そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

素敵な選TAXI #2「今と昔の選択肢」

http://www.ktv.jp/sentaxi/index.html
脚本:バカリズム 演出:星野和成
 
これ、脚本はバカリズムだけどこのドラマ自体の雰囲気やノリは筧昌也なんだよね?
なんつーか、本当に惜しいです。
たとえ竹野内を使ってたとしてもどうしてこのドラマは土曜11時台じゃないのかなあ?
枠のテイストの問題もあるけどやっぱり尺が長すぎんだよ。なんでRETRYまで20分以上かかってんだよ。せいぜい10分だよな。5分でもいいくらい(それじゃ世にも奇妙〜かw)。その分間延びしてダレるんだよ。
それで話がすごく捻ってあるかというとそういうわけでもないし、わりと普通。喫茶店のやりとりも至極普通。せめてあそこがものすごく笑えるブラックユーモアな展開ならまだしも、本当に普通。
まあ筧昌也の作品ってネタは突飛だけど、お話としてそんなに気が利いてるわけでもないから仕方ないかもしれないけど、だったら時間短くしてテンポアップしようぜ?
もうちょっというと、筧昌也のお話ってネタは面白いけど(バブル世代じゃないのにすごくバブル時代の香りがする)そのストーリー自体の展開が上手くないんだよね。ギャグセンスがないというか。バカリズムの脚本もノリとしては分かるんだ、ああいうちょっとハズした感じっていうか微妙な笑いというか。
でもこのドラマのスタッフはそのバカリズムの笑いをすくい取れてないよ。あー、なんかいろいろもったいない!好きなネタだけにもったいない!
 
今回のは、話としては民宿のおっさん平野(仲村トオル)が自分の過去の後悔を今のいのり(柳生みゆ)と達也(間宮祥太朗)に重ねて、駆け落ちを手助けする…ってのはいいんだけど、まあ自己満足だよね。しかもその自己満足すら時の巻き戻しで消えたっていうものすごくSFに切ない話。このSFさ加減はすごいよ?だってことを起こした当人すらそれを覚えてないんだもん。見事な歴史改変SFですよ。
そういう意味でこの切なさってTV欄の粗筋紹介にある40男の取り返しの付かない過去の自己後悔を取り戻すっていう切なさじゃなく、すごい事件があったのにその結果あの鄙びた田舎の平和が守られたということをやった本人すら覚えてない、だから自己満足にもならなかった(=自分の後悔を晴らせてない)という切なさ。それじゃ平野はただの負け犬のままだよ。彼の後悔は解消されることなく、このあともずっと続いていくんだよな。重すぎる。
せめてもう少し過去の駆け落ちの話だけじゃなく今の彼に至るまで、彼の人生に何があったのかをドラマ的に見せてくれればそれはそれで面白いのに、なんでそこはスルー?それならなんで親友の警察の管理官に「戻ってきた」とか言わせた?彼の人生がダメだったってのがあるからこその若い二人に後悔のないような駆け落ち指南であり、拳銃奪って大暴れという暴挙があったわけじゃんよ。(まああの時点で二人が過去に戻ればそれすらチャラになるってわかってたから…ってのはあるだろうけど)
だからどうしてあそこでタクシーを降りちゃったんだとは思うけどさ。別に定員オーバーしてるわけじゃなかろうに。過去に戻ったら彼がやったことも消え去るんだから、起こったことをなかったことにするか、起こらなかったことにするかという違いでしかなく、そして起こったこと以上に起こらなかったことはどうにもならないと思うのよね…わー、切なーい。
このタイムスリップの結果ってどうなるのかわかんないんだけど、パラレル化じゃなく置き換わりだから、ひょっとしたら当事者たちは自分らがタイムスリップしたことすらそのうちあやふやになって、過去の選択が自分の意志のように記憶されていくってことじゃないかなと思うんだけどさ。ああまさにSF的。
こんなSFなドラマを火曜9時というたぶんまるで求められてない時間帯にやるっていうことの意味がわからない。最近のフジは色んな意味でかなりダメだなあ( ´∋`)
あ、竹野内のキャラは大変よろしいですが、できればもう少しなんというかさじ加減的なもので振り切れればと思わんでもない。もう少し盛り込もうよ。(と竹野内にいっても無理…というのもわかるw)自分で勝手に枝分のキャラを作りこんでいいんだよ?(苦笑)