そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ネオ・ウルトラQ #2,3

http://www.wowow.co.jp/drama/ultra/neoultraq/index.html

#2「洗濯の日」

 脚本:いながききよたか 監督:田口清隆
 
何がやりたいのかはわかる。わかるだけに脚本の力量がおっついてない(ぶっちゃけ素人脚本)ってのもよく分かる。
悪い意味でたった30分が長いなー、これ世にも奇妙な話なら15分ですむエピソードだよなーと思ってたらあのオチって‥‥
こんな酷いオチは久しぶりに見たね。思わず「えーっ?( ゚ A ゚;)」って声出ちゃったよ(笑)
あのオチは、無粋を承知でいうけど、地球をキレイにしてくださいと言われたからそのとおりにしたら、人間も何もかもひっくるめて真っ白になっちゃった‥‥っていうブラックオチなんだよね?だよな?それしか考えられないよね、この話だと。
でもそこに至る何もかもの伏線や布石どころか、それを臭わす描写すらなかったよね?
オチを見るまでは「キレイになるっていってもクリーニング屋なら当たり前だろ」とか大山さんのキレやすさに「まったく今どきの高齢者は‥‥」とか、「お金もらわないのかよ、そりゃ子供らも地球侵略とか疑うよね」とか思ったよ。いやもっと細かく言うとクリーニング預かるのに名前も聞かない金も貰わないアバウトすぎる経営とか、記者の絵美子(高梨臨)の取材の話はどうなったとか、そもそも取材で出てこないっても街なかうろついてんじゃんとかいろいろ細かい突っ込みどころもあって、まあそれもウルトラQクオリティだなと思ったよ。そういう突っ込みどころはともかく、ネタ的には1話よりはマシかなとか思ってたんだけど、本当にこれはないよ。
いやこれさ、この話の基本的なコンセプトが「怪獣のいる風景(日常)」で、その理由自体はなくてもいいんだ。
そして怪獣がクリーニング屋やってるのはなんかの陰謀じゃないかっていう子どもたちがいて、でもその疑いも晴れ(というかあの描写もドラマとしては成り立ってなくてどうかと思うけど)、今どきの切れやすい高齢者である大山さんとのいい話ありで、ブレザレンさん(ピグモンタイプ)は見た目通りのお人好しでおそらく本当に善意の怪獣(としか思えん)だなっていのがあったからこそ、国連の偉い人に依頼された通りのことをやろうとしただけなんだ(としか思えんが)‥‥ってのもわかる。
そんな大変なお願いがあんな町の子供に頼まれた程度の描写云々なのはともかくとして(せっかく堀内正美さんとか呼んでるのに話の詰めが甘すぎる)、大山さんの奥さんのエピとか気持ちとか、養護ホームで(たぶんボランティアで)洗濯物をキレイにしたり風呂屋の掃除をやったりして街の人気ものになってるってことと、体洗ってもらったじいさんたちが「若返るようじゃ」って言ってたこととか、すべての要素が何もかも意味ないような話を作るって、ある意味才能かもな。
マジでスゲーよ、普通の脚本家だったらこんなクソ脚本書けないよ。これだけネタとしての要素が揃っていながらしかも30分枠で、たとえベタであってもそこそこ面白い物にならないということが信じられない。そういう意味でのポカーンだよ。本当に、どうしてPとか監督とか、この脚本読んだ時に直さなかったの?ギリギリだったわけ?まあこのレベルの脚本を現場で直せってのは相当無理だと思うけど。
そもそもクリーニング屋だから洗濯物がキレイになるのは当然で、ブレザレン(覚えにくいなー)が洗濯したことで何かいいことがあるという付加価値がある話ならわかるんだよ。いや新品同様で嬉しいってことじゃなくね。だから街のみんながブレザレンのことを好きで、怪獣なのに街の人気者だってのはわかるんだ。
それこそこの話のネタの範囲内でいうなら、袖を通した瞬間過去の幸せな幻が見えるとかさ。それなら大山さんが妻に死ぬ前に着せたかったってのもわかるし。
というか、絵美子が喫茶店でしてた年商10億?だっけ、とか大手になったって話はなんだったの?あれっ?そのあともまだ普通の町のクリーニング屋だったよね?
とにかくドラマとしてというより創作クオリティとして酷い。これWOWOWは円谷に騙されたレベルの話だと思うよ?(そういや雨宮慶太監督がフジテレビを騙したこともありましたねw>ミカヅキ
 

#3「宇宙(そら)から来たビジネスマン」

 脚本:いながききよたか 監督:入江悠
 
なんか、本当にやりたいことはわかるんだよ、ネタ的に。でも何もかもがズレすぎてるし脚本段階で間違ってるレベル。ぶっちゃけどうなのよこれ?
今回は「日常の中に溶け込んでる宇宙人」ネタで別にこれはこういう世界なんだからいいよ。大学教授の研究が超科学なのも。なんだよ、土地の時間を過去に戻すってw
もうウルトラQでも世にも奇妙なでもいいんだけど、とにかく話のレベルがヒドすぎるんだ。
地球人とヴァルカヌス星人の価値観の違いと美醜の問題、醜かった(自己申告)美樹さんの価値観の間違いをツッコむのか、何が負のエネルギーなのかを含めたその是非とか、どれも相当ネタとしてはわかりやすいしベタにやろうとしたら無難な提示はできるはずなのに、どれにもちゃんと突っ込まないままだし、そこから根本の問題提起もしない、ただネタを並べて美樹さんは地球を捨てました‥‥で終わってるけど、美樹さんが地球を捨てたことによって描くべきことってあるよね?全部スルーかよ。というかすべての描き方がなんか間違ってるんだけどさ。
この話って普通だったら、美樹が美しさと交換条件で宇宙人と人身売買→絵美子たちが宇宙人と取引として悪い人から負のエネルギーを採取→取引成立・人間は美醜じゃないで美樹を説得→やっぱり美しさを選んだ美樹が自分の意志で宇宙へ→人の心の闇と社会のありようを問題視‥‥でいいと思うんだけど?なんで土地の負のエネルギーを吸い上げるとか時間を戻すとかそんなヘンテコな話になってんの?
あと詐欺男から負のエネルギーを吸い取るって、負のエネルギーって美樹さんが感じてたような心の闇的なネガティブエネルギーだよね。詐欺男のは悪の心だと思うし、それを抜いたら真人間になるんでなく余計に落ち込むって、それが負のエネルギーじゃん。教授の装置のほうが失敗だよ(苦笑)
絵美子が美樹さんを助けるためなら詐欺師の男がどうなっても構わないって言うのもどうかというか、そこはちゃんとドラマとして突っ込めと思うしさー。それも問題ありな負のエネルギーだと思うけど。

絵美子はモデルの美樹さんを助けるっていうけど、なんでそう思ったのかわかんないよ。取材でああいう歪んだ価値観の持ち主だってことで感じ悪いと思ったんだよね?美樹さんの元の顔も知らないわけだし、絵美子は自分がキレイだっていう自信もあるみたいだからそれ故美樹を追い詰めるならまだわかるけど。
しかもヴァルカヌス星人のとこにいたのって美樹さんだけ?後ろの人はマネキンだったの?(そうだとしたらそこに置いてる意味がわからない)ヴァルカヌス星人もわざわざ地球まで来て一人しか連れて行かないのって効率悪いと思うんだけどさ。(まあそこはいい)
そもそも美しくなった美樹さんを負のエネルギーが美しいというのが、見た目の美とと内面の醜さ(ネガティブさは=醜いじゃないと思うけど)での交錯描写なのはわかるけど、そこで「負のエネルギーが美しい」って言っちゃうとちょっとズレるんじゃないかなあと。まあヴァルカヌス星人はあの負の液体見て美しいって言ってるからあれでもいいんだろうけど、じゃあ美樹さんから負のエネルギーだけ抜き出せばいいじゃんと思うんだよな。
そして美樹さんも美しくなったのにあんなにも負のエネルギーを持ち続けてるってのがイマイチわからんのよ。普通は望みどおり美しくなったらハッピーだよね?だからどうしてヴァルカヌス星人が連れて行こうとするのかわかんないんだ。矛盾してるよね?
そして美しくなった美樹さんがそのままでいたいと思うのは当然で、なんでそこで絵美子が止めるのかもわかんないし、しかも絵美子のお陰で美樹さんのネガティブさが解消されたわけでもないよね。ここが一番おかしいんだけど。
美樹さんが顔の美醜でなくても生きていられると思ったのに、結局他人の賞賛とかでなく(ここも全然描写が足りてないんだけど)自分が美しいことに価値を置いてるからずっと美しくいるためにヴァルカヌス星人と一緒に行ってしまった、つまり絵美子の敗北だっていうなら苦いエンディングとして機能するんだけど。まったくそういうとこが足りてないよね?てかこれ、美醜の価値観と心の闇の話としてはこの手の話の基本じゃね?なんで最低限ベタな話にすらなってないの?
なんかあまりにひどいから、この番組の行く末を確かめずにはいられないよ。たぶん最後まで突っ込みながら見るような気がする。途中無理すぎてリタイヤするかもしれんけど。