そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ハチミツとクローバー

http://www.hachikuro.jp/
これもまた原作とは似ても似つかないものになってるなあ(苦笑)
漫画原作といっても「のだめ」とは傾向として違うからのだめのようにとは思わないんだけど、ハチクロを気に入ったクリエイターがハチクロを作るときにかける自分フィルターの解釈の幅が違いすぎる感じ。映画にしても、ドラマにしても。どっちも原作好きな人間からしたら、あ り え ね ー。
映画としては筋は通ってるしオチてもいるけど、こういう青春ストーリーにするってのはある意味原作に対して冒涜だよな。そういうことじゃないはずなんだけどさ。美大じゃなかったら許せるんで、まあその程度のってことはあるんだけど。ハチクロ(原作)をただの片思い切ない青春ストーリーと思ってる人も別にいいと思うけど。そういう意味では音楽の才能ってことにウエイトを置いてるのだめの方が方向性としては判りやすいのかな。
 
ハチクロははぐの話だからはぐのキャラをどう設定するかってので、雰囲気というか、方向性が違うと思うのね。
原作は少女漫画だからってのはあるにしても、見た目は小さくて可愛いくて、女の子らしい可愛い物(ミナとかミュウミュウとか)が好きなのに、創る作品が体を使って創るダイナミックで躍動的な彫刻とか、線が細そうなのに肉食いで、大人しそうに見えるのに実は自分がありすぎる・・・というのがキャラとして面白いし、それが原作ラストの絵を描くことへの物凄い執着、他人を犠牲にしても描き続けることを選ぶ人間だっていう部分であるわけで、そこがないと単なる"一美大生"なんだよね。
あとそういうキャラにする意味が判るようで判らないのが、どうして大人しいキャラにしちゃうのかってことか。はぐって小動物みたいにクロック数速いタイプなんだけどなあ。待たないというか生き急ぐ感じ?まあ原作自体がテンポ速いしな。
映画の方は森田さんがちょっとアーティスト系に振りきれたキャラになってるけど、あれじゃただの変人です(苦笑)というかそっち方向にがっついてるキャラってのも・・・まあキャラとしては判りやすいけどさ。原作だと有り余る才能を芸術方向でなくエンタメ方向に使ってしまうってのがいいんだけど。(しかもどっちも金は稼ぐ)
でもなー、みんなが仲がいいっていう雰囲気もなくなってるのはどうしたもんかと・・・
ドラマの方は本当に上っ面だけだから置いといて、この映画の場合もうちょっと作品として監督のカラーが出てるとは思うんだけど、監督の思う美大生ってこういうんですか・・・?才能ある人間の描く絵って、あれですか?(苦笑)そりゃないと思うなー。難解な絵の方が才能を感じさせると思うのは間違った解釈だと思うよ?森田さんはアーティスト気質に振りきれてる設定だから仕方ないとしても、はぐの描く絵はもっとキレイでふんわりした中に凄さがあるような絵の方がいいなあ。あのはぐや森田さんの描くラクガキみたいなグラフィックは何がいいのか判りませんよ。納得出来るのは最後の海の絵だけ。*1
美大の寮があんなだとか、花本先生の家が上野の古い一軒家とか、微妙にテイストが如何にも、なんだよな(苦笑)←「苦笑」っていいたくなるくらいにさ。
何かジメジメしてるの、昔の邦画テイストなの。画面暗いし、全然ハチクロじゃねー。もうそんならオリジナルでいいのに。うーん・・・映画館で見なくてよかった。見たらきっと怒ってた。
キャストはなー、櫻井よりは斗真くんの方が竹本の普通っぽさはあるかも。櫻井は見た目とかよりも、美大にいながら何も創らなそうな普通の人に見えるのがダメだよな。何してんのこの人。意外と下手なのか、櫻井?それならいかにも普通っぽい斗真の方がマシ。
はぐは蒼井優の方が断然いいね、キャラは監督解釈だから仕方ないとしても。森田さんが伊勢谷なのはこの映画ではいいかな、芸術家肌なキャラってことではピッタリ。オレはこんなに芸術家指向のキャラになってなきゃ、塚本くらいの方がいいな。ドラマは塚本にしてくれればよかったのになあ。真山の加瀬亮はハッキリ言って無駄遣いです(苦笑)キャラにも合ってないよ。
これ、公開当時評判どうだったんだろ?まあ見ててイヤになるほどではないから、至って普通な出来かなあ。部屋の片付けしながらだったからいいけど、マジメに見てたらもっと文句言いたかったかも。
何かオレ、こないだからやたらハチクロを語ってるなあ。そこまで大好きな漫画ってわけではないんだけど・・・(でも作品を語るくらいには好き)

*1:というかはぐの絵、ネクサスの弧門君の彼女の絵を思いだした。あのドス黒さってのはないよなー(苦笑)