそこいるのに、意外とブレッソンが好きって人はいないんでワーイって感じ。オイラは1999年の「Landscape展」以来。
回顧展らしく年代順に場所で括って並べられて、わりと判りやすかった。あとヴィンテージプリントと素描やデッサンの絵画作品、思いでの品の展示など。
ヴィンテージプリントは初めて見たけど、正直どう言っていいものか(笑)
ブレッソンがプリントがヘタだというのは周知の話ですが(確か見かねた友人がプリントを専任で引き受けてたんだと・・・)、のっぺりとして、コントラストもないどうにもこうにもなモノって感じで・・・それともベタ焼きくらいのつもりだったのかな?(笑)ブレッソン特有のニュアンスのあるベタやグレーの表現が全くなく、くれると言われても欲しくないなあ(苦笑)
素描の方も上手いんだかヘタなんだか、微妙なところ・・・まあ両方とも現物が見られたってことで、その点はいいよ。というか写真が上手すぎるんだよなー。
オレがブレッソンの写真を好きなのは、まず構図が素晴しいことと、撮った写真がまさにその一瞬でしかありえないタイミングを切り取ってるからなんですが、これについてはブレッソンは何枚も撮るタイプではない、まさにその瞬間を予測して狙って撮ってるそのすごさってのがありますね。有名な「決定的瞬間」なんかはその最たるもんだと思うんですが。
それに加えて写真自体の持つ意味がその撮られた構図に見合ってる、その構図でその写真が撮られたということ自体に意味が在り、俗っぽくいうと「オチがついてる」のが好きなんだよね。タイトルのない写真を見てそれが何をいいたいのかがすごく判りやすいってのも、そういうことだと思うんだけど。
完璧な構図と完璧な内容のスナップ写真、ポートレートはその人の人となりを周りの景色も入れ込むことで最大限に表してるし、世界中を旅して、ある意味ドキュメンタリータッチな写真で時代の節目を写し取ってもいるし、そういう意味でシャッターチャンスが向こうから近寄ってくるタイプのスゴイ写真家だと思います。
モノクロ写真は、印刷さえ良ければ別に写真集でも構わないて程度のぬるいファンですが、やっぱり大きな写真の迫力はあるんで見に行けてよかったなーと。日曜だから込んでたらイヤだなと思ったんだけど、雨のせいか場所柄のせいかゆっくり見られてよかったです。(前の時は日本橋三越で、場所柄えらい混んでて、まともに見られなかったんで)
タイトルの“De qui s’agit-il?"は”彼は一体何者だ"て意味らしいけど、彼の写真を見てると本当に「何者だ?」と思わざるを得ないよ?どうしてこんな写真が撮れるんだろう?