そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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宇宙戦艦ヤマト・復活篇

http://yamato2009.jp/index.html

初っぱなからネタバレですよ!この時期だから隠しませんが。(ストーリー自体には触れてないから大丈夫?)
 
何が驚いたかって、雪は行方不明のままだし異次元生物は放置だし、どうなってんの?と思ったところに「復活編・第一部 完」のテロップですよ!オレも周りのお客も思わず呟く「えっ、第一部って‥‥?」ポカーン。まあ確かに話終わってないわな。
つか、年末の忙しい時にも関わらず思ったより人が入ってるのにビックリしたというかある意味安心したというか(笑)オレも今日見に行くとも思ってなかったんだけど、夕べ映画ウォーカー見てたら新宿ピカは今週中だったのとそういや今日は水曜レディースデーだったんでポチッとな。ピカ以外は来週もやってるみたいですが。
 
それにしてもこれはなんといっていいのか、確かに面白かったんだけど話のボリュームがあり過ぎて、むしろTVシリーズで1クールとかにした方が良かったくらいかも。続きがあるから1クールで‥‥ってことですが。大体話複雑すぎる(笑)ウルトラ最新作も確かに詰め込んでたけどそれとは違うというか、純粋に話のボリュームがありすぎるんだよね。メインの大筋だけ追ってるというか総集編みたいな感じで、本当はあったはずのエピソードをいっぱい落としてる様な気がするって意味で。
つか、最初に「原案 石原慎太郎」って出たところで「えっ」と思ったんだけど、そのせいもあってか確かにこれはすごく右寄りな話に思えてしまったのはしようがないのか(苦笑)現実世界の状況に微妙になぞらえられそうな感じとか。実際、慎太郎の映画(カミカゼ特攻の「君のためにこそ死ににいく」←でもオレは見てない)みたいな話だったと思うけどさぁ。
総集編のようにいろいろ落としてるみたいな気がするってのは、そういう特攻シーンがホントにそうなんだけど、その理由が「そうすることが尊いからだ」的な、死ぬこと前提の特攻すぎるというか、ゴルイ将軍にしてもパスカル将軍にしても大村副艦長にしても、人物像としてはちゃんと説明されてるんだけどなんというか特攻ありきな大義名分なんだよな。でもってそれを悲しむいとも間もないし。TVシリーズならきっと描写エピがあったんだよな、1話分くらいw
まーそれ自体は”ヤマトだから”ってことで悪くはないんだけど、原案・慎太郎だと思って見てたから余計に気になってさー。
その辺については初期シリーズのヤマトが「遥か14万8千光年彼方の大マゼラン星雲に、全地球人類の希望を背負って旅立つ」というどちらかといえば大宇宙と男のロマンな話だったはずが、「さらば〜」では「愛のために死ねるか?」になっちゃった時点で、ご都合主義を「愛ゆえに」でカバーしてるっていう話なんで、根本的には突っ込みどころじゃないんだけどさ(苦笑)
でもいくらヤマトがいい意味でマンガ映画だといっても、中途半端にリアルな生活描写があったりしてるから、そこら辺の丁寧なエピソードは欲しかった、というか見たかったって意味で、TVシリーズで丁寧にやって欲しかったって気分なのですよ。それくらいにはこの話はよく出来てると思うんですが。
細かいとこだとアマールに行った移民の状況とか全然わかんないし、そもそも星間連合に入ってるアマールが移民を受け入れてくれた経緯も判らんし、それなのにSUSから侵略者だと決めつけられて攻撃を受けるのも判らんし。冒頭からしていきなりもう船団が攻撃受けてて、古代は辺境にいる理由や娘の美雪と不仲な理由も判らんしなあ。なんで雪が娘をおいてまで艦長として船団の護衛の任務に志願したのかとか。あと最後がなんで折原なのかまったく判らん。伏線引いてたわけでもないんだけど、彼女は重要キャラなのか?そういや若い新クルーがあまりに今どきの若者的で笑ったよw もうちょっと何とか‥‥というより、キャラ描写もっとちゃんと見たいんだよなー。
でも判らんのだが大した問題じゃないというか、説明はあった方がいいけどまあなんかあったんだろうなという程度にはストーリーの含みは持たせてるから気にならないって感じ?そこら辺も脚本自体のポテンシャルとしてよく出来てるって意味でね。大筋ははずしてない総集編みたいな作りだから、逆にテンポよくあっさり見られるってのはあると思うし。
ただやっぱり最後の、救命艇に古代艦長自ら助けにいって、しかも娘しか生き残ってなかったみたいなご都合主義はどうかと思うよ。あそこら辺の地球の状況も判んないしさ。佐渡先生が残るのはともかく、他にも地球に残ってる人間が結構いるって見せてるのはまあそういうことだけど、ちょっと説明不足すぎだなぁ。説明はしないけど描写はしてるってちょっと中途半端だと思うし‥‥
佐渡先生のセリフがあった上であそこの動物たちが集まってる、ああいうのを見せるのはよかったんだけど。でも地球の脅威が描写不足なんだよなw
そういやどうして対SUS戦で波動砲打つ時、直接敵要塞を狙わなかったんだろ?
まあストーリー的なざっくりとした突っ込みはそんなとこで。あと妙に描写が生活感ありすぎですよw 古代君はヒゲそったりしなくていいよw
 
絵に関しては、チラ見してた予告編とか番宣とかで湖川友謙のキャラデザは微妙だなあと思ってたけど、どうもパンフのイラストやキャラ表絵とか見る限りじゃ、今回の「表情を細かくつけるために絵をリアル寄りにした」っていうコンセプトにまだ馴染んでない感じなのかなー。
総作監が湖川さんなのはともかくその下の作監が宇田川さんと高橋さんって、さらヤマ以来のわりと丸っこい甘い感じの絵の人だから、湖川さんのリアル絵が妙に馴染んでない感じに見えるんだよな。(って「さらば〜」のスタッフ確認したらこの時点で湖川さんが総作監だったりしたんですがw)
むしろ気になったのは、もののけ姫みたいなのっぺりした感じの線とかかな。特に目とか。湖川さんのキャラ描き分けに追っついてない感じ。絵自体は何となく慣れるような気はするけど、あの線はいただけんなあってとこでしょうか。
 
てことで、今回の売りの(だよね?)CGですが、なんかスゴすぎて。素で「今のアニメってこんなにスゴイことになってんのかー」と思ったくらい(笑)今のアニメ〜って、ちゃんと見てるから!エヴァだって見たさ(笑)でもそれなのに、ボンヤリとそう思ってしまうくらいにスゴかった!何だこれ?マジで美しいです。
どの程度っていうか、エヴァとスタトレの間くらいって言っていいような気はするんですけど。アニメだからってことで描写として細かいところはアニメ寄りにはなってると思うんだけど、ひょっとしなくてもハリウッドクラスのVFXに並ぶんじゃないかなあ?と思ったというか。出来よすぎです。
画面全体が実写みたいにリアルなんだけどリアルなのがいいって言うんじゃなくて、さじ加減としてはちゃんとアニメの範疇にあるというか、なんていうか、これってエヴァの進化系のCG描写だよね?同系統っていうか。
それでなんかああと思ったんだけど、ファミ劇のヤマト特番で岡田斗司夫がやたらはしゃいでたのはこういうことかと思ったのが、今さらかもしれんがヱヴァンゲリヲンってガンダムの系統じゃなくてヤマトの系統のアニメだったんだよなあーってことですよ。そういや最後の敵戦艦の異次元を使った形而上学的な海に潜る戦法ってのも、ああそういやグレンラガンでも‥‥って感じで(笑)(それだってもとはヤマトですが。3‥‥かな?)
ヤマトの進化の先にエヴァがあって、そのエヴァの戦闘におけるリアル描写の拘りをかなり取り入れてる今回のヤマト復活編だけど、違和感がないのはそういうことじゃないかなあ。
エヴァ的というか、モニター表示や電算室デザインなんか表示含めてもろエヴァだし。ああ、ヤマトの部分的なバリアーミサイルもなんかATフィールドみたいだったし。
マネとかじゃなくて、この系統のアニメ作品が正しく進化していったらこうなるよなーみたいな馴染っぷりというかね。(とあえて言ってみたが、この臆面もないマネっぷりってのもある意味潔いよ?)ガンダムというか、富野作品は逆にこういう進化じゃないもんな。あくまでも論理的な整合性があった上でのテクノロジー予想の延長って感じだけど、ヤマトって基本カッコいいかどうかっていうケレン味じゃん。エヴァは体感的にカッコいいかどうかが基準だけど、そこに現実的な理屈はちゃんとくっつけて拘ったカッコよさで、でもどちらかといったらヤマト系なんだよな。そもそも初号機そのものが嘘というかヤマトと同じくらいトンデモだよ!(苦笑)(ガンダムとかニュータイプはトンデモではないと思う)
CGに関していえば(アニメーションの動きじゃなくて)エヴァの最新作は確かにすごいんだけど、なんか判んないけど画面的にはエヴァを越えてると思う。お話は完結してないから置いとくとしても。(あ、エヴァもか)エヴァは体感的な気持ちよさで、ヤマトはとにかく圧倒的な美しさなの。これは興味あるなら大画面で見ないともったいないと思うなー。
スタトレレベルだと思うのはすごいCGが目的じゃなくて、ちゃんとツールというか手段として使いこなした上で演出的な見せ方として作品やストーリー描写とあってるってことで。とにかくスゴすぎ。
そして戦闘シーンに延々とクラシックがかかってるんだけど、ピアノ協奏曲とかオーケストラとかちょっと銀英伝な感じ(うろ覚えだけどそうだったよね)だけどやっぱ合ってるんだよな。ちょっと格調高い感じ。
 
まー見る前は確かに波動砲6連発とかないよなーとか、あのヤマトの歌をアルフィーで発進シーンってビミョー?とかヤマトの絵はデフォルメがきいてるからいいんであって3DCGにしたら味気ないなあとか思ってたけど、6発打っても波動砲波動砲だし、氷の中からの発進シーンは思ったよりスピード感あったし(ちょっと軽いっつかあっという間だけど)、何よりヤマトがちゃんとヤマトだったんで文句ないです。初期シリーズでも以外と本物の戦艦くさいフォルムの時あるよな。平たいというか子持ち鮭みたいな感じのw
全体には劇場で見るべき作品かなと思います。突っ込みどころはありすぎますが、そのポテンシャルはさすがというか。でもホントにこれ続くの?ヤマトヲタのウチの弟は3部作で、次は3年後だって言ってましたが。ちなみに弟はスゲー面白かったと満足だそうです。見たよとメールだけしといたらわざわざ語りに電話してきやがった(^_^;)
 

追記。

ざっくり他所の感想見てみたら思ったより「松本零士のキャラが使えなくてあんな絵に‥‥」みたいな感想があってビックリ。キャラデザそのままで絵柄変更しただけなんですが‥‥
というか絵もだけど、松本零士がヤマトのストーリーに関わってたなんて記憶オレにはありませんよ?(←これは事実誤認。念のためWiki見たら初期シリーズの絵コンテやってました。でもあくまで絵コンテね)セリフは松本節だけど。もちろん松本零士のマンガ版も読んでましたが、あれは今で言うところの「メディアミックス」だから!ヤマトは最初から最後まで西崎義展氏のものなんですけど。なんで勘違いしてる人多いんだろう‥‥(こないだリアルでもそう言われてビックリ)
あと完結編を見てないので(この年末やるやつを見る予定ですが)島がいつの間にか戦死してたのは知らなかったよ。どうりで似てる弟が妙に若いなあと思ったよw
映画館の客層は152席がほとんど埋まってて、もちろんオッサンばかりだったけど以外と若い女の子もいたよ。