そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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シュアリー・サムデイ

http://www.surely-someday.jp/index_pc.html

監督:小栗旬 脚本:武藤将吾
オレ的にはレディースデイでもいいつもりだったけど、相方が行くというからわざわざ休日に行ってきたよ。 *1
思ってたより面白かった。これが監督1本目にしてはかなり上等じゃなかろうか。オレは割と好き。
もちろん突っ込みどころはいっぱいあるし、脚本的にももうちょっと‥‥という部分はあるにしても、小栗人脈で集まったキャストは端役に到るまで豪華だし、なによりメインから脇キャラに到るまでの役者の見せどころはスバラシイです。その辺はさすが「役者小栗旬」だけあって、彼らをどう配置してどういう役を振れば一番魅力的に見えるのか?ということをものすごく的確に掴んでると思う。この映画の価値って半分以上はそこだよね。キャラに無理がないというか、それでいておっと思うところもあるんだけど、それは主に目線の問題かな。オグリンは意外にネチッこいし考えてるねえ。
一応ネタバレで?
 
ちょうど見に行く前日の新聞のエンタメ欄でオグリンのインタが載ってて(雑誌媒体はチェックしてないので同じこと言ってるものあるかもしれないけど)自分が好きな映画、「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(ガイ・リッチー監督)「トレインスポッティング」(ダニー・ボイル監督)「スタンド・バイ・ミー」(ロブ・ライナー監督)を混ぜあわせたみたいな映画だっていってたんだけど、確かにこの複雑というか一つのことがあとから別の意味を持つような展開とマジなおちゃらけ感はロックストック〜だし、全体の疾走感や意味のない青春のバカさ加減はトレスポだし、スタンド〜は言うまでもなく4人で何かを探しに行く話(省略しすぎ)だし、ああなるほどねって感じ。最初の高校爆破事件のとこの演出なんか、テンポやスピード感もまんまみたいな感じだしw
それがあったから、最初はまさか高校の時にバカやってドロップアウトしちゃった5人が単に自分探しする話じゃないよねえ‥‥?とは思ってたんで、あとの展開はなかなか楽しめたし、意外性もあって面白かった。
最初の方こそちょっと自主制作映画臭かった気がしたけど、それはどうしても「青春」カテゴリで「あの小栗旬が‥‥」という先入観が拭えなかったせいだと思うんだけど、途中からまったく気にならなくなってきたしね。
結構暴力描写が容赦ないっていうのと、バカたちの青春が思ったより青臭くないってとこ、単に過ぎた青春を懐かしんでるだけのノリじゃないってところが意外だったし、思ったよりオグリンのビジョンがしっかりしてるなあと思ったんだよね。
彼らの3年前がただの高校生のバカで、あの年頃の男の子らしいというより、イケメンでなければ(笑)なんかいろいろ臭ってきそうなくらいのバカ男の子臭がリアリティがあったり、そういうところの作り込みがキャストの役どころ込みですごくハマってたのも良かった。
というか、オグリンは小出くん好きすぎる(笑)このキャストの人たちってオレ的には上手いからチェックしてるカテゴリに入ってるだけで、男のタイプとしてはまったくツボでも好みでもないんだけど、この小出くんはエロすぎです(笑)エロいというかセクシー。抑圧された雰囲気というか、その3年前のことがあって弾けられないなんか背負っちゃった気になってる(あくまでそういう気になってるだけの)人のセクシーさ満載。ビジュアル的に言えば最初のゆるい感じの薄い白のTシャツ最強(笑)
その小出くんの巧をなんかこれでもかってくらいカッコよく撮ってて、オグリンはホモかと思うくらいだ(笑)
あと綾野くんも妙なフェロモン出しっぱなしで、まあこれはいつもだと思うけどエロかった。
勝地はここ最近の空回りハイテンションキャラだけど、それだけでは終わらせない、そのハイテンションっぷりに芯が通ってるとこまでちゃんと描いてるから、薄っぺらくなってなくて、やっぱりオグリンの愛を感じるよ(笑) *2 鈴木亮平も体がデカイカッコよさというか、やっぱり動いてるとセクシー風だしw
あとはやっぱり岡村の扱いはほとんど反則に近いんだけど、オグリンと岡村の交友関係考えるとあれはいろんな意味でおいしすぎる(笑)オグリンがw
とにかくキャスト的には宝探しというか、いいよね。どういう人脈なのかって感じで。 *3 そういや交番警官、一人は妻夫木だってのすぐわかったけどもう一人が分かんなくて、なんとなくEDのメイキングで小栗‥‥と思ったらそうかw
なんか結構いろんなところで笑えたよこの映画(笑)オグリン、センスあるよな。
 
んでも話としてはもったいないなあと思うとこが、そもそもこれ映画としてはちょっと長いと思うんだよね。見てて後半の墓地のとこでもう終わりくらいだと思ったんだけど、まだあるかって感じだったし。というかそっからが謎解き的なクライマックスだったりするし。
だから‥‥だけど、これって結局主人公はあの4人だけど、タイトルのシュアリー・サムデイ=「いつかきっと‥‥」っていうのは美沙のことで、美沙の話だよね。だったら最初に変装して和生(鈴木亮平)から三億円を奪うところからもうちょっと上手く美沙さんの人生として繋げて見せて欲しかったかなと思った。
かつて巧に「救われた」けどどうやっても上手く行かなかった人生で、そのヤクザの組長から三億円を奪って逃げるに至ったというテンションじゃなかったのが勿体ないというか。実際その金髪女を探すとこから話は始まってるはずなんだけど、どうも心に響かなかったというかさ。そこら辺がその後のストーリー展開的にちょっとブレーキかかっちゃったかなとオレは思えたかなあ。
そのせいで全体になかなか展開がつかめなくて長く感じたってのもあるし、美沙さんと宮城さんの顛末、雄基(ムロツヨシ)のお父さんの自殺の真実のくだりが考えオチみたいに説明不足になった気がしなくも無いんだけど。あれってほんとはロックストック的に、過去の出来事の関連性としてもっとパラパラっと何もかもがひとつに繋がった!みたいなとこにカタルシスがあってもいいんじゃないかと思う。その過去の出来事が結局現在の彼らの罪の意識、彼ら自身がやったと思ってたことじゃなく、実は知らないところでもっと大きな影響を与える罪を犯してたということを自覚する話だとわかるくらいに。
一応そこまで話としては入ってるのが今回の映画のオグリンのセンスのすごくいいところだと思うんだけど、今これ書きながらやっとわかったんだけど、最後に美沙さんが巧を受け入れられないのって、結局そういうことだよね?間接的に彼女と宮城さんのの幸せを奪ったのは巧たちで、その償いをしないまま巧が彼女と結ばれるなんてことはないよなあ。そういう話だよね?深読みしすぎ?でもあれ、見てる時はちょっと良くわかんなかったからさ。
でもとにかく、巧たち5人のバカの見せ方とか、やったことの落とし前のつけ方、なんかラスボス・肉体改造後の飯島の無敵感に一体どう終わるんだろうと思ってたところにあのラストのオチとか、その前の最後の「やり残したライブ」で宮城さんの「シュアリーサムデイ」を演奏することとか、バカはバカなりの「何か」を目指して、いつかきっとと思い続ける、非常に前向きな気持ちになる映画だったよ。
EDのメイキングもだけど、最後の最後に性転換装置のあれを持ってくるってのも、とにかくめいっぱい楽しんでほしいという監督小栗旬の気持ちが詰まったい映画だった。通俗的な言い方すれば、荒削りだけど意外と秀作。次も期待したいって感じ?3,4年後かなあ?

*1:前にCMやってたとき一応と思って相方に「シュアリー・サムデイ観に行くのー?」って聞いたら行くっていうから、「ええ、なんで?」って言ったら(聞いといてなんでもくそもないw)「だって応援したいじゃん、小栗のことは」と言ったから。でも男のオッサンひとりでこの映画を観るのはちょっと抵抗あったらしいw

*2:どうでもいいことですが、勝地って「新・愛の嵐」で要の少年時代役やった時にスゲー好みな感じに上手い!と思ってずっとチェックしてたんだけど、やっぱりその時から上手かったし(当然その頃の要よりも!)オレの目利きもなかなかのもんじゃった‥‥と自画自賛w その後ルックスビジュアルは好みから外れたけどな。

*3:ヤクザに高橋光臣がいたんだけど、オレがなんでだろと言ったら、いた事に気がつかなかった相方が「イケパラだろ」とサラッと言いやがった‥‥Σ( ̄。 ̄;;)