そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

おやじの背中#3「なごり雪」

http://www.tbs.co.jp/oyajinosenaka/
脚本:倉本聰 演出:石橋冠
 
しょっぱな耳の大アップからナレーションが被ってカメラがだんだん引いていくところ、ちょっと昭和の昔のドラマか映画みたいな雰囲気だった。昔の日常ものドラマでこういうシュールな演出するやつってあったよね。ナレーターが石坂浩二とかで。
この石坂浩二みたいなナレーション徳光さんだったのね。EDテロップ見てビックリ。確かにそう思って聞けば徳光さんだなあっていう癖はあるけど、雰囲気的には石坂浩二狙った感じだよね。

そしてもうしょっぱなからどうにもこうにも、この西田敏行演じる金次郎みたいな昔気質というより妙にプライド持ってるタイプのおじさんって本当に苦手で。仕事にプライド持ってるわけじゃなくいわゆる「男の沽券に関わる」的な妙なメンツにこだわって、結果として周りに迷惑かけるようなタイプの人間大嫌い。しかも煩いし。
西田敏行がやってるから最終的にはちょっぴりユーモアや可愛らしいとこが見え隠れはするけど、職場の社長やなんかがこうだと本当に始末に悪いよな。耳が聴こえないなら補聴器をつければいいよ!(ここ数年うちの実家の母親もこの状態だから本当にイラッとするよ)
でもこの枠はこういうタイプのおじさんに共感する年代が多そうよね(^_^;)だから別にそこはよし。むしろキャッチー?
だからまあ序盤こそそこんとこ我慢して見てたけど、そのあとの40周年記念式典の何もかもが思うとおりになってなかったってのが周囲の気持ちのほうがわかるだけに当然だよなと思い、でもさすがにお友達が招待されてないだの、頼んで作ってもらった映像も使ってもらえてないだのまで来るとちょっと金次郎に同情的な気分に。
というかその話の流れとか展開とか、やっぱり基本的に脚本がすごい上手いよ。脚本と西田敏行のせいでこの主人公にイラッとしつつもつい見ちゃうもん(笑)
そして話は意外な展開もあり、どう落とすんだろうと思ってたら普通にしみじみと終わって、しかも耳のことスルーかと思ったらああいう使い方をしてくるという、もうさすがにベテラン脚本家は盛り込み方が上手すぎるね。なんだかんだ言うけど面白かった。
倉本聰のドラマは、基本的にはこういう人情話ジャンルのものが好きじゃないので「北の国から」ですら完全スルーなんですが、「拝啓、父上様」とか結構好きだったんで(あれ以降黒木メイサをチェック)題材次第かなあ。年齢のわりに意外と現代的なネタとか突っ込んでくるよね(笑)