そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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MW〜ムウ〜第0章 悪魔のゲーム

http://www.ntv.co.jp/mw/
オレは見てなかったんだけど妹がズームインを見てて(新ライダー目当てに裏のヤジウマ録ってました)、どうも佐藤健当て書きの脚本らしいと聞きましたよ。
やー、タケるんのお仕事としてはなかなか良かったです。もしこれがヒロたんだったら、オレ泣いてありがとうと日テレに頭下げたいくらい。まあヒロたんがこういう仕事を期待通りにこなせるかどうかは別としてだけど。(たぶん無理)というかこういうドラマで見たいんだけどなぁ、ヒロたんを。
隆志が捕まって極限状況におかれ、状況を知った段階から遡って過去を見せるって形式なので、スピード感と緊張感があって飽きさせなくて面白かったし、見せ方としてはさすがに岩本仁志監督なので手堅くて上手いですね。
ただまあ、お話としてはどうなのってのは相当感じるなあ。
そもそもこれって、結城の人間性が判らないまま見ても面白くないよね?むしろ公開後にプレストーリーとしてこういうのがありましたって出てくるようなスピンオフだと思う。映画見たあとに見た方がいいと思うよ。プロモ的に公開前ってだけだろうし。
だいたい結城のキャラクター像が原作と結構かけ離れてると思うんで、その辺でも原作を知ってる人間からすればまた微妙なところだと‥‥まあ最後ぼかした感じで隆志の死自体は見せなかったけど、この世界観で遺体の確認しないはずないし、結城がどっかに逃がしてたなんてドリーム(笑)もないと思うから、隆志を殺しちゃうのはこの結城の性格からしたら当然って気もする。もともと隆志が人を殺せないのは見越してたろうし。
というのは、家族惨殺現場を見た父親が赤ん坊を連れて逃げるために犯人を刺したのと、自分の命か他人の命かを天秤にかけられたから殺した犯人、彼らは他に選べないからやっちゃったわけで、一人やればあとは同じって意識はあったはずだし。それを考えるとあの状況で普通の人の隆志には、あれがゲームとしての逃げ場がある以上人は殺せませんよ。あれってどっちかの男を殺さなくても真実がわかればゆかりのところに行けるように出来てるしさ。だから隆志の選択としてはゆかりを死なせるか、替わりに自分が死ぬかってことかな。ゆかりの代わりに爆弾のスイッチを受けとるとこなんか、切なくて悲しすぎ。なので救いのない話といえばそうだよな。
隆志は死んだけど真実を知ることが出来て良かったのか、そんなこと知らないまま生きてた方が良かったのか、そりゃ生きてこそなんぼのもんだと思うんですが、隆志の死と引き換えにあすなろ園が元通りになったからいいって話かなー?でも隆志だって「家族」として、あそこにいたかっただろうに。
そこら辺、最終的に隆志の覚悟としてその可能性は考えてたかも知れないけど、それについて隆志がどう思ってたかは描かれなかった気がするし。見落としてないよね、オレ。ドラマと関係なくちょっと眠くて半分見たとこで一回落ちちゃったんだけど。(そして今は見返す余裕もないのでそのまま感想書きますが)
ノローグが多い割に肝心な隆志の本心は語られてないとは思ったような。
ヤバい仕事だってのは判ってながら園のためにと結城の仕事を請け負うことと、結城がMWの秘密を知る手がかりとしてたまたま(なのかな?)関係者と繋がってた隆志を利用することは、お話としてはイコールじゃないから、隆志は運が悪かったとしか言いようがない話だよね。だって本当の父親(小市)の口を割らせるためなら今の家族を利用したっていいわけだし。どうせ結城のことだからMWの話を聞いた時点であそこにいる全員生かしておかないつもりだったのは間違いないから、隆志に対して何らかの感情があったワケでもないだろうしさ。こんな手の込んだことする理由として考えられるのは、大切なものがかかった時に人はどうするのか、それが見たかったってだけだと思うしさ。
ただまあタケるんのお仕事として大変面白かったのは、前半、わりと無表情に近い何もかも上手くいかない状況から、過去の時間を探ることになって本当の父親に会いに行くとこの微妙な気持ちとか、結城に追いつめられてどんどん苦しんでいく様子が良かったってとこですね。
父親を見に行く隆志のひょっとしたら‥‥っていう気持ちが、ちゃんと父親(名前忘れちゃった)の方からも認識されてたっていう描写は良かったし、そこら辺で息子を守って刺されたり、それで本当に父親だと確信する隆志とか、いろいろ見ごたえありました。殺した方の男もやっぱり究極の選択だったわけだし、姿を見せない巨悪に翻弄される普通の人々って感じでよかった。その辺はたぶん映画の方のテーマでもあると思うしさ。
あと小出くんのキャラは結局結城にとって使い捨てってことでいいのかな?結城って人とつるむようなヤツには見えないし。
ちょっとだけ、父親と犯人ってとこでフェイクとか入れられたらやだなーと警戒してたから(最近のTBSとかがよくやりがちな悪習!)、そこら辺がストレートだったのはひと安心しましたw ちょっと泣けた。
結城が意外とたくさん出てたし、話としては結城がMWの真実の一端を知るっていう重要エピが入ってるってのもあって、確かにスピンオフとしては出来がいいと思います。ただ本当にそれって結城の人間性が判った上でのこういう展開のドラマだと思うんで、見るなら映画を見て結城のキャラクター像が判ってからの方が説得力はあると思う。作り自体がそういう結城のキャラで持たせてるのが前程の作りだしね。オレも見返すなら映画見てからにするよ。
何にせよタケるんはいろいろ堪能しました!カワイイしカッコいいし、タケるんの柄からいって苦しんでるとこが様になるキャラなんで、ドラマとしては満足です。
そういや番宣関係はまだちゃんと見てないんだけど、チラッと聞いてたら玉木が話をもらったのは4〜5年前とかいってたけど、それってのだめ以前だよね。まだたいしてブレイクもしてない頃だけど、よくこの話をそんな時期にオファーしたなあ。玉木って好みじゃないけど(ああいう神経質そうなA型好きじゃないのw)ここ8年くらいはずっとチェックしてはいるんで、ちょっとビックリしたよ。