そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

Nのために#3

http://www.tbs.co.jp/Nnotameni/
脚本:奥寺佐渡子 演出:塚原あゆ子 原作:湊かなえ
 
悲惨な話(主に希美周辺の)をあまり悲惨に見せないってのは、やっぱり希美の榮倉奈々の柄というか雰囲気ってのは結構大きいと思うのよね。
希美が可哀想、なんて気の毒な…とみじんも思わない分、オレはとても見るのが楽です。大丈夫、榮倉が棒なのは昔から知ってるから、そこには全然期待してないから。(演出家ってほんとすごいよなあ、あの棒をいかにも上手そうに見せるんだから)
でもその分ちゃんと取り巻く男性たちが小出恵介だの窪田正孝だの賀来賢人だので固めてて安定感あるし、むしろ榮倉が棒で野心家()な杉下希美にリアリティがないからこそ(キャラ造形がじゃなく本当にただ単に榮倉が下手だからってだけね)ハラハラヒヤヒヤしなくて、そこにそこはかとない希望、もしかしたらこの先は破滅なのかも知れないけどそれは決してどん詰まりの破滅じゃなく生ぬるさすら見いだせると思えるという、まあドラマ自体すごく微妙な雰囲気なんですけどね。(念のため言うけどこれはこれで悪くないです)
むしろ今の展開って、今こんなことをほじくり返す元・島のおまわりさんの高野さんが邪魔くさいとすら感じるよ。少なくとも2004年の事件が何だったのか、何が起こって誰のためにやったことでそうなったのかがわからないうちはね。
そして島にいた2000年までと事件があった2004年、そして2014年の現在のそれぞれの出来事の見せ方が上手くて、ストレスないどころかとてもわかりやすいくていいです。よくこれ、こういう構成したなあ。原作通りなのかどうかは知らないけど、登場人物の気持ちと出来事、その出来事のそもそもの発端と現状の時間の経過がとてもわかり易いよね。
てことで希美のお母さんがあまりにも毒母なんだけど、それも心が壊れかけてるからと思えば毒母な事実よりも状況として仕方ないと思えるし、共感はできないけど彼女を愚かだとも思えないのも自分的には気が楽です。たぶんそういう風に育てられちゃったんだろね。希美と一緒に島を出ればよかったのに。
だからこそそんな状況のその母親に縛られずに、潔く捨てるという決断をする希美の強さはとても傲慢。だってあれ、どう考えてもあの母親が嫌いだから捨てるという風にしか見えないもん。(そういや弟どうしたんだっけ?)
父親の仕事先で土下座してお金を出すことを確約させ、しかもちょっとばかし辱める、それをわかっててやってるところも確信犯。それを見てることしか出来ない成瀬くんはたぶんこの時点でもう希美とは無理だと思うんだけどどうか。、まあ野バラ荘でのやりとり見るにあれはそりゃー安藤@賀来くんとくっつくよなあw

それにしても島の実力者の杉下晋パパだけど、よく考えなくても婿養子に入って会社を立て直したとこまではともかく、表向きは奥さんに問題があったわけでもないのにいきなり子供らともども追い出して家に愛人住まわせて仕事は今までどおりってすごいな。よく島の住民から何もツッコミはいらんな、まあ誰もそれを言えないってことがそもそも彼的にあの島で何やってんだろ俺…という状況になったのかもしれないけどな。
愛人の由妃も地域の人たちとも忌憚なくやってるってすごいなあと思ったけど、たぶんあれ、なんだかんだ言って本当に早苗ママはKYで使えなかったんだろね。根っからの非生産者というかあんな島でキレイなことだけが取り柄の女ってつくづくつぶし利かないってことよねえ。それなら確かに卒なく社交的で愛想よくて小器用でおまけに小奇麗な愛人のほうがいいかもね。
由妃さんは土下座してる希美に対しては親切だけど、彼女はたぶんああやって生きてきたんだろうと思うし、目的のためにはなりふり構わないような人間には優しいのかも。あくまでも上メセでだけどw
東京に進学して野バラ荘で出会った4人…ってのは次回でいいや。そういやあの野バラ荘って、怪物くんのウタコとヒロシが住んでたアラマ荘と同じとこやね。面白い作りだよなー。