そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

スパイダーウィックの謎

http://www.sw-movie.jp/

最近のファンタジー映画には対して期待してないんで劇場で予告見て何となく面白そうと思っただけなんだけど、すごく真っ当なファンタジー映画でよかった。はっきり言って「ライラ」よりよっぽどちゃんとしてたな。何でもっと宣伝しないんだろう、もったいない。あ、完全に子供向けですね、これは。
前日に「Cut」のフレディ・ハイモアのインタビューだけ見て、初めて双子の一人二役をやってるのを知ったくらいなんだけど、インタビューがしっかりしててすごいなーと思った。でもこの子もう15歳なのね。チャリチョコの頃は10歳くらいだと思ってたよ。まあそれでもたいがい言ってること賢いけどさ。
好みで言えば、ライラやハリポタよりも、余程この映画の方がちゃんとした児童文学で現代的なファンタジーだったと思うよ。オレがハリポタみたいな明らかにTVゲームの影響があるようなえせファンタジーが好きじゃないってだけですが。
なんつかオレ思うにファンタジー児童文学って、世の中は不条理で、何かをしたらそれがいいことであれ悪いことであれ、どこかで迷惑を被ってる人(それが人間とは限らないけど)がいれば当然その報いを受けるものであることを知るってことだと思うんだよね。その上で奇跡が起きたり何か救いがあったりするのは、それに対してちゃんと解決しようとしたことのご褒美だと思うんだよ。そうして子供たちが成長していくという疑似体験をすることが、児童文学の役割だと思うんだ。罪はつぐわなけりゃいけないし(この話では罪は犯してないけど)報いは受けなきゃいけない。そして子供は受けた傷を乗り越えて成長するものだと。
そういう意味でとてもお手本みたいな話でした。
1時間半ちょいあったけど全然飽きなくて、話運びや展開は上手いなぁと思ったですよ。難しいこと考えずにライトに見られる感じ。もちろん子供向けなんだけど、そんなに子供騙しな感じでもないかな。
設定は何となく「百鬼夜行抄」みたいな感じがなくはないかな。大大叔父さんがやってた妖精の研究が書かれた本が邪悪なゴブリンに狙われて、本を始末するかゴブリンを倒すかって話で、そんな大層なものではないけど一応妖精の国っぽいところに行ったりもするから、冒険物といえば冒険物。原作はもっと長そうだからもうちょっといろいろあるのかもしれないけど、映画は上手くまとめてると思う。ちゃんと話が終わったあとで主人公が成長してるのが判るってのはいいと思うな。
主人公をハイモア君が二役でやってて、この映画を見る限り双子じゃなきゃいけない理由はなかったんだけど、原作はそうでもないのかな。ただ、この二人がちゃんと別人に見えるってのが恐ろしいところです。(パンフによるとハイモア君が自分でやりたいって言ったらしい)
主人公の双子兄のジャレッドは両親が離婚して母親が相続した古い家(スパイダーウィック家)にやって来るんだけど離婚のことで納得してなくて、他の兄弟や母親にも当たり散らしてて信用をなくしてる。で、引っ越した家の隠し部屋で妖精の本を見つけるんだけど、ジャレッドが本を見つけて持ち出したことでゴブリンに襲われるわけね。
実はその本のせいで家の持ち主だった大叔母さんは父親(つまり大大叔父であるところのスパイダーウィックさん)を妖精に奪われて、家族は崩壊してしまった。結局ジャレッドたちは放っといても襲われるし、本を持ち出した責任もあって何とかしなきゃいけないって話。
最初に言ったように児童文学だなーと思うのは、スパイダーウィック叔父さんが自分の生きた証としての妖精研究が、妖精にとって危険な物であったにも関わらず処分しなかったせいで、大叔母さんは父親をなくして変人として私設に入れられちゃってるし、それをたまたま見つけたジャレッドたち一家が危険な目に遭うのもそもそもは本のせいというか、スパイダーウィック叔父さんのせいなんだけど。
本はスパイダーウィック叔父さんにとっては生きた証だけど、大叔母さんは本のせいで家族を失ったって言ってるし、ジャレッドたちは襲われるし、それは全く本人以外には不条理なことなんだよね。
そしてその本は書いた本人すら処分出来ないから結局ジャレッドが事態を何とかしなきゃいけないんだけど、80年間妖精の国にいたスパイダーウィック叔父さんは、その方法についてはジャレッドが自分で本を読んで考えなきゃいけないって言うだけで、何とかしてくれるわけじゃないんだよね。
でも言うことを信じてくれなかった母親も協力して(そりゃ実際ゴブリンを見れば信じるだろうけど)、家族で協力してゴブリンのボス・オーガーを倒すことが出来るんだけど‥‥ちょっとお父さんには酷いんだけど、家族が再生することは出来て、最後にちょっと救いもあってよかったねという話ね。
ゴブリンはトマトソースで撃退出来るって本に書いてあったからといって、ビニール袋のトマトソース爆弾を作ったり、家付きのブラウニーがどんなに怒っててもはちみつを飲むと途端に機嫌よくなるとか、いろいろ細かいネタがおかしい。でもオーガーを倒す方法があまりといえばあまりでちょっと笑っちゃったんだけど、伏線の引き方とか上手いんだよね。ラストバトルとしてはアッサリしすぎかも知れんが、意表をつかれて、ホント笑った(笑)
と言うことで意外と楽しめました。もちろんお子さん向けです。(しつこい)
大人の人には、ハイモア君は上手いしカワイイですってことで(笑)
何となく違和感があったのは、これってアメリカが舞台なんだけどアメリカに妖精っているのかなー?何となくイギリスの方がしっくりくるんだけどな。(そもそもゴブリンとかの妖精ってヨーロッパ土着の物だろ?)
あと劇場でこれ買いました。イラストがいい感じだし、作りがいいなぁー。

アーサー・スパイダーウィックの妖精図鑑

アーサー・スパイダーウィックの妖精図鑑

  • 作者: ホリー・ブラック,トニー・ディテルリッジ,Holly Black,Tony DiTerlizzi,飯野眞由美
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