そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

サクゴエ

http://www.sakugoe.com/

隠さないけど、ネタバレな感想です。


うーんそうだなあ、面白くないというほど面白くなくはないし、ありがちっぽいけどよくまとまってはいるって感じかなあ。ありがちっていうか、青年誌の漫画にありそうな雰囲気の話ってことだけど。
あのキャスティングと弓削っちの脚本ってことで見に行ってるから、そもそもが映画の出来だけで測ることも出来ないんだけど、悪くはないけどねってとこか。(というかスマン、嫌いな話じゃないんだけど、オレの好みとして単に作品の出来上がりがこういうマイナー邦画的なものは好きじゃないってだけなんだけどさ。だからこれが好きだって人の気持ちは判るけど、オイラはキャスティングということを考えなければこの手の話は漫画で十分満足できるから特に魅かれはしないです)*1
中村靖日と弓削っちがミスマッチ、弓削っちとハギーはマッチしすぎというか、それなら弓削っちの直人とハギーの滝沢の話でもいいんじゃないのかなあと思うんだけど、そういう話でもないんだよな。
でも面白いと思ったのは、どっちのエピソードもフィクションなんだけど、その中にチラチラと混ざってる細かいネタがたぶん弓削っちの脚本の素の部分だろうなってのは、妙に判るというかさ。富士山が動いたとか、さんまが食いたいとか、滝沢と直人の殴り合いとか、そういうとこの理由のない揺るぎなさで何となく生っぽさは感じるんだよな。そいうとこを「これをやりたいから」で通してるところがよくも悪くも素人デビュー脚本のいいところなのかも。ただそれをどうしても監督の目を通すとちょっと薄まってしまうというか、そのやりたいことがダイレクトには見えないかも・・・?ってのはあるような。弓削っちの脚本のはずなのに、弓削っちがやってるトミーと直人がイコールに感じられないような気がする。トミーがヤクザなのにいいヤツなのはまあ、いいんだけど(笑)
全体にハギーが持っていきすぎかなー(苦笑)インパクト強すぎるよ、狂犬ハギー。
それと邦画で好きじゃないのはとにかくテンポが悪いってことなんだけど、セリフで繋ごうとするから、セリフが気が利いて洗練されてないと(言回しの問題ではなく内容が吟味されてるかってこと)ホント辛いんだ。それもあって初っぱなのトミーと森田が出会って富士山に行くとこまでは、やたらトミーが喋ってるせいか言ってることが青臭くって、恥ずかしくてしょうがなかったんだけど、森田と借金取りがトミーと繋がってて・・・っていのが判ってきてからは、ちゃんと状況で話が動いてきたんで面白くはなってきたよ。
というか、弓削っちはたくさん喋るとちょっとね(苦笑)あの人はやっぱり謎の人でちょっとだけ喋るのがいいと思うよ。だって相手が靖日とハギーだからねえ。長ゼリフは少々辛いですね。演技云々というよりは、あんまり喋んなそうな感じに見えるから、喋るとイメージが違うなあと思っちゃうというか。でももし本当に脚本をやりたいんなら、セリフの精度をもうちょっと上げて欲しいかも。本人の演技としてもそうだけど。
で、中盤から滝沢と直人(トミーね)の話になってからは、ちょっと面白くなった。弓削っちがヤクザには見えないってのはあるんだけど(弓削っちってそっち方向のチンピラじゃないんだよな。ハギーは似合いすぎだけどw)昔の親友を取り戻すために奮闘するトミーという展開が熱くてよかった。ただそれと、森田と出会った今のトミーとのバランスがちょっと突っ込み・描き込み不足感があるかなあ。森田かトミーか、どっちかといえばトミーと滝沢の話だろ、と思うんだけど。森田はキッカケではあるんだけど、そこがイマイチ伝わらない気がする。雰囲気で流しすぎというか。たぶん、やってる弓削っちが自分が判ってるからって言うのがあるのかなあ。ちょっと惜しかったな。


といってもさ、ハギーと弓削っちはカッコよくて、とにかくあの滝沢とトミー、二人の熱い感じはすごく伝わるというか、殴り合いもよかったし二人の友情の有り様もよかったです。森田のキャラも、何とも生きるのに不器用な感じが伝わってくるし、トミーと出会って変わったっていうのがちゃんと判るのはよかった。
最後、滝沢もトミーも死んじゃうんだけど、生きてればまた違ったろうなというか、ちょっと二人とも死んじゃうってのはお話的には安易な感じがするかなあ。一番まとまりがいいってことで、だけど。(これは元々の脚本は死ななかったらしいですね>パンフ)
あとジェリー藤尾が上手いのがさすがなんだけど、この人も老けたねぇ。誰だか判らんかった。*2

トークショー弓削智久×萩野崇、司会・平体プロデューサー

終わったあとで弓削っちとハギーのトークショーが20分くらい。(一応こういうオマケがないとね)
ハギーがずっと挙動不審を演出してて笑った。弓削っちの話に入りたいけど入れない・・・って感じでチャチャ入れたり、謎行動多すぎ(笑)←しかもずっと意味不明にニコニコしてた
弓削っちが言うにはこの映画のテーマは「生きるってのは大変なんだけど、スゲーことなんだぜ!」なんだと。そのあとなぜか唐突に「愛」といってハギーの失笑を買ったり(笑)
妙に神妙に話してたんだけど、ちょっと今日はテンションが違ったらしい?ハギーが「生理?」って聞いてきて、そこからなぜか小学生の時にクラスの女子のプール見学の理由を聞いて、先生に説教されたという話に脱線したりしたけど、唐突にハギーを無視してサクゴエの話に戻ってハギーを困惑させたり。何となく、コント?w
あと滝沢が死ぬ前に言ったセリフが聞きとれない、人によって聞きとれる人とそうでない人がいて、弓削っちが友達からなんて言ったんだと聞かれる・・・という話に。(初っぱな、司会役の平体プロデューサーが質問のお手紙とか言って持ってきたのもあのセリフはなんて言ったんですか、だったけど)
オレも聞きとれなかったんだけど、弓削っちとハギーがそういう曖昧なセリフも謎めいていていいという話をしてるうちに有耶無耶に。えええっ?(笑)
一応、そのあとのプレゼント抽選会のときに当たった人が聞いてくれて、「じゃ、ちょっと、頭冷やしてくるわ」と言ったってことで解決。(といっても「じゃ、ちょっと」は言ってないだろと突っ込まれるハギー)
弓削っちもハギーも生で見ると意外と細いというか、2メートルくらいの距離で見てたんだけど、画面で見ると弓削っちなんか随分大きく見えるから、これまたちょっと意外。距離のせい?前に弓削っちを生で見たときはもうちょっと至近距離だったんで、すごく大きく見えたんだけどな。とにかく二人とも頭小さいし、画面で見るよりスッキリ細かった。そんで超カッコよかったです。わざわざこの二人のトークの日に行った甲斐はありましたです。ъ( `ー゚)

追記。

自分の感想読み直して、何となくオレがこの話に納得がいかなかったのは弓削っちがトークで語ってるテーマがあれなのに、最後二人が死んじゃう(トミーは殺された)ことなのかなあ?
いやだからこそ殺されちゃったトミーとそれを知らない森田が哀しいのかも知れないけど、トミーにとって富士山に登るということがどういうことなのか、もうちょっと突っ込んで描いて欲しかったのかも。「柵を越える」ってのがこの話でのポイントなのに、肝心のトミーのその辺の思いが雰囲気で流されてる気がする、かなあ。「生きるってのは大変なんだけど、スゲーことなんだぜ!」って、トミーに言わせてもよかったんじゃないかなー?それだと判りやすすぎ?いや作品の言いたいことは判らなくはないんだけど・・・うーん。こういう小奇麗にまとまってるものより、もっとダイレクトに熱いものでもよかったんではないかなー?元の脚本がどうなんかは判んないけど。
弓削っちが書きたいと思ってたもの(青臭いとこも含めて、だけど拙くて描ききれてなかったもの)を膨らまさないで、安易にこういう作品にありがちなまとめ方をしちゃったって感じるなー。穿ち過ぎかもしれんけど。

*1:そういう話じゃないけどさ、それこそディアスポリスのDYBの話を映画化して欲しいよな。帰りに妹と勝手にキャスティングしてしまったけど、伊佐久の伊原は譲れねえし、鈴木は当然彦麻呂。久保塚は瑛太か窪塚兄で。

*2:たぶんオレの記憶は10年くらい前で止まってる。一緒に行った妹が言うには離婚してから急に老け込んだらしい。