そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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おやじの背中#6「「父の再婚、娘の離婚」

http://www.tbs.co.jp/oyajinosenaka/
脚本:橋部敦子 演出:竹園元
 
橋部さんって同い年だったのねー。草なぎくんの僕生きシリーズとかやってるドラマは結構好きだけど、これはどうだろ。良くも悪くも、というか若干悪い意味でのステレオタイプなドラマだった。演出の竹園さんて名前はハンチョウで名前は見てたけど、今回はTBSのホームドラマっぽい雰囲気。
ただオレがつまんなかったと思うってだけで、たぶんこの枠を普通に面白いと思って見るような人たち的には一番見たかった感じのいい話なのかなあ。
國村隼は好きだけど尾野真千子が好きじゃないので見ててもノレなくて面白いと思えなかったってのもあるけど、これあんまり脚本の出来もいいと思えないんだよな。ものすごいファンタジー、「ホームドラマ」という言葉の印象の中にだけある理想の親子関係で、それ以上でも以下でもない、実感のない父娘の話にしか思えんかった。オレはね。
オノマチの役って毎回同じというか、キツイ感じのいい年しててるわりにちょっと反抗的なアウトロー、もしくは気持ちだけは真面目な常識人とか、とにかく彼女の役でオレがツボにはまるようなキャラはたぶんないんじゃないかと思う。全然役者としてやってる役に共感できないんだもん。まあそれは好みってものもあるからいいんだけど。
つーか、なんだかんだと父親に反発してるくせに一緒に温泉旅行に行って枕並べて寝られる娘ってのがまずありえない。もしかしたら一般人のイメージとしての父と娘ってこういものなのかも知れないけど、それをそのまんま心なく「こういうもんでしょ」でやってるこの脚本が好きじゃない。僕いきとか春馬のドラマとかと全然違うよ。
また七海(尾野真千子)の実家の家の感じがものすごく一般的な昭和の家っていうイメージそのままの家なのも気に入らない。
必要以上にオシャレでもモダンでもなくかといって貧乏でも裕福でもなくかといって小ぎれいすぎず、そして都会でもなく田舎でもない日本全国そこそこの町ならどこにでもありそうな一戸建ての標準的な「昭和の家」イメージ。ある意味そういう「実家」を過不足無く作ってることがすごいと思う。(ここは褒めてる)

そしてとにかく何がツマンナイって、彼らのバックボーンが全然実感できないんだよね。
説明としてはあるんだけど、前回の木皿泉脚本と違ってそれがドラマとして全然実感できない、ものすごく悪い意味でいかにもなホームドラマにありがちな設定。
典久の奥さん、つまり七海の母親って4年前に他界したって言ってるけど、七海と典久の会話の中に母親の影がまったくないよね。
七海は父親の干渉が嫌で自由になりたくて結婚して家を飛び出したっていうけど、母親は?その頃もう死んでたの?というか七海がそんな風に育ったことへの母親の影響がまったく見えないんだよ。まだ子供の頃に死んじゃって男手ひとつで育て上げ、娘が嫁に行ったから婚活考え始めたっていうくらいのほうが、今の平成という時代的には実感的。
七海は実家の親子関係もそうだけど、最初役者をやってて働いてない大悟(桐谷健太)と結婚してるとも思わんかった。ただのフリーター彼氏かと思ったよ。そしてそれって完全に「そういう設定」ってだけでそれ以上でもそれ以下でもないんだよね。桐谷なのに影薄いんだもん。旦那だっていう認識もあんまなかったし。
だから七海の境遇にもまったく共感できないし、離婚したって言われてもはいそうですかとしか思えないし、何よりこのドラマの父と娘の中には旦那も母親もいないんだもんな。会話には出てくるけど存在してないというか、結局七海と典久の閉じた親子が元の鞘に戻っただけな感じで、でもそれを自覚したからもっと気楽な関係で親子をやれるってだけの話なんで、自分としてはこんな父娘がモトサヤに戻ったなんて話は面白くないんだよね。
まあたぶん一般視聴者的には娘が父に心情を吐露するとこが一番の見所なんだろうけど、その前提が自分的にはそんな親子関係気持ち悪くてヤダっていう1話と同じ状況なので、結局どうにも薄ら気持ち悪い話であった。
というかオノマチがやるこういう役(ばっかな印象)が好きじゃないんだよなー。父親に対していい子でいたいと思う娘という生真面目さが、時に反発するけど実は仲良しっていうそういう話しっつか親子関係、本当に自分は好きじゃないだな。
とにかく旅行に行って布団並べて寝るいい年した父娘ってのが自分としてはファンタジーすぎる (∋_∈)
つーか「ホームドラマ」というものがそもそも「ファンタジー」なのかもな。