そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

私は貝になりたい

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脚本のあまりの潔さにビックリするくらいだけど、これ、映画館で集中して見た方がいいような気がする。(なのにオレの隣のカップルと来たら‥‥見る映画間違えてるよ!退屈なんだったらどっか行けよ!)
撮影はハイビジョンなのかなあ、四季の移り変わりの見せ方とか、画面の色味も構図もとにかくすごくキレイだし、やっと邦画も普通にこのくらいのレベルで撮れるようになったんだなあとちょっと感動。それだけでも大画面で見ていいくらい。CGかと思うくらい。
監督は中居版の「砂の器」の人らしいけど、自然の風景の描写をストーリーの展開と登場人物の感情にリンクさせるのが上手いです。脚本のシンプルさを補ってあまりある感じ。
そしてキャストの演技もすごく良かったです。
中居くんは元より何も言うことがないんですが(だって中居くんを見に行ってるんだし)、仲間由紀恵もいつもの一本調子の棒演技(いや下手と思ってるわけじゃないよ?)じゃなかった。房江が嘆願署名を集めに雪の中を行くのとかちょっとすごかったし。
特に最初のねー、赤紙が来た豊松の頭を房江が坊主にするところで、二人が流れ流れて南の土地に行くところの回想とか、泣かせだって判ってるのに泣けた。あと豊松が面会で初めて赤ん坊に会うところが泣ける〜。最後よりむしろこっちの方が泣けたよ。だって最後は泣けるとかそういうレベルじゃなくなってるし。
というか巣鴨プリズンに移ってからの中居くんに+草薙とか鶴瓶とか、バラエティで見てる絵面をあえて持ってきたわけじゃないだろうになんてチャレンジングな!(笑)ちょっとどうしてもね、中居くん頑張ってるなーと思えちゃうんで時々我に返ってオレはギリギリでしたが(絵面の印象の刷り込みが‥‥)演技はみんなよかったです。あと石坂浩二の中将さんとの絡みも。
そして最後の中居くんの鬼気迫る様ときたら、本当に、本当にコワかった。遺書書くところ、あれが絶食したところだっけ。最初の方の家族で楽しそうなところがいかにも普通のオジサン(中居くんアイドルなのに!)に見えるし、巣鴨にいるときも希望がある状況でまだ明るさがあるからこそ、最後の最後が本当にキレてて、あそこをああいう風に撮る監督もすごいものがあるけど、中居くんも凄すぎですよ。(ああそれなのに隣のカップルはゴソゴソと!ここはお前んちのソファじゃねー!)
なんか気楽に面白かったーとか言えないけど、面白かったです。見たまんまなんであんまり語ることもないけどさ。中居くんの歌が下手のところはもはやツッコミどころじゃないよなw
あ、豊松の遺書の「私は貝になりたい」のくだりだけど、理不尽な扱いや状況に対してだけじゃなく、「家族のことも考えなくていいように深い海の底で貝になりたい」っていうのが本当に重くて、語る言葉もないよ‥‥