そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

レンブラントの夜警

http://eiga.com/official/nightwatching/introduction.html

面白くなくはないけど、微妙なところ。話は全部見れば何とか判るけど、というか大筋は判るけど細かいところが判りにくかったよ、オレは。
映画自体が外ロケはあるものの家の中のほとんどを舞台っぽく撮ってるせいで、この監督ならではの映像表現があまり感じられなかったのはちょっと残念。画面はレンブラントの絵そのままの光と影の表現なんだけど。でももともと画面暗いしな、この監督。
それよりも、半分ドキュメンタリー調な手法を取ってるのが、ますますどう受け取っていいのかって感じだなあ。要するに登場人物のカメラ目線でのインタビューっぽいシーンがあるんだけど、舞台的な画面と相まってなんだかへんてこな感じ。
ただこれは最後のレンブラントの描いた「夜警」の評として「これは絵ではなく演劇だ」というのと、劇中で何度もレンブラントのモデルは皆俳優のようだという話と、この映画が舞台風な撮り方だってことで、この一連の事件がすべて演劇的だという暗示みたいなものになってるのは面白いかも。でもそういうことを狙ったのかーというのは判るんだけど、やっぱり微妙、かなあ?
話としては最後はドキュメンタリー番組でよくある雑踏の中でナビゲーターが視聴者に語って締める、というやり方で終わらせてるんだけど、それをやるなら最初もそういう導入にしてこの事件の概略を語らせてくれたほうが判りやすかったかな。キャラが多くて見分けがつかないせいで、起こってることを理解するのに時間かかるし。というか事件そのものが判りにくいよ。
そういうとこを我慢すれば(我慢すべきものなのかはおいとくとして)テーマ的にはいいたいことも判るし、レンブラントがやらんとしたことの意味、「絵筆は画家の武器だ。何でもできる、侮辱も告発も」もよく判るんだけど。ただ、この時代の肖像画にそういう意味があるって事は知ってはいたけど、お金もらって描く肖像画をそういう風にしていいのか?とは思うな(苦笑)それはそれでヒドイよ?
まあ、絵描きが人の真実の側面を暴くというのは一つの才能ではあるけれど、要はそれゆえにそれを見過ごす事ができずに自分の才能の真実と正義に向き合っていたために復讐された画家の生き方の映画ってことか。
そういや初っぱなから男女ともに結構モロ出し多いしセックスシーンもあるんだけど(いわゆる繋がってるとこ)、ボカシ入ってなかったなぁ。プロスペローのときはかなりボカシ入ってたのに、そういうのOKになったのか?R指定も入ってないよなあ。芸術映画だから?