そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー&侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦 3D

http://www.dcd-shin.jp/index.html

試写会の感想はこちら→ http://d.hatena.ne.jp/korohiti/20090801/p3
シンケンの方は2000円かけて3Dで見て来ました。小スクリーンだったのに入場が手間取りすぎてちょっと押した。もちろん上映もストップしてたけど。
3D眼鏡についての注意事項がシンケンメンバー+士で、上映前にまだ眼鏡はかけちゃダメ、ディケイドが終わったあとに眼鏡をかけてね、シンケンが終わったあとに回収の指示などが流されたけどそれはカワイかったです。流ノ介が長々と口上を述べようとして止められたり、士がディケイドの方が面白かったなって言ってつっこまれてたりしたw
でも結論から言えば、3Dは特に見る必要ないですね。
ああいうのってもともとは子供向けギミックなんだろうけど大人的にはマイナス要素の方が大きいと思います。(オレはこどもの頃からああいうの好きじゃなかったんで、あんまりそういうのに価値は求めてませんが)今回の話がストーリーほとんどなしでクライマックスの戦いだけってのは、もちろんそういうとこ織り込み済みでやってるだろうってのは判った上でですけどね。
そもそも疑似立体化することのメリットは「飛び出す効果」なわけで、飛び出すための造形が飛び出して見えるように動く画面ではいいけど、アクションシーンの速い動きにはまったくついていってないので、逆に見づらいです。立体になるように撮ってるから人物アップに妙な立体感ついてたり、かなり違和感あり。普通のシーンではわざわざ立体効果狙って奥行きある画面配置をしてるわけでもないしな。
そんなわけで3D眼鏡で見てると画面に気を取られて話がまったく頭に入らないんだよね。昔の映像技術ではともかくフルデジタルハイビジョンとか本物の立体感がある画面が普通に見られる時代なんで、疑似立体映像ってお遊び要素でしかないと思うよ。もちろんお話関係ない子供にはいいだろうけど。(なんで今年のファミリームービーは3Dが多いのかね)
まあ飛び出す効果狙ったアクション部分でも、飛び出して見えるところはフレームに掛かっちゃったら意味ないわけで、その辺で残念なカットもいくつかあったし。うーん、剣はいいけど矢はダメだと思うなw(むしろレックリ2の方が迫力あったぞ)
EDは3D撮影じゃない、たぶんいつものEDを合成的に3D仕様の画面にしてるんだろうけど、前景の人物+書き割り配置物+背景という舞台チックな画面で一番威力を発揮してるような気が‥‥(笑)
あと眼鏡の人には3D眼鏡は合わなくて見づらかったです。ずっと眼鏡押さえてなきゃいけなかったし。おまけに眼鏡が汚れてることに気がついてたけど暗くてどうにも出来ないままだった。これは20分くらいだからいいけど、これに限らず他の3Dでも眼鏡の汚れは気をつけた方がいいかも。全部がキレイだとは限らんので。(基本子供が使うもんだしな)
以下は改めてネタバレありの感想で。
あ、パンフは買えなかったんで、後ほど。
一応舞台挨拶の記事も。

 

侍戦隊シンケンジャー 銀幕版

http://www.dcd-shin.jp/shinken/index.html
試写会感想以外のものって特にないんだけどさ(笑)
殿の陣羽織は赤い方がカッコいいってことと、シンケンレッドの恐竜の剣とマンプクの二の目はなんかある意味エロネタをいろいろ喚起させる造形だったなあってとこでしょうか(苦笑)
オレは面白くなかったんだけど、普通に見て面白いと思う人が多そうな話かな。だって面倒くさいこと抜きでクライマックスシーンだけだもんなー。そら派手に見えるし判りやすいだろよ。一応あのストーリーでも話は補完出来なくはないんだけど、逆にあってもなくてもって話になってるかも。本編との齟齬はないのかなー?今週の話に初代シンケンレッドが出てるから、完全に映画のあとみたいだけどディスクどうしたんだろ。つかキョウリュウオーってTVには出ないよね?w
まあ内容の何がツマランって、話のメインは初代が残したディスクを取りに行くことではないってことかな。それって当たり前に考えたらそれを手に入れることが戦況を左右するようなネタなんだけど、ここではスッパリその辺の面白味を切っちゃって、大した苦労もなく手に入れてるってのがね。というか、手に入って当たり前なのが前提で、そこに込められた初代のメッセージを解くことも重要ではなく、とにかく手に入れることのためのイベントだったってことが、ツマランといえば詰まらんのだ。過程じゃなく結果のみを重視するってのは、すでに「お話し」じゃないんだよ。
ってことで、最近(電王以降)見始めた人にこんなのが戦隊映画のクオリティだと思われても困ると言うか、せめてマジレンジャーとかボウケンジャーとか見て欲しいと思う。デカでもいいけどさ。
細かいネタはそこそこ面白かったんで別にこれでもいいんだけど、毎年このレベルだとイヤかなあ。
 

劇場版 仮面ライダーディケイド

http://www.dcd-shin.jp/decade/index.html
全ライダー登場のお祭り騒ぎ部分とガンバライドなライダーバトルな部分、一応本編の続きっぽいシリアスなディケイドの物語は士の過去と正体の部分で、それぞれのパーツは何となくカッコいいんだけど、寄せ集めてパッチワークした結果何だかわからないマルチカバーになっちゃったってな惨状(だと思う)に目も当てられません。
全体の責任の所在は白倉さんだと思うけど、祭の部分は金田監督、ディケイドのお話の部分は米村さんというわかりやすさですよ。で、祭に関してはまったく文句ないです。それだけで楽しめるしさ。
ただ初っぱながガンバライドなのはともかく、なんのための戦いなのかがまったくわからないのはちょっと問題。ガンバライドだと思えば別にいいんだけど、一応物語の大筋に関わってるはずなんだよね?それはひとまず後回しにしますが‥‥
ショッカーたちのあれは絵面的にはギャグだけどはっきりいって「人間爆弾」ですから(^_^;)金田監督は以外と容赦ないと言うか、一般人が襲われてるとこも相当バイオレンスですが、シルエット処理なのであまり気にならないと言う確信犯(苦笑)まあでもショッカーは人間爆弾だから。
半クライマックスの全ライダー集結は、よく考えたらクウガだけいないんだよね(笑)ダメじゃん!
でもクウガのアルティメット最終形態はカッコいいし、もう意味もなく全ライダーが集まってるってだけで祭としてはオールオッケーです。1号2号V3だけがバイクであとは歩きで‥‥にしても、オレはあれくらいの感じが好きかな。ゆっくり歩いてくるスローモーションがあまりにもカッコいいし、金田監督は画作りってモンが判ってるヨ!
一応大ボスはシャドームーンってことですが、意味もなく通りすがるWが!(笑)Wの世界には士くんは橋を架けてないと思うんだけど、「緑のライダーか?」「黒のライダー?」「黒と緑のライダーだ」が気が利きすぎて笑った!
そのあとのキングダークvs仮面ライダーJに爆笑!ディエンドはなんつーもの盗んできたんだ?アイツ気が利きすぎ!しかも士くんに何の断りもなく勝手にファイナルフォームライドしてバックルにするとか、しかもベルトがJに付いたらコンプリートフォームって、オレ、なんだかエヴァ(巨大綾波)見てる気分だった(笑)そういやさいたま新都心にあったはずの大ショッカー基地はいつの間にか山の中に(笑)
全ライダーのライダーキックはタメのせいでなんかイマイチだったように思ったけど、それを上回る驚きが全ライダーカード化してのディメンションキック。なんつーか、予想の遥か彼方を時速350キロくらいでぶっ飛んでった感じ。確かにディケイドの必殺技だけどさぁ!(笑)すでにディケイドの巨大化がもう意味わからないw
そして何の脈絡もなく始まったお祭り騒ぎは終わって、物悲しくみなさん元の世界に帰って行きました。死んだんじゃなかったのか?それとも死んだから世界を越えられたの?イカデビルや地獄大使のギャグもですが(だじゃれギャグよりも、あの2人がアジトで酒盛りとか普通にオカシかった)、最後まで意味が判りませんが、お祭りなので別にいいです。ハレの日なのです。
なんかいろいろ言い足りない気もするけど細かい突っ込みはいいや。何もかもオカシかったしカッコよかったから。
あ、妙に細いショッカー=海東大樹に笑ったよ。イーッ!海東良いヤツだな!でも地獄アニキとイライライダーを勧誘し損ねるのはあまりに結果がわかってないか?もうちょっと考えよう(笑)

 
でもって、お話の方なんですが、相当文句あるし出来としては酷すぎです。
劇場版の「士の世界」で士の正体と目的がわかって、TVシリーズに戻って、そこで話は終わらないで実質冬の映画に続くてのは知ってたんで(3D上映だったんで冬の特報は見られませんでしたが)、謎が何もかも明らかにならなくてもそんなもんかとは思ってましたです。
つまり「引きこもりの中二はイクナイ!」って話ですね。もう閉じた世界大好きな米ちゃんの独壇場。
米ちゃんと會川先生の世界構成は似てるけど、根本的な世界の捉え方がまったく違ってるから似て非なる物で、いろいろ劣化してるもいいところ。劣化してるというか、解釈の浅いマイ設定状態で作った同人誌かよと。
試写会感想でもこの士くんは相当酷いって書いたんですが、それぞれのシーンの心情とかは別におかしくないし、判るんだよ。でも根本的なところが間違ってるって言うか、どうしてこういう話になるのか、しかもパラレルでもない本筋がってとこが理解出来ないんだよ。
士の正体は大ショッカーの大首領で、世界の破壊を止めるためにすべての世界のライダーを倒そうとしていた。確かにディケイドは鳴滝が言うとおり破壊者だったんだけど、士はそれが世界の崩壊を止めるためだと思っていたし、鳴滝はそれが真実でないと知っていたから破壊者のディケイドを止めようとしていたってことだよね。つまり世界にとって正しいのは鳴滝の方だったってこと。
しかも士が世界を破壊しようとしたのは妹である小夜が外の世界に出られないからで、妹のためにやっていたというのが大義名分だけど、実際小夜は、士が世界を渡ってるのは自分の楽しみのためだと思っていたし、別に士も否定はしなかったよな?士が大首領としてそれぞれの世界を統一しようとしてたのは確かで、それを正しいと思ってたのも事実だし。
とすると、世界を巡っている間に出来た夏海やユウスケとの繋がりはなんだったんだ?ってことになるんですが。
 
一応、この前段階の話のTVシリーズは米村さんだし、同じ脚本家がやってるわけだから齟齬があるわけないと思うのは普通だよね。とするといったい士の本心ってどこら辺?って思うんだよ。
理由があってライダー成敗の旅に出てた士でも、記憶を無くしている間は士自身が仲間だと思っていた夏海やユウスケのことを、記憶が戻って大首領だと明かしたらまったく邪魔者扱いしといて追い出したのに、小夜の方が力を持って月影と結託して士を追い落としたら、急に帰る場所がなくなったって夏海に泣きついて断られ、償いに死のうとしたところをライダーマン結城に殺す価値もないと言われて自分のやったことに気がつき、揚げ句「大ショッカーは俺が倒す!」って、行動に筋が通ってるようでその実まったく通ってないです。
その時その時では正しい判断してるように見えるんだけど信念がないと言うか、何をどうしたらこんな士になるのか教えて欲しいよ、よねむー!考え方は間違ってて途中で180度コペルニクス的転回をした天道さんですら、行動自体は間違ってなかった(ワームを倒すことは誰にとっても正しい)ことを考えると、行動すらも間違ってる門矢士の間違いっぷりは許しがたいレベルです。
夏海やユウスケに対する態度からして、人としてヒドイと思うぞ?しかもそこに何の斟酌もためらいもなかったし。(演出でも拾ってくれてないし→監督は祭で忙しいから?)
かろうじてその時その時は正しく思えるのは、ひとえに井上くんのディケイド愛だと思うな。というか、こんな繋がりのない人物像、ぶつ切りにしないとやってらんないよな。
だから夏海の悲しみはよくわかるというか、裏切りだと思っても当然の反応でしょ。というか自分たちへ何の感情も持たない「門矢士」という人間に裏切られた、だよな。ユウスケは‥‥何も考えてなさそうだけど(^_^;)というかよねむーがユウスケに対して何も考えてなさそうよ?
TVシリーズ見ててもユウスケに対して米村さんって、便利キャラ以外の価値を求めてないしさ、悪に染まったユウスケを助けるどころかそれイコール小夜程度の扱いだし。ホントは士に対して何かアクションないとダメでしょーよ。夏海もそうだけど、士を改心させる役とかじゃあないってのも何なんだって感じ。なんでそれが結城丈二の役割なんだよ‥‥
何考えてるのかわからないってことでは、小夜に対しても結局改心前までどう思ってたのかもよく判らないんだけどね。
最後のクウガを通した小夜への演説(米村ポエム)があまりに実が無くて頭の中を通りすぎてったんでまったく記憶に残ってないんですが、小夜があんなに怖いことになる前に、どうして「外の世界に一緒に出よう」って言ってあげなかったのか?それだけで小夜は救われたのに。それに気がつかないお兄ちゃんってのがそもそも判らないんですけどねぇ、米村さんよー。
そいや小夜はイイ感じに怖くて、荒井萌ちゃんは気がつかないくらい上手いってレベルだなあ。士を切った辺りの心変わりの様があまりに自然すぎる。そして大浦龍宇一はあまりに楽しそ過ぎる(笑)
そうそう、井上くんらが言ってた下水道シーン、まさかホントの下水道とは‥‥まだ寒いうちにあんなとこでホンマもんの下水にまみれたらそりゃヘコむわなー。もう気の毒すぎて涙出そう。よくそんな状況で芝居したよ。エライなぁ、あの子たち。*1
 
結局滅びはどうなったのかとか、それって大ショッカーが無くなったから安心って話じゃなかったはずだよね?小夜ちゃんはどこへ、何をしに旅立ったのか?そもそもなんで士は大首領だったのか?
結局士が正気に?戻って、つかどのレベルで士自身が自分の世界を決定したのかわからないけど、最後は夏海やユウスケ、海東とともに更なる旅をする‥‥って、それでいいのかなあ?米村さんお得意の自分が変われば世界も変わる‥‥じゃないけど、今回はどっちかというと自分が見つけた世界は自分の物ってことか。自分の世界は自分が殻から飛び出して、自分で探さなきゃいけない物だっていうオチだよね。通りすがった世界すべて自分の物に出来る可能性があるってことで?それでいいのか?もうそもそものディケイドの世界はどこにもないよ。あ、アギトの世界で言ったユウスケの言葉の拡大解釈かなあ。でもそれ、違うと思うから。
それと栄次郎がホントに大ショッカー幹部だったとしたら士が光写真館にいるってことは監視のためってことになるけど、士が世直ししてるのを特に口出しもしてないとかよく判んない上に、大ショッカーがなくなった以上意味はないよねー?
これ本当に士の世界じゃなくて大ショッカーの世界で、栄次郎は幹部の役割、士は大首領の役割を振られたって言うんなら納得出来るんだけど、そうじゃないんだよねえ‥‥( ´∋`)
それと士くんが考えたリアルガンバライドは何の説明もなかったけど、本来勝ち残ったライダーの世界が残るとかいう話じゃないのかなあ?でなきゃやる意味ないよね?本当に死ぬ死なないは別として。
 
ところでTVシリーズの頭に出てきた紅渡と仲間たちが破壊を押さえてる間に9つの世界を旅するって話、結局なんだったんだろう。あれは誰だったんだ?この映画で士くんの旅の意義がこういうことだったって明らかにされたら繋がらないんですけど‥‥って、まあ士の正体や謎がちょっと出たことで考える材料は出来たんで、いろいろ考えてみたいと思います。
とにかくもう本当に何度でも言うけど、會川さんじゃないことが悔やまれてなりません。オレの見たかったディケイドはもうどこにもありませんよ。會川昇だからこそ期待してたのに。
言っとくけどオレはメイン脚本家が変わったから残念ってレベルで文句言ってんじゃないんだよ。會川さんじゃないから、しかもこの「ディケイド」が會川テイストで最も興味あるテーマだったから(「妖奇士」的なメタな物語構造のお話だから)期待してたんだよ。米村さんのカブトも天道も好きだけど、それはそれ、これはこれ。米さんが扱いきれない物を任されて自滅してるって自覚がないのがまた噴飯物です。それでいいと思ってんのかといいたい。
ああ、ホントはこの劇場版ってどんな話だったんだろう‥‥とほほ。

*1:下水に限ったことじゃないけど、ロケ地巡りをすると特に川っぺりとかホントに臭くて、こんなとこでスタッフ・キャストは長時間撮影やってたのかーと頭が下がる思いをすることは多いですよ‥‥。戦隊とかよく撮影始めた冬のさなかにあえて水落ちシーンをやって、過酷さを思い知らせるとか言うけどさ(^_^;)