そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

インクレディブル・ハルク(吹替版)

http://www.sonypictures.jp/movies/theincrediblehulk/

見て来た、いや聞いてきた!
試写会は字幕だったんで、今回はヒロたん吹き替えのやつです。(試写会の感想→http://d.hatena.ne.jp/korohiti/20080722/p4
2回目なので話の内容は判ってるけど、ヒロたんの声に気がいってたからちょっと別の意味で集中してしまった。話の内容は十分判ってるけど。
まず吹き替えの感想。
久しぶりにヒロたんの仕事でトキメキました(笑)姿なくて声だけでエエんかと言われても、別にいいです。
字幕版見た時から、エドワード・ノートンはあまり喋らないし、そもそもノートンさんにヒロたんの声ってどう考えても違和感だし、なんてムチャなキャスティングってのは判ってたんであえてそこは突っ込みません。純粋にヒロたんの声だけ楽しみましたよ。
予想通りというか、ちょっと天道様みたいな低めの落ち着いたトーンの声で、まさにウッカリするとそこに天道様がいるかのよう!というか、喋ってない時はちゃんとノートンさんの姿を認識してるんですが、喋るとヒロたん、いや天道様の姿をいとも簡単に画面に置き換えられる素晴らしきオレの妄想脳よ!今日ばかりはグッジョブ、オレのノーミソ!そんな機能があるなんて知らなかったよ!(笑)
天道様が小汚い工場で働いてたり、パソコンや実験道具いじってたり、リブ・タイラーとラブシーンしたりすんの(苦笑)妄想吐いてるって?いやオレの目にはそう見えてんの。マジマジ(苦笑)
もちろん喋り方は多少違うけど、声はそれくらいの感じよ?だってむしろ素のヒロたんの声や喋り方ってああじゃないから、カテゴリでいうと天道声です。ありがとうヒロたん、オレに妄想を見せてくれて!w(もー殆どキチガイ)結局ヒロたんより天道様なんじゃん?
そんなわけで多少棒読みチックだった‥‥ってのはやっぱり洋画アテレコは難しいのかな。その辺はアニメに当てるのよりももっと技術の問題って気がするんでしかたないか。ノートンさん、今回わりと表情も動かないし、喋ってないってことは、ヒロたんがたぶん話の全体を掴みきってないんじゃないかって気がする。むしろ単に声を当てるつもりだったんなら単純にヒロたんの解釈不足かな。いいよ、その辺は目を瞑りましょうとも。
まあそんな妄想で楽しめたってことです。
あ、さすがにヒロたん、ブルース・バナーがポルトガル語を話すとこは発音キレイだった。これだけでもヒロたんをキャスティングした甲斐はあるってことかな。絶彼のフランス語といい、意外とどこの言葉話しても発音はキレイだなあ。肝心の英語を喋った時はそんなに感じないんだけど(笑)
それにしてもちゃんと内容的に面白い映画で良かった。どうせDVD買うしな。好みの映画の方がいいに決まってるよ。
 

ハルク本編感想。

内容の方はですね、お話もいいしアクションてんこ盛りですっごく面白いです。
突然ですが平成仮面ライダーで一番好きなのが「仮面ライダー剣」なオレからすれば、まさにハルクというか今回の映画はど真ん中にツボです。(言うほどハルク自体は思い入れないので)
アクションは多いんだけど、話の大筋はラブストーリーだし、主人公は孤独で逃げ回ってるし、もう切ないのなんのって、泣くようなものじゃないけど無駄に感情移入して見てしまいました。 *1
前作は微妙になかったことにされてるっぽい感じで、アバンのタイトルバックでブルースが軍の研究でハルクになり、我を忘れて恋人のベティに大怪我を負わせ、逃げるところを軍が追う‥‥というとこまで、判りやすくまとめてるから、話に入りやすいしね。
以下ネタバレ。
 
 
前のアン・リー版「ハルク」は見てないんですが、話聞くにあっちは単純にハルクになってしまってどうしようみたいな物だと思うのですよ。それはそれでなんですが、こっちのレテリエ監督版の方は特に比較しなくても、主人公ブルース・バナーのハルクになってしまった哀しみを前面に押し出してるのが、見てて切ないんですね。
最初の方、どうもハルクがヒーローだと思えないのは、インテリのブルースが凶暴なハルクになるのが怒りに駆られた時で(本当にラブで心拍数が上がった時もハルクになるんだろうか?)、ただただ凶暴化して我を忘れて暴れ回るだけの存在(劇中では「It」とか「それ」とか「あれ」とか言われてるし)で、もちろんブルース本人はそれを望んでないからなんだよね。
怒りで心拍数が上がらないように精神的なコントロールを学んではいるんだけど、ベティに言ったように本当の望みは制御することでなく消し去ること。そのために辺鄙なところに隠れ住み、携帯もキャッシュカードも使わず治療のための研究を続けてるし、怪我をした時の用心のために(不用意に血を落とさないように)瞬間接着剤まで持ち歩いてる。だけどその力を利用しようとするロス将軍に襲撃され結局ハルクになって戦う羽目になるんだけど、この戦いってすごく無意味なんだよな。何のために戦うのかも判らないから、ハルクはヒーローに見えないってことだけど。
それが元カノのベティと再会してから、ハルクになってもベティの声だけは届くし、最後はやっと抑えたハルクの力で戦うために、自分の意思でハルクになろうとする。このブルースの意思はただベティを守るためってだけなんだけど、結局普通の人間が思う正義っていうか「戦う理由」ってそういうことだと思うんだよね。愛する人を守りたいからでいいじゃんってことで、ハルクがやっとヒーローとしてモンスターと戦うことになるところで、まさにその愛する人との別れになるというね。ああ切ねー。
そんな力を望んでないからこそ、怒りという感情で暴れてしまうことそのものが苦しみだと言うブルースに対して、現役の現場大好き軍人として力を求めるブロンスキーがその判りやすいアンチポジションだしな。
ものすごい勢いで攻撃されるブルースのハルクがそれでもダメージを受けない、アッサリと反撃すればするほどブロンスキーと軍の中でのハルクの価値が上がっていくのも皮肉。実際ブロンスキーがそれを体現しちゃってモンスターになっちゃったわけだし。
力だけを求めるとブロンスキーのようになるっていうのは単純な図式だと思うのに、それでもその力を利用しようとするから、やっぱりブルースが存在する限り、その苦悩は続くってことだよな。
そういうところの細かい心理描写や状況の移り変わりと人間関係がちゃんと上手く描かれてて、見ごたえがあるって言うのが、単にアクション大作映画じゃないって風に仕上がってて良いのですよ。
 
もちろんアクションもものすごくて、冒頭、ブラジルの貧民街をヤマカシのように逃げるとことか、街の形状も相まってハラハラするよ。で、映画最初の変身は怪物映画みたいにハルクの姿をはっきりと映さないで、暗い工場内で暗視スコープ越しの見にくい映像に一瞬だけハルクのアップで興味をそそっといて、次の山場、ここが一番好きなんだけど、大学でのハルクVS軍の総攻撃でははっきりとハルクの姿を見せてる。
いくら広いとは言え大学構内に軍用車だの戦車だの攻撃用ヘリだのを大量投入して、もーこれでもかと言わんばかりの大アクション。それなのに画面は美しいし、派手なアクションのわりに何が起こってるのか非常に判りやすい演出といい、いやいやながら変身させられて戦うハルクなわりに、軍の装備の何もかも歯が立たないものすごい強さとか、いろんな人間関係とか細かいところまで気を使ってて見ごたえあり。結局ベティがハルクと一緒に行っちゃうのは、ちょっとホッとしたというか、よかったなぁと。だって孤独な逃亡じゃブルース可哀想じゃんか。
最後の戦いはモンスター化したブロンスキー(アボミネーション)とNYのハーレムで戦うんだけど、ここはもう破壊のすごさというか車がペシャンコになって街が破壊されるのは、妙に興奮するよなあ‥‥って感じ。ハルクとアボミネーションの戦いよりも、その前の方が爽快感が‥‥w
でも何だかんだで3回あるアクションシーンが全部違うパターンだってのは何となくお得感あり。そしてその全部で常にブルースの苦悩とベティへの愛があるのが何とも切ない(こればっかりだけど)わけですよ。
ついつい長々と書いてしまったけど、まあそんなところです。最近感想が無駄に長いな。
でも「ハルクスマッシュ!」は、正直微妙(笑)ロス将軍のブロンスキーへの「君は45くらいかね?」「いえ、39です」はギャグか?(笑)中の人は今47だよな‥‥
 
それから原作そんなに知らない人間からすると、予告はやってたにしても最後に出てくる男(ロバート・ダウニー・Jr)が"アイアンマン"トニー・スタークだとか、スーパーソルジャー計画に噛んでるのがスターク産業だってのは判りにくかったなあ。困るほどじゃないけど。
アイアンマンよりハルクの方が公開が先だってのは知名度考えると当然だけど、むしろ逆に楽しみというか、知らない人間からすれば、その方がアイアンマンへの引きにはなるかな。それはそれで。マーベルユニバース構想もあるらしいしね。
最初に仮面ライダーの話をしたけど、大雑把に言えばマーベルヒーローって普通の人間がたまたま持ってしまった超能力に悩みながらも自分が正しいと思う正義を行うってことでは仮面ライダー的、DCヒーローはもともと異星人ってのも多いけど、自分が持ってる力を何の迷いもなく世の中の正義と平和のために使って戦うってことでは戦隊っぽいって感じですね。オレはどっちも好きですが。(X-MENスパイダーマンが好きだったり、バットマンジャスティスリーグにハマったりしてるから)

*1:剣はラブストーリーじゃないけど(たぶん‥‥w)、ブルースが剣崎だと思うとちょっと泣ける、かもよ?